龍神と七龍ナナの目覚め ②
ナガリコ村は、中央の山を囲うように存在している。
そんな神秘的な山の中に、俺が喉から手が出るほどほしい『大秘宝の龍玉が眠っている』と、中央都で出会った坊主の冒険家が言っていた。
太陽が山の陰に隠れ、ナガリコ村全体が暗闇に染まる。
住民とモンスターが1日の終わりを迎える時間帯から、左手でノミ、右手でハンマーを握り、山を削り始める。
何重も重なった岩の隙間にノミを立て、ハンマーでたたき、より深くまで刺す。その後、かさぶたを取るように、全身の力でノミを後方へ引き岩をはぐ。
これを何千回繰り返し、ようやく190cmの俺が通れるほどの簡易的な洞窟ができる。
体力自慢の俺であっても、何時間も作業はできない。
金属音が村全体に広がる。
そして、その音がなってからちょうど1時間半経過したときに鳴りやんだ。
瞼の隙間から入ってきた太陽の光で目を覚ます。
どうやら、俺の用事があるやつがこちらに向かってきている。
『ドシッ ドシッ ドシッ』
大きな足音は次第に大きくなる。
『パッ』
森の方に振り向いた瞬間、木と木の隙間から奴が顔を出した。
鋭い爪とクチバシを持つ、異常サイズ(イレギュラーサイズ)の鳥類モンスター。
奴、コカトリコだ。
俺の両手のかさぶたから流れた血を嗅いで目を覚ましやがった。
きしょくわりぃ。
クチバシに薄っすらと、確かに血の赤色がついている。
ナガリコ村を襲うモンスターで一番に被害を出しているくせして、意外とピュアな瞳をしてやがる。
コカトリコの主な攻撃手段は、鋭い爪とクチバシだ。
襲わない穏やかな性格だったらと、考えている暇なんかない。
意外と体格のわりに、スピードが速い。
瞬きの一瞬で、視界からコカトリコの姿が消えた。
次の瞬間、俺は山に叩きつけらた後、大きな衝撃音が村中に広がる。
一瞬のブラックアウト。
コカトリコの鋭いクチバシの先端が視界に映る。
『ザクッ』
体を左に傾け、クチバシをよける。
深々と刺さったクチバシが抜けるまでの隙に、左手のノミをコカトリコの腹部に突き刺す。
皮膚の下の皮下脂肪がノミを止めたことにより、思ったよりもダメージが通らない。
栄養価の高い人間を食して溜まった脂肪のせいで、急所を狙ったとしてもダメージがない。
『ギャァゴ』
大きな口を開けて、叫んだ一瞬の隙に、体を起き上がらせて体制を整える。
ノミを刺した皮下脂肪から出ていた血は、あっという間に止まっている。
腹部にぶら下がるノミと右手で握るハンマー。
コカトリコが頭を下げ、速い速度で向かってくる。
タイミングを合わせ、体をそらす。
右足で地面を蹴って初速をつけ、コカトリコが反応する前にハンマーで頭部に一撃を入れた。
最後まで読んでいただきありがとうございまいた。
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