表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

2. 老魔女と弟子

二話目です。よろしくお願いします。

話し終えたマルガレーテを褒めてやる。


「あんたはいい判断をした。ワシならこの子を守れる」


「魔女様…」



「言いたくないじゃろが、ワシが思うに、この子の父親はバーデン公爵じゃないかね?銀色の髪は王家に連なる者にしか出ない」


臣籍降下した元王弟が銀色の髪と紫の瞳を持っていたはずだ。女癖が悪いだとか裏で悪事を働いているとか、色々と評判の悪いバーデン公爵。


「…そうです」


マルガレーテは頷いた。


「あんたの気持ちはよく分かった。この子はワシの弟子にしよう。安心おし。あんたの親にもバーデン公爵にも手出しはさせやしない。ワシが立派な魔女にしてやるよ」


「あ、ありがとうございます!」


「それから、ここに住むのに金は要らないよ。ワシの薬作りの手伝いや家事をしてくれればいい」


「分かりました。精いっぱい働かせていただきます」


マルガレーテは頭を下げた。


「いいともさ。それから、あんたに一つ魔道具をあげよう。姿変えの魔法が込められた指輪だ。あんたの身を守るためだ。付けておきな」


「そんな魔道具があるのですか?」


ニッと笑ってワシは小さな指輪を差し出した。


「ワシの自慢の魔道具だよ。指に嵌めてごらん」


マルガレーテは指輪を受け取り指に嵌める。途端にマルガレーテの金色の髪は茶色に。碧い瞳は明るい茶色に変化した。


「鏡を見てご覧な」


渡された鏡を覗き込むとマルガレーテの顔だと分からないくらい変化していた。


「凄いです魔女様!これなら両親もバーデン公爵も私だと分からないと思います」


「気に入ってくれたのなら嬉しいよ。さ、夜も更けた。二階に部屋を用意しよう。ゆっくり休むがいいさ」


「はい、ありがとうございます」


二階の空き部屋に寝床を用意してやった。マルガレーテは疲れていたのだろう。ベッドに入って直ぐに寝息を立て始めた。



ワシも自室のベッドに入る。ワシは今まで弟子を取った事は無い。赤子に魔法を教えるのは暫く先だろうが、明日からの生活が楽しみだ。




翌朝、少し寝坊したマルガレーテがシャルロッテを抱いて階段を下りてくる。


「おはようございます、魔女様。遅くなって申し訳ありません」

「いいさね。あんたも疲れてたんだろうしね。ゆっくり休めたかい?」

「はい、ありがとうございます。よく眠れました」


「マルガレーテ、魔女様は止めておくれね。今日からアンタはレーテ、その子はロッテと呼ぶからね。ワシの事はリズと呼んでおくれ」


「はい、分かりました。リズ様」


「様も要らないんだけどね。ま、いいか。ほら朝ごはんをお食べ。食べ終わったら薬作りを手伝って貰うからね」

「はい!リズ様」


席に着いたマルガレーテの前に、パンと目玉焼きと付け合わせの野菜。それからスープを置く。


「すみません、私が朝食を用意しなければいけなかったのに」


ワシはカカカと笑う。


「レーテは疲れてたんだよ。明日から頑張っておくれ」

「はい、リズ様」



今日もロッテは籠の中でご機嫌だ。


食事を終え薬作りを始める。レーテは手際がよく薬作りの手順もすぐ覚えた。


薬作りが一段落したら昼食。午後からは薬草畑の手入れをする。


今日は薬を村の薬屋に卸しに行く日でもない。畑の手入れが終われば仕事は終わりだ。



「レーテ、今日の仕事はこれで終わりだ。夕食までゆっくりしな」

「はい。リズ様、夕食は私が作りますね」

「家にある食材はどれを使ってもかまわないからね。夕食楽しみにしてるよ」

「はい!」



夕刻、レーテの作った料理で夕食を取る。侍女をしていたからだろうか?貴族令嬢であった筈のレーテの料理は美味しかった。食事を終えてレーテと雑談をし、夜も更けたので休む事にする。



レーテとロッテ、三人で暮らすのは中々楽しいものだった。長く一人で暮らしていたワシに家族が出来るとは思わなかった。





三年が経ちロッテも三歳になった。そろそろ魔女としての修行を始めても良いだろう。


最初に魔力を制御する方法を教えた。小さい内は魔力暴走を起こす事があるからだ。


そして、一番初めに教えた魔法は姿変えの魔法だ。ロッテの銀色の髪は目立ち過ぎる。今までは森から出ずに生活していたが、これからはそう言う訳にもいかない。


「ロッテ、まず最初に姿変えの魔法を教えよう。これはお前にとって必要な物だよ」


「すがたがえ?ロッテひつよう?」


「ああそうだ。呪文を教えるから覚えるんだよ」

「あい!」


「カンビアル・デ・フォルマ」

「たんびゃる・で・ほるま」


「そうそう。もう少し発音を丁寧に」

「たんびやる・で・ふぉるま!」

 

ロッテの頭を撫でてやる。


「そう少し良くなったね。もう少し頑張りな」

「はい、りずさま」

「ワシの事は師匠と呼びな。ロッテはワシの弟子だからの」


「ししょう?」

「そう師匠。さ、呪文の練習を続けるよ」

「あい!」


一週間程で、姿変えの魔法を使えるようになった。


「ロッテ、姿変えの魔法は必要な時以外は解いてはいけないよ。分かったね」


「どうして?わたし、かみのいろ、ぎんいろがいい」


ロッテが色を変える事を嫌がると、レーテも指輪を外して、元の髪と瞳を見せた。


「母さまも色を変えているの。ロッテも変えてくれると嬉しいなあ」


「母さまといっしょ。ロッテもいろかえる!」


レーテにそう言われてロッテは嬉しそうに魔法を掛けていた。


銀色の髪は茶色に。紫の瞳は明るい茶色に。


最後まで読んで頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ