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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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81 イルカの餌付けとミラーマン

マコトとソフィーが乗った釣り船は、海賊のお宝を奪った日から5日が過ぎて、なんと800キロを移動していた。


助けた小イルカの仲間に100キロほど船を引っ張ってもらって別れたが、次の日も現れた。


「今日も遊びに来たのか。何か食べ物をやろうか」

「あ、そうだ。イルカもアレ食べるのかな」


マコトは魚肉ソーセージを出した。


人間、動物、魔物を問わず、地上の生き物で拒絶した生き物はいなかった。だけど海では試していなかったことに気付いた。


「ソフィー、これ……」

「ん、はむっ。もぐもぐ。今日も美味いな!」


イルカにあげてくれという意味で目の前にぶらさげたけど、ソフィー自身が魚肉ソーセージを食べた。


あまりにもいい笑顔なのでマコトは突っ込めなかった。


仕切り直し。


ソフィーが海面上で魚肉ソーセージを振っても、少しも反応がなかった。


マコトも知らないがイルカに嗅覚はない。その分、味覚がものすごい。


ソフィーが海中にソーセージを沈めると、わずかに漏れ出したエキスにイルカが反応した。


小イルカがソーセージをばぐっ。


残ったエキスに次々とイルカが反応。みんなに1本ずつあげると、率先して前の日と同じように釣り船を引っ張ってくれた。


イルカは大きな音を出して、仲間と連絡する能力を持っている。


3日後にはソーセージ目当てのイルカが30匹も来て仕事をしてくれた。


ソーセージ600本を使った。1本が50グラムなので30キログラム。魔石エネルギー15dで800キロ進むガソリンになったと思えば燃費も良く感じる。


「これはいいね」とマコトは言ったが、800キロ進んだらイルカは逃げてしまった。 


午後の雲ひとつない時間帯。


エジンプトへ向かう船が行き交う交易ルートに近い所まできた。イルカ的な危険地帯に足を踏み入れた。


新鮮な蛋白質が常に不足している異世界。マコト&ソフィー以外の人間はイルカを食糧としか思っていない。


視界も良く、イルカを見つけた商船がイルカの群れに向かってきた。


何人かの船員は銛を持っている。


イルカ達は慌てて去った。


「みんな、ありがとう」

「また会えたらソーセージをご馳走するからな」


「きゅいきゅい!」



イルカはいなくなったのに、商船が近付いてきた。マコトが身構えると、ソフィーも油断がない顔つきになった。


完全に警戒信号。悪意がある相手だ。


「おい、イルカは逃げたけど、小船は停滞してるぞ」

「オールを持ってない。イルカに持っていかれたか?」

「バカなヤツらだ」


「捕まえて金目の物があれば取り上げて放り出せ」


やはり、野蛮人と善人が半々の異世界。荒くれ者で構成された海の男達は海賊に様変わりした。


イルカに逃げられた船員は、獲物をマコト&ソフィーに変更。


距離は30メートルで、銛や弓を構えたヤツらがいる。


なのでマコトはパラグライダーの帆を応用して作った、オリジナル盾を披露した。


縦3・8メートル、横11・4メートルの大きなスライムシリコンゴムの全面にミスリルホイルを張って、1枚のキンギラな板を作った。


自分とソフィーの前に出して魔力を込めた。こうすれば、ミスリルホイルが硬化して強力な盾になる。


その間に船を漕いで離脱だ。


しかし、昼間だったから驚きの効果。


「うわあっ」

「眩しい!」


ミスリルホイルを硬化させると鏡のようにピカピカ。さらに太陽が燦々と照っている。


太陽の光を絶妙な角度で反射。武器を手にする船員達に目潰しを食らわせた。 


その間に悠々と逃げた。


「思わぬ効果があったね」

「スライム爆弾では人が死ぬ可能性があるし、目潰しくらいでちょうどいいな」


良心が痛まない盗賊撃退方が増えた。無理して銛を投げたやつもいたが、その銛は硬化したホイルに弾かれ海面に落下。


ソフィーがホイル操作から戦利品としていただいた。


◆◆

その後は人目に付かない夜に、大ジャンプからのパラグライダー滑空を繰り返し、2日後の朝に目的地に着いた。


地球ならナイル川の河口を中心としたアレクサンドルの街のはずれ。異世界では、ナイラ川河口のアレクサンガリアの街である。


そこから南に川を伝って150キロほど南下すると、古代遺跡群がある。


マコト&ソフィーはアレクサンガリアの街で1~2泊する。海洋都市で色々と物色すると同時に、孤児院を訪ねる。


ソフィーが母と慕うボルビック孤児院のシスターアンジェラの友人がいるはず。何通か手紙を預かっていて、ここのシスターパトラ宛てもある。


まだ昼前。まず街を見ていく。


少し色黒の人やナーロッパ人が多い交易都市。ポルペインやイタリアンの時ほど黒目黒髪のマコトが目立たなかった。


言葉も日本語が通じるハワイのように、ソフィーはナーロッパ共通語で現地人と意思疎通ができた。マコトは反則技で言語理解の指輪をはめている。


街の市場を巡って、マコト的なヒットは白胡麻。


高値だけど4軒ほど回って200グラムも手に入れた。これも欲しかった食材だ。


乾燥に強い作物で、異世界でもナーロッパ地方に渡る前にエジンプトで栽培が始まっている。


ナーロッパ地方では、たまに出回るらしいがマコトは出会えず、やっと手に入った。


早速、複製開始だ。


昼ご飯は、裕福な商人向けの食堂のコース料理にした。


海岸沿いの街だから、モロヘイヤとかき玉スープに、魚介類のオリーブ焼き。デザートはベイクドケーキのような味だった。


かなりヒットといえる。


デザートは砂糖入り。国内でサトウキビ畑も作られ、高価だけどナーロッパ地方ほど極端ではないそうだ。


代わりに2人分のコースで16200ゴールド。16200円と換算するマコト的にも高い。


「モロヘイヤも買ったよね」

「このスープのかき玉をダンジョン卵で作ったら、さらに美味くなりそうだ」


その足でアレクサンガリア孤児院を訪れた。そこにいるシスターパトラ39歳に歓迎された。


「わざわざ、アンジェラの手紙を持ってきてくれたのね。あなた方も、ボルビック孤児院の出なの?」


「シスターアンジェラは私を育ててくれた。彼はその…孤児院出身ではないが、私のパートナーだ」


「まあ素敵ね」

「ところで、ここの孤児院は壁が破れたところがあるな」


ソフィーがダイレクトに聞くと、孤児院の経営状態があまり良くない。


なのでドライイーストを使った膨らむパンの作り方を教えたり、冒険者登録をしている子供とダンジョンで仕事をしてもらう。


その前に食事だ。


5日間、冷蔵庫で寝かせたあとに複製した1メートルのクエを出した。

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