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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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59 スライム爆弾とホイル焼き

マコト&ソフィーは、イタリアン王国の首都ローマンに向かう。


目当ては白ワイン。ソフィーは飲んでみたい。マコトは飲みたい欲求2割で、8割は調味料作りの材料として手に入れたい。


温泉で知り合ったゲドス氏のトロイ商会でも扱っている。息子である現会長への紹介状も渡されたが使わない。


自力で探す。


マコトの異世界人物図鑑では、親がいい人でも子供が悪人の可能性がある。


そもそもゲドス氏だって、妻の恩人でない段階でソフィーに気付いていたら、どんな対応をしていたか分からない。


商会を自分の手で立ち上げ、大きくしたゲドス氏は貴族との付き合いも多いそうだ。

マコトが仕入れた情報では、イタリアンの上位貴族は派閥に関係なく、ガチガチの人間族至上主義者のみだそうだ。


ゲドス氏は息子が貴族になりたがっていると笑っていたけど、マコトは聞き逃さなかった。


異種族差別の意識が強い人間だと判断した。


ソフィーの安全が絡むから、妥協しない。


◇◇

王都に行く前に備える。


現在は温泉地から南東に降りた場所。直径3キロほどの湖のほとり。


ソフィーはミスリルホイル100本を収納腕輪に入れて、そのうち2本を開封。


攻防一体の型を作る。


1本のホイルの先に5キロの魔鉄玉を巻いて自在ハンマーを製作。ハンマーを右手で操ると同時に、左手でミスリル防御帯を作りたい。


マコトは何でも砕くアダマンタイトの玉も渡したが、想定価格2億ゴールド越え。無くしたら大変だから通常武器には使えないそうだ。


複数のホイルを同時に扱うのは魔力量、魔力操作と両方の関係でソフィーでも困難。


「魔力操作が特に難しい。1本で防御に徹すると、1本は動かせない」


特訓を始めた。


マコトは付け焼き刃の戦闘技術よりも、スキルを生かす。まずプレハブ小屋レベルを9、10と連続で上げた。


レベル8から9は『拡張積立』に300d。プレハブ機能では冷蔵庫の中が広がった。


冷蔵庫全体が3000リットルに拡張。冷蔵室、複製室が各1750リットル、冷凍室は500リットル。


冷蔵室の入り口が縦長となり、長テーブルまで入る。


続けてプレハブ小屋レベル10にランクアップ。今度は『拡張積立』に300d。キッチン周りが大変化で、コンロは3連。2つがIHクッキング、1つは炎が出る。


さらにタイマー付きオーブンの追加。これでピザやローストビーフが作れる。


マコト自身の能力は、空間収納が一辺19メートルに拡張。疑似転移と収納口を伸ばせる最大距離が38メートルになった。 


次のレベル11には350dが必要。設備は部屋の仕切りに変化があるようだ。


◆◆

ソフィーは湖で魚取りを兼ねてミスリルホイルの操作訓練。まだ動きが速いトラウトは捕獲できない。


マコトはテーブルを出して、卓上でスライムと温泉地帯で得た素材を合成させている。


「スライム錬金術師を名乗るからには色々と自作しないとな」

マコトよ、日本製品に頼りっぱなしだから、今さらだぞ。


すでにスライムと結束バンドを融合させて、弾力シートの元は作った。大きくジャンプしたり、船の帆に利用できる物を作りたい。


ただし、今のところシートの強度が低い。


平面戦闘と落下対応には強いマコトのスキルだけど、上への移動方法、飛行型魔物の対応手段がない。


スライムシートを強化して、風や高さを利用できる、パラグライダー的な物が作りたい。


タイヤも作る目処は立っているが、アスファルトの道路などない世界では大して役立たないと思っている。


鍋にスライム、結束バンド、温泉地で採取した硫黄を混ぜた。


すると予想とは違う変化。黒い粉状になってしまった。


「あれ~、ちょっと違ったか。…けれど、この匂いは…アレだ」


子供の頃にやった花火の匂いに似ている。


断片的な知識が頭に浮かんで、ここに木炭を粉状にして混ぜた。


すると斜め上の変化。黒色火薬のような物になったけど、周囲が黒い筋が入ったスライム膜で覆われた。


1センチほどの透明膜で包まれた球体に100グラムの火薬が入っている感じだ。


「危険だけど、黒色火薬って何キロも集めないと大爆発は起こさないんだったよな…」


球体を覆う黒い筋に、何気なく魔力を込めた。すると瞬時に反応して、何かのエネルギーが玉の中から湧き上がってきた。


「どうしたマコト。お、新しいボールか」


悪いタイミングでソフィーが帰ってきた。ヤバいと感じたマコトは、誰もいない水面の方に玉を投げた。


玉は放物線を描き70メートル先に着水した。


どんっ。

爆音に続いて30メートルくらいの水柱が立った。


魚が30匹くらい浮いている。マコトの足元には、80センチもある型がいいトラウトが流れてきた。


「おお~。エクスプロージョンの魔力を込めた玉か。すごい物を作ったな」


本来の黒色火薬100グラムに大爆発を引き起こすスペックはない。


だけどスライム練金で改造して魔力を込めたらダイナ⚫イトになった。


マコトがやることで驚きの連続にあるソフィーは、これくらいでも動じなくなった。


「…さ、トラウトを回収して、ご飯にしようか」

「おう。大漁だな!」


この世界、火薬の発明も済んでいるが発達はしていない。これは魔法の影響。


地球では黒色火薬から始まって爆発物が研究所されていった。


だけどこの世界では火力は個人が持っているから意外に注目されない。


◆◆

音に驚いた地元の漁師さんや住民が駆けつけてくれた。心配してくれたようだ。


もう夕方。


マコトはトラウトを見て、簡単に作れる美味しい料理を思い出した。


ミスリルホイルを25センチ×40センチにカット。


ミスリルホイルにさばいたトラウトを置いて、キノコや野菜、調味料、バター、マヨネーズを乗せた。ホイルの端が柔らかいから、結んで包みにして加熱。


「トラウトのミスリルホイル焼き完成」


爆発後に駆けつけてくれた地元の人たちにもホイル焼きをふるまった。


複製したスルメイカ、ハマグリ、アワビも出して、ホイル焼き大会になった。


「美味いが…、ミスリルの布なんて貴重な物に…焦げたトラウトの皮がへばりついてるぞ」



マコトが爆発物を作っても驚かなかったが、貴重な加工金属の扱いにあきれるソフィーだ。

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