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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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90/100

90 エクスポーションとヌルゲー

2度目のランク4ダンジョンアタックだ。


2日間の休みを取った。その間も入れて聖水入りスライムボール、聖なるローションの複製に使えた時間は65時間。1回8時間の複製機能を使い、8回の倍々複製を終えた。


各256単位である。


魔石エネルギーは思ったよりも増えない。ランク4ダンジョンだけあって個体ごとのエネルギー量は大きいけれど、スライムのように次から次には倒せない。


宝石にも大して興味がなく、美味しい聖水も手に入れた。そんなふたりだから、このダンジョンへの魅力は早くも薄れた。


食材になる魔物がいる牛や鳥のダンジョンの方がワクワクする。


言っておく。お前ら贅沢すぎるぞ。


転移装置で行ける40階に飛んだ。


41階は聖水や回復ポーションの情報がないフロア。アタックせずに、プレハブ小屋からダンジョン壁抜けをした。



透明モニターで行き先を確認すると、袋小路の奥に繋がっていた。


「あれ、レンガに囲まれた四角い泉があるぞ」

「それに、壁の色が紫だね」


アークアメンダンジョンは1~10階の白壁に始まり、10階ごとに壁の色が変わる。


ダンジョン情報で確認しても、50階までの詳細を書いた羊皮紙に紫壁のフロアーはない。


「ということは…」

「未確認だった51階から79階のどこかということだな」


ソフィーの顔に緊張が走る。マコトは、その顔も可愛いと思った。


マコト&ソフィーはレベルが85と84まで上がっている。


地上ならライオンに素手で勝てるクラス。だけど、このダンジョンの51階より先ならレベル100超え。さらに強力な特殊攻撃も持っているはず。


目の前の泉の向こうには、泉を守るガーディアンが6体もいる。袋を被って大斧を持った2メートルゾンビ2体、ケルベロスゾンビ3体、黒いローブを着たリッチらしき骸骨が1体。


1体だけでも厄災レベルに見える。


…とは考えたが、マコト達の出現場所が都合良すぎる。目の前の泉に湧く液体は、恐らく強力ガーディアンの攻略アイテム。


普通は命がけで6体の敵の攻撃をかいくぐって泉に辿り着き、その液体で攻撃する。


けれどマコト&ソフィーは、その最大の課題をクリアした状態からゲームを始めるようなもの。


プレハブ小屋の天井がフロアの床と同じ高さにある。泉の底も同じ高さだった。


試しに空間収納口を天井に設置すると、泉の液体を収納できた。


「おおおー! これはすごいかも」

「マコト、泉の水は何かいい物だな」


「エクスポーションって名前だよ、ソフィー」


「………え」


狙っていたグレーターポーションとは違う。というか、それよりもはるかに上の物。


あらゆる病気と傷を直すというエクスポーション、肉体が残っていれば死人さえ復活させられというエリクサーは、実在するのかすら怪しいと言われている。


「…エクスポーション、実在するのだな」



もうマコトに驚かないと思っていたソフィーだけど放心状態だ。


マコトは平常運転。


ソフィーに聖なるレモン水を飲ませて落ち着かせ、魔物の討伐にトライすることにした。


ソフィーは、スライムの皮にエクスポーションを包んだマコト作、聖なる水饅頭、を渡された。


「こ、これって、すごい価値だよな」

「1分で10リットルくらい収納できるし、どんどん湧いてくるから大丈夫」


それにマコトのプレハブ小屋を利用すれば1階↓40階↓41階階段横の左側の壁↓エクスポーションの泉。という具合。


ダンジョンに入って3分で来れる場所。マコトからしたら10階から4時間かかる12階に湧く聖水より簡単に手に入る。


30分でアイテムを用意して討伐開始。


まずはマヨネーズをたっぷり塗った魚肉ソーセージ10本をリッチの足元に出した。


「カタカタカタ」。鼻がない骸骨のリッチは何だろうという感じだけど、ゾンビ2体、ケルベロスゾンビの3体で計9個の首は大きく反応した。


「ウガー!」「フガー!」

「ガウガウ!」「バウッ!」「ワオーン!」


魚肉ソーセージに向かって突進。リッチは避けたがマヨネーズのせいで足とローブに魚肉ソーセージが張り付いている。


ケルベロスに足を噛まれ、リッチもやむなく応戦。高位魔物同士の戦いが始まった。


ケルベロスが吐く炎、リッチが飛ばす紫の魔力、ゾンビが振り回す斧から出る衝撃波。


詠唱も攻撃も、とんでもないスピード。マコトは正面から戦わなくて正解だと思った。


自分から噛みついたくせに反撃され、逆ギレしたケルベロスゾンビ。リッチの頭をかみ砕いて魚肉ソーセージを食べ始めた。


しかしそこに、ゾンビの斧が振り下ろされ、ケルベロスの頭が3つから2つに減った。


マコト&ソフィーは、それをプレハブ内から見物。


「さ、そろそろ攻撃しにいこうか」

「…大丈夫か?」


「未知の魔法を使うリッチが倒れたし、とりあえず聖なる水饅頭を投げようよ」


考えるのをやめたソフィーはマコトと一緒にフィールドに出た。傷だらけのケルベロスゾンビ、大斧ゾンビにエクスポーションが入った水饅頭を投げまくった。


「グワアアアア」

「キャイイインン」


通路中が白煙で満ち、魔物が溶け出した。


魔物が消えたあとには、宝石が埋め込まれたミスリルの杖と斧、強力そうな瓶入り聖水13本、そして首輪が2個落ちていた。


首輪は『奴隷の首輪』。血を垂らす穴があり、そこに自分の血を流して誰かの首にはめると、その相手を奴隷にできる怖いアイテム。


収納したが使う予定はない。

レベルはマコトが96、ソフィーが95。傷だらけの魔物を倒した形だから、39階のように上がったレベル差から相手レベルと今の階層が判断できない。


それに少しだけ回廊を歩いただけでも気持ち悪い。高レベルになっても息苦しいほど瘴気が満ちている。


なので無理せず、このフロアを去ることにした。


エクスポーションは現在のマコトの持ち物では、どう組み合わせても複製不可能だった。


なので拡張積立に600dをつぎ込み、プレハブ小屋のレベルを2つ上げた。レベル12になり、空間収納の1辺が19メートルまで上昇。


そうしてエクスポーションを5万リットル収納。ソフィーも1000リットルを収納腕輪に入れた。色んな容器でソフィーの収納腕輪に入れて、いざという時に使えるようにした。


プレハブ小屋の進化はレベル11で、部屋ごとの仕切りの調節。今までは全開か全閉じだったが、これからは半分だけ閉じたりできる。


12では風呂とキッチンが拡張された。


次のレベル13までは魔石エネルギーが350d。次は複製のかなめ、冷蔵庫が進化する。

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