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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: #とみっしぇる


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8 初ダンジョンと初の金属ゲット

マコトは誰かが建てた建造物と勘違いして、入り口が地下鉄の降り口みたいになったダンジョンに入った。


階段を13段降りた瞬間に目の前の光景が階段から回廊に切り替わった。その景色を見て、ダンジョンだと思った。


けれど大きくは驚かない。


マコトが最初に異世界に迷い込んだときは、大きさが取り柄の実家が8畳一間のプレハブ小屋に変わっていた。


「俺を驚かせるにはインパクト不足だな」


勝ち誇った顔をしている。


マコトが後ろを振り向くと降りてきた階段はあった。

そこに足をかけて登ると、一瞬で外に出られた。


しばし考えた。ダンジョンの入り口で空間術を試し、ダンジョン内からプレハブ小屋に入れたら探索してみることした。


簡単にできた。


魔物がいても回避できるからと、奥に進んでみた。


100メートルで最初の角を右に曲がり、次は左。その次に十字路があり、二足歩行の爬虫類が待ち構えていた。


3メートルほどの赤いトカゲみたいなやつで、前脚が長くて4足歩行。


正式名はレッドリザードという。


まだトカゲとは30メートルの距離がある。マコトは定番になった魚肉ソーセージを十字路の奥に投げた。


トカゲはマコトから視線を外し、重そうな体格を感じさせない素早さでソーセージに向かった。

「やっぱ、ダンジョンでも魚肉ソーセージ人気だな」


けれどソーセージを丸飲みした瞬間、トカゲはマコトの方を振り返って口を開けた。すると口の中に青白い炎が凝縮していった。


マコトは「ファンタジー攻撃だ!」と叫びはしたが、同時にプレハブ小屋に待避した。


「ダンジョン魔物は凶悪だな…。いや、その魔物の動きを狂わせる魚肉ソーセージはすごいのかもな」


今のマコトはダンジョンの床下に埋まっている。ふと、気になって壁と床を白黒モニターにした。


すると、周囲には白と黒の液状のものが流動体のように渦巻いていた。


地上の時の地面の下には、当たり前に泥や木の根が映っていたのに、ここは違う。床板みたいな物があるかと見てみると、ダンジョン床には1ミリも厚みがないように感じる。


「なんか薄すぎない?」


トカゲを確認すると、消えたマコトのことは忘れたように、十字路をのそりと歩いている。


マコトはプレハブ入り口で左を向くと、プレハブ小屋の先端は壁の向こうに突き抜けた。


壁も下から越えられた。壁自体は越えるときに見ると、1ミリもないような薄さ。 



ダンジョンの壁を越えた。


とんでもないことしたことを分かっていない。マコトは空間術しか魔法を知らない。


火魔法、水魔法とかあって、それと同じ並びに空間魔法、そこから派生した空間術があると思っている。


なぜならマコトはまだ、普通の魔法を見ていない。自分がもらった空間術。次に見たのが、地下に突然現れたダンジョン。触れた魔法的現象が、どちらも空間関連のみ。


この世界では空間魔法なんて、意外とメジャーなんだろうと軽く片づけた。



マコトは知らない。プレハブ小屋は、叔父が異世界転移したときに空間魔法と錬金魔法を得て、40年かけて作ったことを。


その叔父は、こちらの世界の300年前に飛ばされ、100年も前に亡くなっている。偶然に同じ魔法適性が芽生えたマコトの能力が加算され、叔父の予想以上の進化をプレハブ小屋にもたらしている。


遠い国で賢者と呼ばれた叔父もダンジョン内の壁抜けだけはできなかった。


この世界にダンジョンが現れて400年。最弱のランク1ダンジョンであろうと、その壁だけは誰も傷が付けられない。


ドラゴンのブレスでも焼け焦げも付かない。


マコトは自分が得た空間魔法が空間術に進化し、作った叔父も予想してなかった、ユニーク効果をプレハブ小屋にもたらしたとは知らない。


マコトは疑問を持たず、プレハブ小屋を利用して渡った先に出てみた。


時空の繋がり方は決まっている。ただ、1階の壁の向こうが1階とは決まっていない。


ここはダンジョン8階の罠部屋。出口は一カ所。これから出てくるモンスターを倒すと、ドアが現れて脱出できる。


「あれ?部屋だ」


30メートルの部屋の中央に石の台座があり、上に輝く金属が置いてある。


大きさは硬式野球のボール程度。


異世界8日目にして、初の金属ゲットのチャンスである。


暗い銀色に輝く丸い金属から不思議なオーラが漂う。


マコトは、これがミスリル銀だと期待した。


ビールの缶、わさびのアルミキャップ、ポテチの袋、色んな物が代用複製できる。アルミホイルを複製して簡易な鍋を作ればパックご飯を湯煎できる。


マコトの心はファンタジー色ゼロ。ビールのために、金属をつかんだ。むっちゃ重い。


カチッと音が鳴り、入り口が閉じて壁の一辺が空いた。中から獰猛そうな小型恐竜20匹が現れた。目は鋭く、1匹ずつが地上の白虎どころではないオーラを発していた。


「待避!」


幸いに金属をつかんだまま、プレハブ小屋に戻れた。金属は床に置いた。


マコトは地上に引き返すことにした。


魚肉ソーセージ投下で魔物同士を共倒れさせようとタイミングを計っていたが、マコトが消えて3分すると、魔物も消えた。


ダンジョンの密室に出る魔物は相手がいなくなると3分でリセットされるようだ。


再び部屋に出ても台座に金属もなく、魔物も出てこなかった。


共倒れ作戦は地上のようにうまくいかなかった。


マコトは地上に出て、ダンジョン入り口から離れた。金属の検証もしたいが後回し。白虎が起きてきて追跡されても面倒だし、少しでも離れることにした。


ダンジョンから北に向かう河原でプレハブ転移を繰り返して、一気に動いた。


マコトはダンジョンから7~8キロほど遠ざかり、周囲の魔力を含んだ空気が薄くなったことに気づいた。


疲れたし、プレハブ小屋に待避。いよいよ小屋に置いていた金属を調べることにした。


マコトはミスリル銀だと確信を持って、空間収納に入れた。


しかし予想外の結果。


『アダマンタイト20キロ』


ビール缶を複製できる金属ではないと知り、マコトは倒れた。


「ビールは作れねえ。ポテチは食えねえし、何の役にも立たないもん拾ったよ…」



マコトよ、アダマンタイトとは、ダイヤモンド以上の硬度を誇るレアメタル。宝剣の材料にしている国もある。


何も知らないマコトは、「まだ鉄の塊の方が良かったな…」と呟きながら、ビーフジャーキーをかじっている。

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