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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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87 呪い魔法とプレハブ遮断術

ランク4のアークアメンダンジョン12階の高ランク聖水を料理に使ったら、予想以上に美味しくなった。


特にソフィーはマコトのために、今まで作った料理を聖水で作り直したい。けれど今は本来なら危険極まりないランク4ダンジョンを攻略中。


料理研究は高ランクの回復ポーションを見つけて地上に出るまで控える。


上層に行くと闇属性の希少魔法を使う魔物が出る。


普通の攻撃なら余裕で対処できているが、レアの『呪い魔法』というものが死霊ダンジョンには当たり前にある。


このアークアメンダンジョンも20階のフロアボスから使って来る。


呪い魔法とは、簡単に言えば闇属性の弱体化攻撃。


低位だとデバフのようなものだが、リッチクラスになると心臓とか脳とかダイレクトに弱らせてくるやつもいる。


呪い魔法は継続型だから、使っている間の魔物自身は攻撃できない。代わりにダンジョンでは必ず物理系のアンデッドとセットで現れる。


だから非常に厄介。


ただ攻撃が届けばリッチだって倒せるし、一度かけられても射程外に逃げれば数分で効果が切れる。


貴族の暗殺にも呪いは使われる。だけど聖魔法ではね返された時は、術者と依頼主の両方に倍返しとなる。


現在は12階。プレハブ小屋を利用して、マコト&ソフィーは壁抜けから新たな階層を覗いた。


透明モニターで周囲を確認。魔物はいないが通路の壁が赤いレンガ調。それをダンジョンガイドに照らし合わせると31~39階のどこかである。


「魔物のレベルが81~89か。かなり怖さを感じるな」

「ソフィー、魔物が出たら、とりあえず避難。だから手繋ごう」


緊張感が漂う場所だから、ソフィーもつい力を入れてマコトの手を握った。


マコトはソフィーを落ち着かせるために、日本の歌を軽く口ずさんだ。


2人ともミスリルホイルのインナーを着て防御力は高いけど、上着はお揃いの黒ジャージにスニーカー。薄闇の中を歩いて、コンビニデート風景にも見える。


15分ほど進むと、魔物と遭遇した。


首からペンダントをかけたスケルトンウイザード1体と、首なし赤鎧の騎士が3体。これで36~39階に場所が絞られた。


スケルトンは早速、呪文詠唱を始めた。


「カタカタカタ」と骸骨の顎を鳴らし、筋肉弱体の呪い魔法を詠唱している…と思う。

杖から紫色のオーラがあふれ出した。


「ソフィー、ちょっと試したいことがあるんだ」

「え、待てマコト!」


マコトは前に出て、あえて紫色の魔法を受けた。体が一気にだるくなった。


ソフィーが叫びそうだったが一緒にプレハブ避難。


「マコト、大丈夫か!」

「…うん、なんともない」


予想通りだ。魔法によって焼かれたりしたなら、プレハブ小屋に入っても生々しい傷はそのまま。


だけど呪い魔法のダメージは魔力の継続が条件。スケルトンから注がれる魔力を断ち切り、効果をすべて消した。


体が一気に軽くなった。


透明モニターで見ていると、魔法は解呪され、スケルトンに呪いが返った。スケルトンが膝をついた。


異次元にあるプレハブ小屋に帰ると、呪いの効果も遮断されると解った。


マコトが自分を実験体にしたのはソフィーのため。彼女がが呪いをかけられたときに即解呪ができるなら進む。できないなら戻る。そう決めていた。


「ソフィーあのさ…」

説明しようとしたマコトに、大きな目を見開いて怒った。


「危ない魔法をわざと受けるなんて、なんてことするんだマコト!」


「…あ、ごめん」


「そんな役割には私を使え。こんなこと…2度とするな」


泣きそうな顔をしているソフィーを見て、余計な心配をかけたと思った。素直に謝った。


説明はあとでいい。しばらく、涙声になったソフィーの頭を抱いている。


◆◆

紅茶を飲んで落ち着いた。


プレハブ小屋の中から魔物を見ると、マコトが消えたあたりを行ったり来たりしている。 


みんなプレハブ小屋内から空間収納口を出せる有効範囲にいる。


首なし騎士が右足を付く瞬間に、スライム膜に聖水を入れた破れやすい容器を出した。


「!!!」

頭部がないが、踏んだ足から煙を上げて溶けた。パニックになっている。レベルは最低86だけど、12階の聖水が効いた。


聖水入りスライムボールは、まだ量産できていない。口を緩く縛ったビニール袋に聖水とハイポーションのブレンド水を入れて、魔物に投げた。


スケルトンウイザードはソフィーが単独で倒した。顔面に

聖なるフレンド水を浴びせ、首を落とした。


ソフィーのレベルが61から一気に75に上がった。そこから推察すると、スケルトンウイザードはレベル89。ここは39階である。


首なし騎士も聖水で倒すと、ソフィーがレベル81、マコトが76まで上がった。


魔石エネルギーはみんな55d。


肉弾戦なら危険極まりない相手である。


得たアイテムはスケルトンウイザードからミスリルのペンダント。ドクロマーク入り。


首なし騎士から魔鋼製で赤色の右手甲、左ブーツ、前垂れである。多くのドロップアイテムを集めると首以外のフル装備になるとダンジョンガイドにある。


ただサイズがバラバラ。


あと1回魔物とエンカウントしたあと、40階への昇り階層を見つけた。


とりあえずフロアボスにトライ。40メートルで円形の部屋に入った。


初の吸血系魔物で、マントとスーツを着用した顔に包帯を巻いたバンパイアミイラ。レベル90で、2メートル越えのウルフゾンビ5体を従えている。


ウルフゾンビは頭部が割れて伸びる。バンパイアミイラは血液を10メートルの長い爪にできる。


正攻法では勝てないし、スライムボールを何個も投げる間に攻撃を食らう可能性もある。


だから打ち合わせはしていた。


フロアボス部屋に入り魔物が実体化した瞬間、ソフィーがスライムシリコンゴムに包んだ聖水を魔物に投げつけて、中身が飛び散った。恐らくこれも攻撃と判定される。


瞬時にプレハブ小屋に避難。


そうして、地中海で偶然に手に入れた雷玉を放出した。


外部モニターはオン。音声はオフ。


空間収納口から出た電気の玉は、一瞬で膨らんで部屋中を埋め尽くした。


すべてが白く光った。


ダンジョンの壁は傷付かないけど、魔物は焼け焦げて魔石さえ残っていなかった。


「うわっ、戦利品ゼロ。オーバーキルだ」


「やっぱりマコトはデタラメだな…」


やり過ぎた。


レベルはソフィーはレベル84、マコトは85まで跳ね上がった。


40階の転移装置も開けたし地上に出て、ホカイロ孤児院の様子を見に行くことにした。

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