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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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60 初のランク3ダンジョンと親子丼

マコト&ソフィーはイタリアン王国を南下して首都ローマンまで15キロの距離に迫った。


ラフランスを出る前に計画していた通り、バニョレージランク3ダンジョンに入る。


温泉地で知り合ったゲドス氏のトロイ商会の伝手は使わないけど、ローマンの街で観光と買い物はする。


けれどゲドス氏に聞いたところによると、『黒髪の錬金術師&獣人女性』のセットは予想以上に探している人間が多いようだ。


悪人と善人の割合が1対1の世界。レベルアップして備えてから観光したい。


ソフィーは、それを考えすぎだと言わない。マコトの用心深さは、自分を守ることも考えてくれるせいだから。


一緒に笑顔になれるよう行動するだけだ。


◇◇

ラフランスを出る前に計画していた通り、バニョレージランク3ダンジョンに入る。


ここはブランド物の卵とニワトリの肉が有名な鳥魔物ダンジョン。首都ローマンから近いし、中央貴族の指名依頼を受けた冒険者も多く潜っている。


総階数50階。魔物レベル帯25~80。ダンジョンボスレッドシャモレベル80。

フィールドは草原と林。1辺4キロ。


「セーフティーゾーンは偶数階。卵を産むニワトリが現れるのは3、13、22、34、41、46階だそうだ」


「つがいで現れ、必ず巣に10個の卵が入ってるのか」


ただし、卵を奪われるごとに巣の位置は変わる。また、ニワトリ以外にも卵を抱えた鳥がいて、それなりの味と値段とか。


13階の卵で市場価格は1個20000ゴールドだとか。


ダンジョンの魔物を倒すと、同じ場所にはクローンのように同じサイズの個体が出る。


ここの卵も同じで、ニワトリの卵は大きさ、形、重さが同じ。商人は計測器具を持っているから、偽物が出回ることはない。


ダンジョン入り口が街の真横にあり人が多い。念のために猫ソフィーにした。


「なう、なにゃ~、にゃ?」

(また壁抜けで、一気に下層を狙ってみるのにゃ?)


「いや、とりあえず3階。そこで卵取って食べてから壁抜けしよう」


「にゃにゃ?」

(どうしてにゃ」


「下層の卵の方が美味しいって噂だけど、本当にそうなのか食べ比べてみようよ」


「にゃーにゃん」

(ナイスアイデアにゃ、レッツゴーにゃ」


今回の子猫ソフィーは、マコトの右肩に乗っている。


1階に降りて10分、5人の冒険者がウズラと戦っていた。サイズは体高60センチでレベル25。侮れない。


一気に3階に降りた。冒険者はまずまずいるが、フィールドは広いので誰もいない場所に行くと、運良くニワトリに遭遇した。


体高80センチのつがい。メスが枯れ草を編んだ丸い巣で卵を温めている。マコト達に気付くと2匹同時に襲い掛かってきた。


「ソフィー、1匹ずつ倒そうか」

「オーライ」


ソフィーはミスリルホイルを出すと、メス鶏を巻き取った。レベル27程度で直進してくる相手なら余裕で制圧できる。


マコトは鳥にも魚肉ソーセージが効くのか試すため2本を投げた。やはり効果てきめん。簡単にバックアタック成功。


「よしソフィー、今のうちに1匹解体して実食しよう」

「作る料理は決まってるのか」


「もちろん」


とは言ったものの解体の段階ではマコトは役立たず。切り分けた肉を収納する係だ。


プレハブ小屋に肉を持って帰って調理開始。


「鳥肉を一口大に切って。俺は調味料の準備する」


卵は普通の鶏卵の倍以上ある。だから2個を使用して残りは収納。


卵はコンコンとしたくらいじゃ割れず、包丁の角で10回も殴った。この強度があるから冒険者が割らずに持って帰れるそうだ。


タマネギ、醤油、干し鰹を煮て取っただし汁、蜂蜜酒と塩少々を加えて加熱。


さばいた鳥肉を入れて煮込んでから、溶いた卵を混ぜた。タイミングは色々と論じられているが、ここはマコトの好みで仕上げた。


卵が半熟になったら火を止めて熱々のご飯の上に乗せた。


ミツバのような葉野菜を乗せて完成。


「上に乗ってる薬味野菜もキレイで卵の黄色が映えてる。なんて料理だ?」


「鳥とその卵で、親子丼」


ソフィーから先に勧めると、肉と米に半熟卵を絡めて口に入れた。


「はふっ、うはあぁ。うま~い~」


「どれ、俺も…」食べた瞬間にマコトの目が見開いた。


肉は日本から持ち込んだ物の方が上のような気がするが、卵のレベルが違う。


なんというか黄身の味が濃い上に、白身にほのかな甘みまで感じる。


「これ、卵自体が何かの料理みたいだぞ」


「卵が半熟ってどうかと思ったけど、それがうま~い。マコトはすごいな~」


マコトは正直に驚いている。このダンジョンには、ここから数ランク上の卵があるのだ。


当初、ダンジョンの卵は肉と同様に雑菌などがないと聞いて、取りあえず手に入れればいいと思って来た。


実際に食べてみると、最高ランクのやつが欲しくなった。


この世界のレベルはダンジョンに潜らないと大きく上げられない。 


だけど物資補給の問題があって、戦闘力があっても単独で一気に侵攻なんてできない。


数人のパーティーを組んで相互フォローをしながら動くのが基本になるから、経験値も分散し、時間もかかる。


魔物もレベル40を越えると、特殊攻撃を持つやつが普通になって、討伐難度が跳ね上がる。


そういう訳で一般戦闘職は、普通ならレベル40で頭打ちする。


このダンジョンの卵狙いなら、近隣の高位冒険者でも22階が限度。それより下層に潜るなら、本人か仲間がダンジョン向きのスキルを持っていなければならない。


マコトのプレハブ小屋なんて、その最たるもの。だから気楽だ。


「ソフィー~、一緒に国内最高の卵食べたくなっちゃった。46階まで降りない?」


ソフィーは街に近付いた時と違って、本当に楽しそうなマコトを見て嬉しくなった。


複雑だという異世界日本の人間関係に疲れていたという。


この世界で大きな価値を持つ男が、自分なんかといて幸せそうだ。そう感じると胸が熱くなった。


「もちろんOKだ。マコトが行きたいころなら、どこにでも付いていくぞ」


迷わず答えるソフィーだ。

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