Fallout76 〜世紀の駄作の今を追う〜
前作フォールアウト4をベースにマップやストーリーをまったく別のものにした新作。
オンラインに対応したのだが……。
フォールアウト76が発表された時、世界中のファンがため息を漏らしました。
メーカーが発表した内容は、どう見てもおもしろいとは思えなかったのです。
発売後もその評価が覆ることはなく、日本アマゾンでは「唯一にして最大の美点であったロールプレイングを捨てた世紀の駄作」というレビューがトップになっています。
が、今のゲームにはアップデートというものがあります。
メーカーはこのゲームに対して執念と言っていいほどのアップデートを施し、フォールアウト76は大幅に生まれ変わりました。
そこで今回はフォールアウト76が今現在どうなっているかを紹介したいと思います。
結論から述べますと良作です。
予告ではおすすめではありませんと書きましたが、あの後評価が上がりました。
が、フォールアウトシリーズとしては失格です。
さて、早速本題に入りましょう。
まずはダメだった点とアプデによる改善から。
・NPCの不在→NPC追加
RPGとしての体験を無味乾燥にしていたNPCなしという仕様ですが、アップデートによってNPCが追加されました。
それも施設にちょこっといる程度ではなく4と遜色ない感触が得られる人数です(ちなみに76のマップは4の4倍なので体感が同じというのは実はかなりすごい)。
クエストの受注や会話による交渉の要素も復活しています。
・対戦→協力メインに
プロモーションビデオでもプッシュされていたPVP要素ですが、現在では協力がメインになっています。
発売当初は大喜びで他プレイヤーを攻撃していた拠点タレットも、アップデートにより反応しなくなりました。
拠点という存在が“守るべき要塞”から“遊びに来てもらうプライベートルーム”へと変化しており、特に自販機で思い思いのアイテムを取引できるのは想像以上の楽しさです。
4ではいくら気合を入れたところで自己満足でしかなかった拠点クラフトも、見てくれる人ができたことで断然おもしろい要素と化しました。
また今回はマップ上の好きな場所に拠点が置けるため、補給ポイントとしての有用性が大幅に上がりました。
ピンチの時に近所に誰かが拠点を作っていないか探したり、自分の施設が整っていない初心者の頃に他人の拠点でクラフトを済ませたり、この点はオンラインならではの楽しみだったと思います。
さて、アップデートにより生まれ変わった76ですが、傑作ではなく良作止まりに感じました。
ここからは変更点ではなく私の感想になります。
・ストーリーが浅い
アップデートでの急造にしては頑張っていますが、やはり4とは比べるべくもありません。
メインクエストですら何の感慨もなく、サブクエストに至ってはお使い丸出しです。現地に行って目標クリアしたらその時点で終了で後日談すらないものもあります。
イベントの選択もほとんど意味がなく、NPCがたまに死んだりはするもののストーリーを大きく分岐させるようなものはありません。
4でダイヤモンドシティに入ったらいきなり住人が殺されそうになっている場面は多くのプレーヤーを驚かせたと思いますが、そういったドラマチックな演出もほとんどありませんでした。
唯一よかったのは監督官のホロテープでしょうか。婚約者とのくだりは声優さんの名演もあってなんとも無情な気分になれます。
・低い自由度
フォールアウトとして失格と述べた理由がこれです。
1つの目標に対して様々なアプローチがあったはずのブランドですが、本作ではほぼ1本道となっています。
ステータスによって多少面白選択肢は出るものの、解決方法そのものを変えたり、そもそも依頼人に逆らったりといった要素がかなり薄く感じました。
あげく報酬のためにNPCの茶番に付き合うというこのシリーズがもっとも忌避すべきであったダメイベントまであります。
この辺りも作り込みの浅さによるものでしょうか。
・NPCが殺せない
このシリーズのもう1つの特徴としてNPCが好きに殺せてしまうというものがあったのですが、この要素もなくなっています。
オンラインで他のプレイヤーと共有している関係からほぼ殺せません。
別に誰彼構わず殺せるのが嬉しかったわけではないのですが、故障した保育ロボットに子供と間違われたあげく、不具合によりそいつが職務放棄気味でぞんざいな扱いを受けたりしたらハンマーで破壊したくもなるでしょう?
・正解が存在してしまっているビルド
フォールアウトのもう1つの魅力がキャラビルドで、ハンマーを振り回す脳筋からひたすら交渉に長けた詐欺師まで幅広いプレイスタイルが存在していたのですが、76はこの自由度もかなり低いです。
メインクエストを進めているうちはいいものの、クリア後にやることは他プレイヤーと協力で敵を倒したりレイドボスと戦ったりなので非戦闘員キャラなどもってのほかです。
武器バランスではピストルが死に枠となっており、マルチ協力の関係上ステルスビルドもほぼ死んでいます。
反面ヘビーガンが異常に優遇されており、スキルで攻撃力は上がるわ、重量は軽減できるわ、リロード速度は上げられるわ、アーマー貫通がつけられるわ、銃撃中に防御力が上がるわと至れり尽くせりです。
本来ヘビーガンの欠点であったランニングコストの悪さも、拠点施設を充実させすぎたせいでかなり軽減されています。
ちなみに私はライフルを中心に使っていたのですが、リロードの遅さがネックでDPSはよくなく重量軽減もないため、ヘビーガンと比肩しうる武器には到底見えませんでした。
4で人気だった血濡れビルド(HPをあえて下げることで瀕死の際に発動するスキルを常時発動させる)ですが、本作ではますます強くなっており、オンラインに行くとHP真っ赤な人たちばかりです。
・結論
つらつらと不満を書きましたが、それでもメインクエストを攻略し自分の思ったビルドが出来上がっていくのはかなり楽しかったです。
最近ゲームから心が離れ気味だったのですが、久々に寝る時間を削ってまで遊んでしまいました。
クリア後も毎日毎日同じようなクエストに出かけてはレアアイテムに一喜一憂するというよくあるオンラインRPGにはしあがっていますので、そういったゲームが好きな方は触ってみてはいかがでしょうか。




