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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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83 ジャムパンと基礎ステータス

マコト&ソフィーは、アレクサンガリア孤児院の子供達と一緒にダンジョンに入ることにした。


スライムを集めてもらう。魔石も有用だけど、本体が回復ポーション複製の材料にも使えることを発見した。


仕事料の先払いと寄付として、孤児院のシスターパトラに海賊のアジトから奪った金銭は渡してある。


「なんでスライムなの?」

「俺は錬金術師だからね」


「ふ~ん。きふのお礼するよ~」

「頑張る~」 


このダンジョンは、たまにある変則ダンジョン。全20階の1~3階にウサギと薬草ばかり。4階から凶暴な角ウサギと突進してくるスモールボアが登場する。


油断して4階に降りて重症を負った子供冒険者も多かったと聞く。今は情報も回っていて、子供に優しいダンジョンとして認識されている。


3階まではノーマルサイズのウサギ、低品質の薬草、そして普通の人には何の役にも立たないスライムが出る。


アレクサンガリアの街からダンジョンまでは3キロ。到着したら、早速スライムがいる場所に動いた。


このダンジョンは全階層が一辺3キロの正方形で草原型。スライムはダンジョンの壁際に湧き放題。


厳しい世界の子供達がタフだとはいえ、一気に数キロを歩かせた。


数メートル先にスライムがいるけど、シートを広げて子供8人へのおやつタイムだ。


「ようし、甘い物食って力を蓄えよう」


薄切りにした新作大麦パンと、ソフィーが作っておいたジャムを出した。


ジャムは、マコトがリンゴで作ったやつを味見をした。するとソフィーが積極的に作り出した。


ラフランスで手に入れたリンゴと野イチゴ、イタリアンで買ったイチジクとブドウとオレンジが材料。


マコトが複製して果物は山のようにある。


果物をカットして砂糖と一緒に煮詰めて、レモン汁を入れたり、フルーツをブレンドしたり、多くの種類を作った。


ソフィーは初めて嗅ぐジャムの甘い匂いに囲まれて嬉しそうだった。


気持ちは分かるマコトだけど、甘さ控えめが好き。だから一緒にキッチンに立っていると、少し胸焼けしそうだった。


マコトは、そのうちソフィーが砂糖の量を調整して、肉や魚の料理に合うソースを作ってくれると期待している。


今回は甘味に飢えている子供達のため、20センチサイズの木皿10皿に、色んなジャムをたっぷり入れている。


年少の子供が遠慮がちに、スプーンでパンにイチゴジャムを付けている。


「遠慮するな」


笑顔のソフィーがパンからこぼれ落ちるほど、パンにイチゴジャムを乗せてあげた。


「うわぁ~!」


「ほら次、どれがいい?」

「え、え~と」

「それなら3種まとめて乗せてやる」


子供達はパンを頬張った。


「あまい~~」

「オレンジの味もする」

「こっちはブドウだ」


「どうだ、美味いか?」


「おいしー!」


さて、食べ終わってスライム狩りだ。といっても、各自か手にした木の棒でスライムの核を突くだけ。


でろんとなったスライムから魔石を取り出して持ってきてくれた。本体は150匹分を収納する。


「サンキュー」

「兄ちゃん、ここにはもうスライムいないよ、あっちに動こう」


平和にダンジョン活動をしている。今日は孤児院の子供達が集めてくれた魔石エネルギーが387d。


噂を聞きつけてきた12~13歳の冒険者6人も加わった。みんな孤児ではないが小作農家の子供で金はない。彼らは2階に走って行って132dを増やしてくれた。


519dも増えた。


時間はまだ昼過ぎだけどダンジョン活動は終了。途中参加の子にはビーフジャーキー120袋、砂糖12袋、鉄のナイフ12本を6枚のエコバッグに分けて入れてあげた。


マコトとしてはもっと何か渡したかったが、もう持てないと遠慮された。


そしてすごくお礼を言われた。


別れる前にプリンとシュークリームを出した。みんなでお茶をしていると孤児院の子供に聞かれた。


「ソフィーお姉ちゃんは動き速くて強そうだけど、マコト兄ちゃんも強いの?」


「おう、マコトは強いぞ」

「あはは。俺って正面から敵と戦えないからね~。みんなより弱いかもね」


そう言っていたら、10メートルほど先でウサギの魔物がリポップした。


「あ、ウサギ…え?」


子供達が言い終わる前に、マコトが立ち上がってダッシュしていた。ソフィーも反応していたけれど、それより速かった。 


普段は生かしていないが、レベル54のマコト。ステータスでも転移者特典で、同レベルのソフィーより1・5倍くらい高い。


100メートルほど先でマコトがウサギを捕まえるのが見えた。


「え…マコトさんって、すごくない?」


「言っただろ。普段のマコトは笑ってるけど、5人の男を倒して私を助けてくれたこともあるんだぞ」


「へ~」「すご~い」


いきなり子供の見る目が変わった。裕福でない子が一攫千金を狙うなら強さが必要な世界である。


けれど、マコトはやはりマコト。


「ソフィー~、角がないウサギだと、可愛くてトドメ刺せないよ~」


結局、途中参加の子供に生きたままウサギをあげた。


11歳の女の子がウサギの首を落とすのを見て、マコトは青い顔をしている。


今までも、一緒にダンジョンに入った子供冒険者に不思議がられていた光景。やはり根っこは日本人だ。


ソフィーは、そういうマコトも嫌いではない。


ウサギが帰り道に何度かリポップしたから、マコトは出現するごとに逃さずキャッチ。6匹捕まえて子供に渡した。



帰って料理を作り、次の日に備えた。


マコト&ソフィーは、次はエジンプトの首都ホカイロにある、古代遺跡群のダンジョンに入る。


だけど死霊、アンデッドだらけのダンジョンで、魔物とまともに戦う気はない。


なのでマコトの高いステータスは戦闘で生かされる日は遠い。


レベルアップを目指すのも、MPを増やしてソフィーをプレハブ小屋に招き入れる時にMP残量を気にしたくないから。


楽しく旅ができている。ソフィーとプレハブ小屋に感謝しながら今夜も眠った。

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