日清戦争 -63 外の医者
誠に勝手ながらGW休み(私は仕事で休んでいませんが) を取らせていただきましたーー
「粟吹いていましたね公使の方々。」
にこにこしているのは外国人記者だ。
「君は彼らが拒否してくれれば記事にできたのではないかね?」
役人は揶揄す。
「まあそうですけど、この戦争で記事にすることはたくさんありますからね。私を第1軍向けに送ってもらう。これは数少ない特権ですよ。みんな第2軍送りみたいですから。」
「焦土作戦の領域に送り込む記者は少ないだろうよ…食料の食い扶持は一人でも少ない方がいい。」
(それに…焦土でも進軍しないと思うツボだからな…)
史実では焦土の中でも挑発し進軍し、現地に大規模な被害を出した。それを外国に悟らせぬために第2軍に対する記者の従軍を優先した。その判断自体は間違っていない。
「しかし現地からの避難民受け入れ、食料の輸送で…だいぶマシになる。君たちを送っても通商破壊の危険性が落ちる。食い扶持を考慮すると1隻沈まなかっただけでもとり戻せできるよ。」
「清国がまともな判断をしてくれることを祈りますか。」
威海衛
「『鎮東』だ!! 『鎮東』が帰って来たぞ!!」
威海衛は騒ぎにある。南岸砲台がか複数の船影をとらえたのだ。そのうちに1隻は見覚えがある。いやもう1隻も見覚えがある。
「さらに『操向』『操向』がいます!!」
歓声が上がる。かつて日本海軍に分捕られた『操向』を取り戻したことは勝利のあかしなのだ。
「日本は貧乏なんだな!!帆のあるぼろ船を引っ張ってやがる!!」
笑う兵士。その曳航船として鹵獲船すら出さないといけない。それは日本の苦境を示す象徴だ。それは否定しないがそれの苦境を生んだのは誰だ。
ジェームズ・カーク 威海衛要塞 病院医師長
(役職等は現代でわかりやすい表現)
「病院船に食料満載で輸送だと!! それは国際法違反ではないか!!」
ジェームズ・カーク医師は義憤に駆られている。彼は史実威海衛陥落の折、逃げ出さなかった義憤あふれる医師である。その彼は偏った情報をもとに怒りに震え、その病院船の調査…を要請に来た清国兵を置いていく勢いで走る。
「医師殿!!おいて行かれては案内ができません。」
兵士と役人はついて走ると医師は少し落ち着く
「そうか。 情報を。」
そこにいる人間は歩きながら話す。
「船名は『操向』卑怯にも先制攻撃で鹵獲されたわが軍の船を」
「その辺はいい。『操向』とやらには何を積んでいた?医療関係品でない限り拿捕するのは国際法違反だぞ。」
「『操向』と古い木造船。木造船は曳航されています。双方ともに食料を満載しています。それこそ患者の受け入れがすぐにはできないぐらいには満載です。」
「曳航? 曳航されている船まで食料満載? ああ、野戦病院以外にも食料を供給する腹積もりか。確かにこれはアウトだ。」
己の義憤の中、その義憤に正しい情報にはすぐに食らいつく。それは人の心理だ。彼はいまだ片方からの情報しか入手していない
「臨検にご協力願いますか?」




