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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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88 解呪と改良型トマト

マコト達はホカイロ孤児院に向かうため、3日ぶりにダンジョンを出た。


孤児院のシスターに託した、膨らむ大麦パンの出来上がりも見ておく。うまくいっていないならソフィーが指導する。


ダンジョンからふたりが出ると、出口が大変なことになっていた。


野戦病院のようで、怪我人だらけ。40人くらいいるのに、半数はボロボロだ。


「ペルム様、しっかりなさって下さい」


「無念…。姉上に聖水を届けられぬ」


「ソフィー、あの男の人って」

「孤児院で挨拶した商会姉弟の弟の方だな」


「定期的に孤児院への寄付続けてくれる人だよね」

「おう、助けよう」


簡単に決まった。不謹慎な場面だけど、マコトはちょっと笑った。


孤児院出身のソフィーは、孤児院を助けてくれる人は善。マコトも異論はない。


「ペルムさんでしたよね。俺らで役立つ物があれば、治療手伝います」

「え、あの孤児院で会った方々、こんな所で」


「その話はあとだ。何人か傷口が緑や紫になってる原因を教えてくれ」


「瘴気です。耐性が低い人間がアンデッドの攻撃を食らうと傷口が腐るのです」


「ソフィー、有効な治療法は?」

「聖水が効くと聞いた事があるぞ」


「じゃあ何とかなるね。みなさん、ここに怪我人を寄せて下さい」


傷口が変色した人間に聖水を浴びせまくった。マコトが500リットルも収納している。


「うぐぐ」「ぐぐっ」「ぐやわっ」


じゅわ~~、とスケルトンにポーションや聖水をかけたときと同じ音がする。


男達は生傷に消毒液をかけられたような顔をしたあと、みんな顔色が良くなった。


みんなに感謝された。


「ありがとうございます」


「なぜダンジョンに入ったんだ」ソフィーがペルムに聞いた。


「実は、あなた方とお会いしたあと、姉のサンドラが何者かに呪い魔法をかけられてしまったのです」


複数の術者がかけたような強力な術だとか。胸にモヤが取り付き予談を許さない状況。


サンドラ嬢の政略的な婚約者が怪しいとか、そんな話は後回し。


街の治療師、教会の神父とシスターが協力しても解呪できず、特効薬となる高ランクの聖水を取りに来たそうだ。


彼らはダンジョンに入って2階に湧く聖水を狙ったが、4体のレベル52ガーディアンに退けられ、怪我人だらけで帰ってきた。


「マコト、聖水を渡していいか?」

「もちろん」


「で、ここの12階で汲んできた聖水があるが、どのくらいあればいい」


「……12階?」


30人規模の人間で2階のレベル52魔物に退けられたペルムと仲間達。12階のレベル62の魔物4体が守る聖水を取ってきたふたりに驚いている。


「そんなことより時間に余裕がないんでしょ。これで聖水は足りそうですか?」


マコトがオリーブオイルの空き瓶450ミリリットル入りに移しておいた聖水4本を渡した。


「早くお姉さんとこに届けてくれ」


「かたじけない!」


追加で聖水が必要なら言ってくれということで、ホカイロ孤児院に泊めてもらう予定だと伝えた。


対価? 解呪ができたら、もちろんもらう。

孤児院への寄付継続を約束してもらう。


ふたりの意見は、それで一致した。


孤児院に行くと、美味しいパンを作る材料を寄付したふたりは歓迎された。


ここでもシスターが聖魔法とドライイーストをコラボさせ、大麦パンを美味しく仕上げていた。


やはり、ドライイースト3グラムスティック1本で山のようにパン種を作っている。


異世界シスターのスペックが高いのではないかと思うようになったマコトだ。


取りあえず、ドライイーストのスティック10本入りを10袋渡した。全部で500袋渡す予定だが、残り100袋を複製シテ一気に増やす。


大量のプリンを出しておやつタイム。


晩御飯は何を振る舞おうかと子供達に好きな食べ物を聞いていると、ダンジョン前で出会った商会のペルムの使いが来た。


サンドラ嬢の解呪は成功したそうだ。何度も頭を下げられた。ただ彼女は体力もギリギリで絶対安静中。


それに、どうもサンドラ嬢が解呪されると同時に、紫の瘴気に包まれて倒れた人間がいる。かなり身分が高い男でサンドラ嬢の婚約者。


無理やり縁を結ぼうとした人間で、商会の財産を狙っていたそうだ。


バタバタしているのは想像できるし、ふたりはもめ事の内容に興味がない。


聖水で人間がかけた呪い魔法が解呪できると確認できた。もう晩ご飯だけに意識が向いている。


むしろ巻き込まれたくないから、今はホットゾーンには近づかない。


正式な礼を後日したいと言われ、思い付いた。


「あ、そういえば、欲しい物があるんですが」

相手は商会だし、まだ見つかっていない食材、作物のことを聞いた。


するとマコトのアンテナに引っかかる物が1つあった。


改良型のトマトである。


マコトも観葉植物のトマトを持っているが実が小さく、トマトソースを何度試作しても味がケール青汁の域を出ない。


彼らの商会ではトマトが大きな産業になると踏んだ。植物学の専門家に依頼して10センチくらいのトマトを作り、酸っぱいが果肉も大きい実用手前の試作品があるとか。


それが欲しいと言うと、試作4種230個なら今から用意できるという。


そんな流れから、トマトを手に入れた。


「マコト、新しい料理が出来るのか?」

「30個は複製に回して、新しいソースにトライするよ」


「楽しみだな~」



ソフィーとふたり、孤児院の厨房を借りて準備を始めた。

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