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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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85 アメリカンドッグと食わず嫌い

アークアメンダンジョン10階フロアボスはレベル60のシルバーグールだ。


9階の魔物とレベルは1しか変わらないけど、口から溶解液を吐く。またグールレベル52を3体従えている。


全員が180センチくらいの男子。灰色の肌だけど顔は濃い。上半身は裸で破れたズボンをはいている。


みんな足を引きずっているのに動きが速い。


首を落とすか魔石を抜き取る。討伐条件はスケルトンと変わらない。


「マコト、どうやって倒そうか。ポーションを投げるか?」

「その前に、アレが使えるのか試そう」


「ああアレだな」


マコトは返事をする前に焼きマヨ魚肉ソーセージを3本出して、魔物の方に投げた。


タイミング的にはフロアボスが溶解液を吐こうと大きく口を空けた時。手下はフリーだ。


その手下達が先にソーセージの匂いを嗅ぎ取った。


「うほががが」「が!」「が!」


3体の手下グールはフロアボスを放って、魚肉ソーセージの方に走っていった。


フロアボスは、攻撃準備を始めていて反応が遅れた。技を引っ込めてから、マコトとソフィーをシカトしてソーセージに向かった。


しかし手下グールがすでにソーセージにかぶりついていた。余りはない。


怒った?ボスグールは溶解液を手下に向かって吐きまくった。


「ギエエエエ!」

手下グール3匹は頭から煙を上げてのたうち回っている。


「ここでも使えるソーセージだな。ソフィー、追加攻撃だ」

「おう!」


今度は木串の代わりに魚肉ソーセージを使ったアメリカンドッグを、ミスリルホイルに乗せてフロアボスの目の前に運んだ。


グールはアメリカンドッグをわしづかみにして、一気に口の中に入れた。死霊のくせに美味そうに食べ始めた。


しかしそれも、ほんの数秒。


「ぐごごごごおおお!」

グールは喉を押さえて、口から煙を噴き上げ始めた。


アメリカドッグの中に仕込んだハイポーションが威力を発揮したのだ。


「すごい」「まさかだね…」


ノリで作った武器だ。


夕べマコトが日本の食べ物を思い出してアメリカンドッグを作った。


衣は塩味にしたら、ビールタイムの最高のつまみになった。するとソフィーが強いアンデッド対策に食べ物で罠を作ろうと言い出した。


意外に熱に強いスライムの皮でハイポーションを包み、小籠包のような感じで口を接着した。


そこに魚肉ソーセージ2本をくっつけて、小麦粉とパン粉ををまぶして軽く揚げた。


作るのは大変だったが、1個だけ丁寧に作っておけば、あとは複製すればいい。とりあえず一晩で2個にした。



グールはハイポーションで喉を焼かれ、煙を吐きながらも魚肉ソーセージは吐き出さなかった。


むしろ、くちゃくちゃと咀嚼している。


「ぐあ、ぐああ、はむ、ぐはーーっ」


「なんて執念だ。魚肉ソーセージは恐ろしい武器にもなるのだな…」


ソフィーよ、お前も腕に大怪我を負いながらも魚肉ソーセージを持って食べていただろう。



3分もするとグールの首の肉も骨も溶けて、頭部がポロリ。


ソフィーだけレベルが58にアップ。アメリカンドッグを渡したソフィーの行為が攻撃と判定された。


マコトはボスの35dを含めて125dの魔石エネルギーを得られた。


戦利品はルビー。グールのズボンのポケットに1個ずつ入っていて、格上ほど大きい。


とりあえず10階と1階を行き来できる転移装置を開いた。疲れていないから、11階に降りた。


プレハブ小屋利用の壁抜けから一気に上層に飛ぶ手もあるが、行き先は確認するまで分からない。


下手に30階以上に出てしまうとリッチ、スケルトンウイザード、レイスといった、呪い魔法を使える魔物がいる。


無茶はしない。


「11階にはウイザードより格下のスケルトンマジシャンが出るから、それを簡単に倒せたら進軍だね」


「きつかったら、撤退だな」


「そういうこと」

「さあ行こう」


10階までは壁が白いレンガ調だったが、11階から薄茶色。


4つ目の角を曲がると、ゾンビとスケルトンマジシャンが現れた。レベルはともに61。


打ち合わせ通りに魚肉ソーセージを2本投げた。魔物は1本ずつ拾った。


「よし、食べてる間にスライムボールで攻撃だな」

「おう」


しかし誤算というか、当たり前のことが起こった。


ゾンビは両手でソーセージを持ってぐちゃぐちゃと食べ出した。


それを見たスケルトンマジシャンも口にソーセージを放り込んだが、骨だけのスケルトン。


口から入れたソーセージは肋骨の空洞を通り、ぽとりと地面に落ちた。


「………」


「食わず嫌いかよ」

「違うと思うぞ、マコト」



何度トライしても食べることなんてできない。骸骨顔なのに、イライラと怒りを感じる。歯もカタカタと鳴らし、その音が大きくなっている。


「マコト、なんかヤバイぞ。あれは怒りの詠唱ではないか?」

「だね。避難しよ」


ソフィーの背中に手を当てて一緒に避難。プレハブ小屋の中から見ているとマコト達が消えてもスケルトマジシャンンは詠唱をやめなかった。


そして怒りを浴びせるように、黒炎をゾンビにぶつけた。


「ごああああ!」

八つ当たりされたゾンビがのたうち回っている。


威力はソフィーが今まで見た魔法の中で1番だ。


「そういえばここ、ナイラ川流域で一番危険な場所だった。マコトと一緒だと気楽すぎて忘れそうになるぞ」


「正面から戦うのは避けよう」


敵の足元に自分で作った鉄板を出した。大きさは2メートルで中央が少し沈むように曲線を付けている。


あらかじめ鉄板にはローションを撒いてあり、スケルトンウイザードは滑った。


「カタカタカタ!」転んで全身から煙を上げている。


ローションの材料はシャンプー、石鹸、そしてハイポーション。アンデッドには効果抜群。


最後は外に出て、ソフィーが魔鉄の玉を脆くなった敵の頭にぶつけて討伐終了。


ソフィーレベル59、マコトレベル57。


魔石エネルギーはスケルトンマジシャンは36と大きかった。ゾンビは30。


「総魔鉄の杖ゲット」

「ほほ~高そうな物が手に入ったな」


まだまだ余裕である。

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