(45)眠れぬ夜
あらすじ***魔王と勇者入れ替わり。魔王(IN勇者)は魅了の魔眼を持つドラゴンレンタル。勇者(IN魔王)は心配しています。
※勢いで書いてるので設定間違いや違和感を感じたら気軽に教えてください。よろしくお願いします。
★魔王(IN勇者)サイド★
徒歩ではあまりに進みが遅いので一旦三人を待たせ
乗り物用のドラゴンを一匹借りてきた。
最初はドラゴンの姿で元の場所へ戻ったら
敵と間違い戦闘態勢をとったが
我が背中から「コイツに乗ってくぞ」と宣言すると呆れつつ
「あなたって人は・・・。」
「やっぱりこの人はどこか変〜」
「王様すらドラゴンなんて扱えないのに素晴らしいですわ!」
と批評された。
我はこんなに普通であろう!!と遺憾の意を表明するも
ドラゴンを乗り物にする人間はいないそうだ。便利なのに。
そしてどっちかといえば人化した時の反応の方がひどかった。
新しい女を連れてきたのか、変態かと罵られたが
素直なドラゴン娘が必死で
「お姉ちゃんたちと・・・仲良くなれたら嬉しいです!」
と言って毒気を抜いてくれた。
そして旅立ち・・・・とそこまでは良かったのだが
初めての遠出のためか
予定の町のやや手前で力尽きてしまったのだ。
体力温存のため勇者のアイテムボックスにある
簡易テントをだして野宿、である。
狭いため全員横並びになって寝ているのだが
これはたまらない。たまるからこそたまらないとは。
・・・今、食欲と睡眠欲は満たされているが
性欲だけはどうにもならない。
人間になってから毎晩スッキリさせていたからな。
仲間だから手は出さないなんて言わなければよかった。
欲に溺れて苦しむ。そんな時が絶対来るはずだと
そういつまでもいいことなんか起こり続けるわけないからと
勇者から代わりに自分で手でなんたらかんたらとか
想像力を働かせるというわけがわからない説明を受けた。
男の妄想には限界がないのだという、すごいな。
そんなものがなくとも近くにこれほどの女が・・・
薄暗い中右にも左にも女が無防備に寝ている。
一度は持ち帰ってもいいと言ってくれた。
フワリあたりならなんとかならないか・・・
いかん。フワリの匂いを嗅いで思わず手が出そうだった。
危ない、これはやはり自分で対処するしかないようだ。
頭を冷やすためテントの外へ出る。
「別に・・・よかったのに・・・」
というフワリの声は届かなかった。
森の中をあてどなく散歩していると
非常にいい匂いがしてきた。
今求めているもの、女の匂いだ。
「いらっしゃい、お兄さん。」
もちろん、人間ではないモンスターなのだが
この際女ならなんでもいいと思う。
そこは粗末な建物で女一人で静かに暮らしているという。
ステータス表示でバレバレだ。
精魂鬼というモンスターらしい。
魂を吸うというならこっちも吸い尽くしてやろう。
なにからなにまで。