日清戦争 -68 外国傭船
外国傭船
広島英国臨時大使館
「なるほど…確かに我が国の業者に儲けがありますね。確かに交戦海域向けの民間航路は封鎖されています。その航路の船舶は港湾で眠っています。」
「ええ。依頼先は米国と英国の商船に依頼します。和船だけで助けられる数は限られています。公使の情報提供をもとに英米余剰船を計算しました。これを投入した場合、確実に難民を救えます。低速船でも結氷期間までは通商破壊危険性は皆無である以上、短期雇は可能です。」
「ドイツ船舶は?どうするこちらから余っている笛の情報を与えたと思うが? フランス・ロシアも同様だが?」
「商船に乗せる文章にサインを拒否されました。彼らは傭船しません。まあ、彼らの船団を借りずとも助けられますからね。」
「我が国とアメリカは儲けたな。しかも通商破壊の可能性が少なくともあり得ない救民輸送期間の通商破壊可能性は皆無です。その期間だけでも傭船してもらえれば戦争による船舶需要減退もだいぶ解消できます。」
田中義三 鹵獲兵器管理中
「福島中佐殿」
田中は鹵獲兵器の管理を続けている。その管理のトップである福島安正が再び倉庫に来た。
「田中君うまくいっているようだぞ。」
福島は田中をあまり目立たないところに連れて行きながら口を開く
「どこまでうまくいきました?」
「臨検された船が公使文書の盾で帰ってきた。通商破壊は中止されたとみなしていい。これを確認してすぐに外国傭船の追加を開始している。傭船漏れしていた低速船も余剰を軒並み借り受ける勢いだ。」
福島は淡々と答える。
「よかったです…これで前線は救われる。現地民も。」
(まあ、私としては商船需要の推測と対策を思いつく君の方が恐ろしいのだがな)
感情を殺す理由はそれだ。佐官級でも思いつかないことを兵卒が意見を出す。その異常さに驚いている。
「しかし、先が問題ですね。この増えた傭船を生かすには通商破壊を完全に防ぐ必要があります。12月までの期限付きの通商破壊防止では…不十分です…威海衛と旅順を落とせれば低速船でも持っていけます…」
(第2軍の作戦は公表されていない…それまで推測してやがる…)
「やはり旅順を落とさないと…第1軍の進軍もおぼつかないですね…旅順からの兵站可能圏内まで第1軍を前進させるか、鴨緑江の線で春まで耐えるかの2択と思います。あとは威海衛。そこを落とさないと12月以降の輸送で通商破壊されますね。落ちるまでは…低速船は仁川航路に回ってもらって…」
田中は地面に欠いた略地図を見ながら大きな声で呟いていた。




