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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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70 ペペロンチーノとコラボ商品

マコト&ソフィーは錬金ギルドの人間に絡まれたけど、ソフィーが相手をやり込めてしまった。


なので10分後には、もう気にしなくなった。


パスタ屋で交渉というか、物量作戦で交換してもらったパスタ生地がある。興味はそちらに向いた。


マコトからしたら渡した物質は日本の3万円分だけど、相手からしたら最低800万ゴールドの品物。


寝かしていたパスタの生地4枚と、ペンネなどを使った料理、ソースも渡された。マコトは素直に礼を言った。


アンチョビのニンニクオイル漬けももらった。


トマトソースは存在しなかった。まだ異世界ではトマトは観葉植物。食用にする段階ではないようだ。


マコトの自作トマトソースも完成度は20パーセントで、ケールの青汁みたいな味。ソフィーに味見させると無理して飲み込んで変な顔になった。なので違うパスタを作る。


◆◆

何となく小高い丘に行くと、空は晴れていた。


やけににぎやかだと思えば地域のお祭りだった。楽器を弾いて、それに合わせて歌う人もいた。


屋台のようなものも出ていて、簡単な食べ物も売っている。


魚などを焼く、いい匂いも漂う。


その片隅で一生懸命に声を出す子供達がいた。


雰囲気はソフィーが育ったボルビックの街の孤児院のメンバーに似ている。シスターと、恐らく孤児であろう子供5人だ。


「パンはいかがですか~」

「売れてるか?」


「あ、う~んと、今日は売れ行きがよくないかな~」


馴れ馴れしいけど、笑顔で邪気がないダイレクトなソフィー。店番をしている12歳の女の子が思わず答えた。


「それなら20個くれ」

「4000ゴールドです」


ライ麦の固いパンをソフィーがいきなり買った。


マコトは笑ってしまった。ソフィーが自分の血が繋がらない弟妹と同じ匂いをかぎ取ると、素早く動いた。


「ありがとうございまーす」

「ところで隣が空いているが、このスペースで料理をしていいか?」


女の子がシスターを呼んできて対応してくれた。


「本来なら出店スペースですが、もう申請者はいないし大丈夫です」


マコトはソフィーに目配せされて、手に入れたばかりのパスタ生地をマイキッチンとともに出した。


「え、どこから」「収納魔法!」


お祭り会場の端なのに人が集まってきた。


ソフィーも収納腕輪から自作の包丁を出した。元は途中の街で買った魔鉄製のショートソードだ。


ソフィーはマコトに渡されたアダマンタイトの玉でショートソードを削り持ち手も変えた。それをマコトに渡して何本も複製している。


見た目は日本の柳刃包丁だ。


「マコト、どのくらいの細さがいい」


「3ミリくらいから少しずつ大きくしていって10パターンくらい作れる?」


「お安いご用だ」



ソフィーは刺し身で包丁技術を磨いている。

さらに、日本の機械でカットしたポテチに負けない物を自分の手で作るため、食材の薄切り技術を磨いている。


「魔鉄の包丁よ。我が魔力を吸い取りパスタ生地を裁断せよ」


ソフィーが魔力を込めると、包丁がほのかに光った。


見ている人もパフォーマンスと思って楽しそうに見ている。


右手を伸ばして的確に直線の筋を入れていった。


しゃっ、しゃっ、しゃっと定規も使わず、1メートルくらいあるパスタ生地を端から正確にカットし始めた。


マコトは目を見張った。


もうこれは、芸術に近い職人技だ。


ギャラリーも、なんだかよく分からないが手を叩いた。



マコトはペペロンチーノのソースを作ることにした。こっちは材料さえあれば簡単だ。


平鍋でたっぷりのオリーブオイルを熱して、ニンニクを投入。そこに、薄切りタマネギ、七味唐辛子と塩を入れた。


ベーコン代わりに5ミリ角切り燻製豚肉を大量に投げ込んだ。パフォーマー風のソフィーに倣って派手に撒いた。


ただし最後の隠し味は異世界にない物。コンソメ味のポテチを砕いた粉と、醤油をひとたらし。


「おおっ、香ばしい匂いだ。それでどうする」


ソフィーから麺を受け取り、色んな太さの麺を2本ずつ収納。残りをペペロンチーノのソースで絡めた。


「ほい、出来上がり。食べてみてよソフィー」


孤児院のメンバー、一般客のギャラリーが注目する中、ソフィーがちゅるると麺を口に入れた。


強烈な旨みはないけど、生パスタのもちもち食感がおもしろい。


「うん、なんだか安心できる味だ」


「でしょ。麺ってメインになれるし、付け添えにもなれる。万能型なんだよ」

「ほ~、奥が深いな」


「極端に主張しないこと、これが何でも合う秘訣だね」

「これで旅の食事に幅ができたな」


孤児院のメンバー6人にも振る舞った。


「もちもち!」「ちょっと辛い~」「けどおいしい」



麺も使い切った。とりあえず終わりかと思えば、見ていた親子連れに待ったをかけられた。


「娘に食べさせたいから並んでたんだが、値段が書いてない。幾らだい」


マコトは、あ、と思った。ここは祭りの会場で場所は露天が立ち並ぶ店舗スペース。出店者と思われている。


当たり前だ。


「う~ん、ペペロンチーノのソースはまだ作れるけど、麺が…」


「大丈夫だマコト。ソースさえ作ってくれたら何とかなるぞ」


ソフィーは孤児院のシスターを呼んで、共同店舗を提案した。話している間にも次の料理を期待する客が増えた。


だからソフィーは孤児院の商品・大麦パンを厚さ2センチにカット。


マコトが作ってくれたペペロンチーノソースにカットパンを半分浸して15秒ほど熱を加えたら出した。


最後にマコトがニンニク、タマネギ、燻製肉を載せて、ペペロンチーノトーストにした。


「さ、1番目の客だからサービスだ。食ってみろ」


最初に並んでいた親子連れの女の子に、油を切って少し冷まして渡した。


味が付いたオリーブオイルを吸って、ほどよい歯触りになった肉乗せトーストをかじった。


「……おいしい!」


値段はソフィーが勝手に2枚で400ゴールドにした。飛ぶように売れた。



孤児院の200ゴールドのパンを4枚に切って、マコト&ソフィーで調理。


孤児院では完売で20000ゴールド分のパンを用意していたが、売り上げは寄付金も入れて50000ゴールド。


お金を預けられていたシスターがマコト&ソフィーに材料費を払おうと思って探すと、すでに姿が見えなかった。


最初にソフィーと話した女の子が、ジャラジャラと音がする革袋を持って立っていた。


「シスター、このお金と売り上げの取り分は、孤児院への寄付だって」


自分達が楽しんだら去っていったふたりだ。

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