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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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80 隠された財産とミスリル包丁

マコトが海賊のアジトがある島で待機して約半日。


真夜中になって、アジトから物資を奪うために動き始めた。


ソフィーは喜んで協力する。


マコトは強盗や盗賊から物資を奪うけど、人のために使う。物がなくて困っている村を見つけると黙って物を置いて去っていた。


「ソフィー。海賊だからって捕縛や殺傷に関わりたくないんだよね」

「そこは賛成だ」


「食料はどのくらい残しておこうか」


「この海域は、ナーロッパ側の海岸から意外に近い。2日分もあれば生きて帰るだけならできるぞ」


そんな会話をしながらプレハブ転移を繰り返し、岩に囲まれた湾に向かった。


岸辺にある狭い平地に、器用に木を組んで家が造ってあった。


長さ20メートルの海賊船と、商船などに乗り移るための長さ5メートルの細い小船。それは壊さない。


見張りは3人いたが、マコト達に気付くわけもない。



船からガサガサ。プレハブ転移にかかれば壁や水面も関係ない。まずは小船の航行に関係がない槍や銛、剣を回収。


海賊船では甲板の上にソフィーと一緒に出た。船には誰もいないし船室の中に入り武器を奪った。


陸の上の小屋には海賊がいる。

無理せずプレハブ利用から異空間を通って、目に付いた物を収納。武器は全部。食糧は25人の海賊が2日で消費する分だけ残した。


ソフィー専用の収納指輪を小まめに複製すること50回。50個の5メートルサイズ劣化指輪があるし物資は色分けした。


あっさり終了した。



現在は入江奥の岩の前、そしてプレハブ小屋の異空間の中でソフィーと話をしている。


「マコト、こういう島って、昔の海賊が隠した秘宝とかないのだろうか」

「あはは、そうそう都合がいい話があるわけ……」


移動しやすくするため、プレハブ小屋の繋ぎ方は1本棒のまま。


マコトが体を岩の奥の方に向けると、小屋の先の方もそちらを向く。


するとなんと、透明モニター越しに隠し通路が見えた。


「ソフィーが言う通り、なんかあったよ…」

「やっぱりマコトのスキルはスゴイな」


調べると、海賊のアジト近くから続く自然の洞窟。ただし入り口から3メートルは人間の手で石を詰めて、入り口も発見されないように擬装してあった。


洞窟の通路は起伏もない一本棒。マコトはプレハブ小屋の中を進み、30メートルほど先に部屋を発見した。


黄金に輝く財宝の数々。


金貨、銀貨、宝石をちりばめた装飾品もあった。


マコトは、この中に魔金や希少金属がないかと思った。


ソフィーの目は、ふた振りのナイフに向けられた。


鞘から抜くと、2本とも刀身はキレイで、まるで研ぎ立てのようだ。


ミスリル製でペティナイフの形状だけど大きい。刃渡り25センチの歯が厚いタイプ、刃渡り30センチの細身タイプだ。


暗殺武器にも見えるけど、鍔もなく、完全に包丁のフォルムをしている。


「これで、今まで以上に美しく刺し身を切れる」


マコトはソフィーが珍しくキラキラに反応したかと思ったら違っていた。


宝石がはまった鞘、山のようにある宝石にも目もくれない。


ミスリルの包丁を使って、マコトに美味しい物を食べさせたいと笑っていた。


マコトは、やっぱり嬉しくなった。


お宝を回収して再び盗賊のアジト経由で海賊島を離脱しようとした。


よく見ると海岸近くに網で囲った場所があり、何匹も魚が泳いでいる。


恐らく海賊が食糧にするための生け簀。めぼしい魚がいないか中を調べると大きな魚が2匹いた。


片方は1・5メートルのバンドウイルカで正確には哺乳類。片方が現地名ではなんというか知らないけど1メートルのクエに見える。


ソフィーは「クチビル魚」と呼んでいる。


結果、クエだけもらった。日本だと高級魚だし食べたい。


ただ何日か冷蔵庫で寝かさないと旨みが出ないと聞いている。なので締めて冷蔵庫に入れている。複製も始める。


「マコト、イルカとクチビル魚は、私は食べたことがないがウマいのだろうか」

「俺はクエの切り身ならある。イルカはないな」


地球でも中世時代には各地でイルカを食べていた記録もあった。けれど逃がしてやることにした。


だって目を見てキューキュー言って、食べないでと懇願している。


網はマコトの収納範囲内にあり、網のみを回収。


解放されたイルカは一目散に外に泳いでいった。


「さ、俺達も離れようか」


◆◆

海賊島から500メートルくらいの位置で釣り船を出し、普通にオールをこぎ始めた。


すると大きな魚影が4つほどマコト達の近くに現れた。


みんなイルカだ。


助けた子供イルカと、礼を言いに来た?大人3匹が顔を出した。


「くうっ、くうっ、く」


「マコト、なに言ってるか分かるか」

「さすがに分からない」


少しすると大人の1匹が船の船尾にこつんと顔を当てて押し出した。


「ああ、そうか。お礼に船を動かしてくれるのか」


そう言ってソフィーがミスリルホイルを4本出すと、4匹は1本ずつくわえてソフィーが指さす方に泳ぎだした。


助けた小イルカがソフィーに懐いている。なのでソフィーは驚く行動に出た。


子猫変身だ。


「にゃにゃにゃ」

(マコト、イルカと遊んでくるにゃん)


「大丈夫?」


「なな、にゃにゃん、な~ん」

(収納腕輪に水に浮くアイテムたくさん入れてもらってるし、大丈夫にゃん)


「きゅきゅきゅ~」


子猫ソフィーは小イルカの背中に乗った。器用にバランスを取っている。


100キロほど目的地方向に引っ張ってもらってイルカと別れた。


ソフィーも人間体に戻っている。


「あ~、面白かった」


「かなり進んだし、夕凪の時間だから少しのんびりしてようか」


多少の波はあるけど、穏やかな夕方。遊び疲れたソフィーはクッションを出した。


「ほれソフィー」

「サンキュー。乾杯」


今日のビールのお供は、ソフィーが改良した鯛とサバの棒寿司。


「うっま~~い」

「マコトの酢飯も旨くなってるぞ」


船のオールも出さず、遭難のような絵面だけど、船旅を楽しむふたりだ。

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