表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/81

79 海賊船とシーフードカレー

マコト&ソフィーは1000キロも空を滑空して、地球ならギリシャの南側に着水した。


魔力の使い方を工夫して風が強い時だけ帆を出すと、上昇気流に乗ることもできて飛行距離が伸びた。


着水地が交易の中継地になる島の近くだったのは、ちょっと失敗。


貿易、交易の船がたくさんいる。パラグライダーの帆をはじめ出せない物だらけ。だから沖に出るまでは、オールを使って普通に船をこぐ。


「まずます速いな」

「だなマコト。駆け足くらいのスピードが出てる気がするぞ」


3メートルの古い釣り船だけど、補強は現地価格で億単位のアイテムを使っている。


中でも船底に張られたミスリルホイルは水を弾いて浮力を高める。


交替でオールを漕ぐだけでも時速20キロほどで波を切っている。


交易船が少ない真南に1時間ほど進んだ。すると直径100メートルほどの岩ばかりの島があった。


島を過ぎて2キロほど進むと、長さ20メートルくらいある交易船、黒塗りの船の2艘がロープで繋がって島の方向に進んでいた。 


マコト達の前から近付いてくる感じだ。


「あれは、どういう状況かな?」

「小船が商船に取り付いてるし、剣を抜いてるやつがいる」


「てことは!」

「海賊に商船が捕まったようだ」


ふたりは目を合わせると即座に行動に出た。マコトが思い切り船をこいだ。


商船に追いつくと、ソフィーはミスリルホイルを商船の船頭に引っかけた。


その瞬間にマコトが釣り船を回収。ソフィーと手を繋いでホイル操作から大ジャンプ。


ふたりは船の甲板に降り立った。


剣を商船の乗組員に向けた10人。一か所で膝を付された男が20人。商船の護衛と思わしき男4人も、腕を切られて手を上げている。


みんな突然現れたマコト&ソフィーに意識を向けた。


「なんだてめぇら!」。この声は無視。船の持ち主らしき人間の方をマコトは向いた。


「見たところ海賊被害にあってるようですが、助けは必要ですか」


「お前らも護衛か? どこに隠れておった。早く助けぬか」


太ったオジサンの言い方は気にくわないが、考えてみれば突然現れたマコト達も怪しい。とりあえず海賊制圧だ。


「フォーメーションAで」

「オッケーマコト」


盗賊もいれば海賊も当たり前にいる世界。こういう場合も想定して連携の練習もしていた。ランク1ダンジョンのゴブリンで。


ソフィーが装備万全でも、マコトは最愛の女を矢面に立たせる気はない。


集団の前に煙りが立ち上る炭を出した。


マコトはプレハブ小屋に潜り、中でダッシュして盗賊の後ろに出現。直後に2センチのスライム爆弾を10個握って商船乗組員も気にせず人がいる所の足元に投げた。


ぱぱぱぱん! 甲板の板が何カ所か破れ、弾ける音に誰もが混乱。


マコトは鉄棒で海賊の腕を叩き、落とした武器を空間収納で回収。素早く事を進めた。


ソフィーが武器を失った海賊をつかまえ、海に放り投げた。


絶妙な連携で10人の海賊を退けた。最後にソフィーが海賊船から繋がれたロープを切断。


マコトが7センチのスライム爆弾を海賊船の近くに投下して水柱を立たせた。慌てた海賊は海に落ちた人間を回収して去って行った。

 


商船には怪我人もいるが、マコト&ソフィーが手助けするかどうかは、商船の持ち主の態度次第。


太ったオジサンが叫んだ。


「私の船の甲板が焼けて傷ついた付いたではないか!」


これは関わりたくない人種。助けてもらった相手への第一声とは思えない。


「俺の第一印象は最悪」

「私の直感スキルも、あっちを追うべきだと言ってる。満場一致だ」


去って行く海賊の方を指さした。


「ソフィー行くよ」

「おう」


船の横から手を繋いで海の方に飛んでプレハブ小屋に避難。


「消えた…」

◆◆


商船なら回復ポーションくらい持っているだろうし、怪我人がいても放っておく。


今から海賊を追跡する。恐らく少し前に見た岩の島がアジトだろうし、マコトのプレハブ小屋を使ってトレジャーハンティングだ。


「商船の人達、海賊から助けられても嫌な目をしてたね」

「ま、放っておくと寝覚めが悪いし、別に見返りも求めてないしな」


「ソフィーらしいね」

「マコトも同じだろ」


どんどん考え方がシンプルになるふたり、目を合わせて笑った。


笑ったあとはマコトはプレハブ小屋を縦1本に繋いで、38メートルの通路を駆け足で動いている。


商船から飛んでプレハブ転移をした高さは海面から3メートル。


亜空間にいるふたりは、水面から少し浮いている。


プレハブ転移を繰り返し、先を行く海賊船に追い付いた。



ソフィーにも大事な仕事がある。目的地に着いたら昼ご飯にしようとキッチンで料理を作っている。


今日はシーフードカレーに挑戦だ。タマネギと岩ガキを炒めて、そこにイカ、エビ、アワビ、ハマグリを入れた。ダシは十分。


カレー粉で味を付けて、調味料は隠し味程度。炒め物の食感を残したマコト好みにする。


今日のキッチンの設置部屋はマコトが転移に使う玄関の次の部屋。


マコトは壁の上と横を透明にし、時速10キロで航行する海賊船に併走。玄関の部屋から1回で25メートル程度を移動中。


ソフィーから見ると、5~6秒すると、いきなり玄関にマコトが現れては歩き出す。最初はびっくりしたソフィーだけど慣れた。


「マコト~、カレーのおともは何のピクルスがいい?」。その時は返事せず走り去った。


5秒したら再び現れた。


「あ、う~んとね、きゅうり」「たまねぎも欲しい」「いい匂いだね~」


現れては歩き去りながらマコトはソフィーに断続的に返事していく。


見ている人がいれば、なかなかシュールな光景だろう。


カレーが完成する前に海賊船はアジトに着いた。やはり岩場だらけの島。波でえぐれた小さな砂浜が基地だった。


『ちくしょう、正体不明のやつらに邪魔された』

『何も取らないうちに撤退させられた』

『働き損だ』


そこまで聞いて音声オフ。プレハブ転移で景色が見える位置まで出た。


「かんぱ~い」


「カレー美味い!」

「ホントか、良かった」


1杯目はがっつり食べた。


その後はカレーで煮込んだシーフードをつまみにビールを堪能。


「ああ~。走ったあとはビールがうまい!」


酒盛りして早めに就寝。



真夜中に起きてトレジャーハントという名の、海賊のアジト巡りを始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ