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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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50 揚げ焼きジャガイモとポテチ

マコトがボルビック孤児院に滞在するのも残り1日。


ソフィーの情報を集めている人間が街に出没したという話をケビンが教えてくれたし、予定通りに出発することにした。


マコトはソフィーを伴い、改めてシスターアンジェラに挨拶した。


シスターはソフィーが迫害対象の獣人の血が混じっていると知っていても、他の子と同様に大切に育ててくれた。


愛情を注いでもらえた。


だからソフィーは自分の危険をかえりみず人を助けられる。マコトはシスターに感謝したい。


「マコトさん、パンのこと、寄付金のこと、色々とお世話になりました」


魔鉄製品を商業ギルドで売り、500万ゴールドの寄付をしている。


「お礼は僕よりもソフィーに言って下さい。換金した物資はソフィーに渡した報酬の一部なんです」


「まあソフィーったら、お金はマコトさんに貰ったなんて言って…」


「…何だっていいよ。シスター気にすんな。今までの礼ができてよかった、うん」


「本当に、いい人を見つけたのね。幸せになってね」

「今までありがと、シスター。えへへ」


マコトと恋仲になったことは、ことのほか喜んでくれた。


ついでにソフィーは手紙を預けられた。他国の孤児院にいるシスターアンジェラの友人シスターに会うことがあれは、渡してくれということだ。 


「ところでシスター、膨らむ粉の銀色の包装は捨てないで下さいね」

「ええ。とても緻密な絵が書いてあるから取っていますよ」


「あの銀色の部分はミスリル銀なんで、いざという時は売ってお金にして下さい」


「……ミスリル?」

「はい、差し上げたエールの銀色の入れ物、あと薬を包んだ銀色のやつも、みんなミスリル銀です」


エールが好きなシスターアンジェラに缶ビールを100本渡している。


シスターはソフィーに呟いた。

「あなた、とんでもない人に好かれたのですね」

「私が一番不思議だと思ってるよ…」



シスターが取っておきの紅茶を淹れてくれた。


マコトは一口飲んで美味しいと思った。茶葉を少し分けてもらい、増産することにした。


異世界生活で食事のバリエーションは増えたが、飲み物はいまだビールか水の二択だ。


さすがのソフィーも、ここではビールは控えている。


「ところでシスター、孤児院横の畑で何を作ってるんですか」


「新しく入ってきた種類の芋ですね。まだ栽培して2年目すが、美味しく食べる方法が分かってませんね」


聞くとジャガイモだった。


マコトが振る舞ったカレーにも入っていた。あれは美味しかったそうだが、庶民の収入で作れる料理で合う物がないそうだ。


「マコト、食わせてくれた色んな料理に、そのジャガイモが入ってたよな」


「ジャガイモね…。あ、ソフィーに新しい料理を食べさせてあげるよ」


猫目が可愛く開いたソフィー、シスターを伴い孤児院の厨房に行った。



マコトが孤児院で何度か料理をしている。すると例外なく美味しい物が出てくるから、院内に残っている子供達が集まってきた。


空間収納にストックしていたジャガイモ20個を出して、皮付きのままミカンの房のように切った。


安価に手に入るオークや豚のラードを鍋に敷いて、ゆでたジャガイモを揚げ焼きにした。


塩をぱらぱらと振って完成。


子供に混じってソフィーも期待の目で見ている。


「ほら新作のフライドポテト。ソフィー味見して」


揚げたてほくほくのポテトを、はふっ、はふっと声を出しながら食べていく。


「どうソフィー姉ちゃん」


にんまりとして「うんま~い、カリッとした歯ごたえのあとがほくほくだ~」


子供達にも勧めると、一斉に食べ出した。


「マコト、今度の料理は簡単そうだから私にも作らせてくれ」

「できるのソフィ-」


「そうか、出会ってからマコトが作ってくれるから見せたことないが、私も料理は普通にやるぞ」


考えてみれば冒険者なんて野宿で自炊は当たり。華麗な鍋さばきから、次々とフライドポテトを作っていく。


「ソフィー姉ちゃん、僕もっと食べたい」

「悪い、もう材料がないや」


「もっと出すから作ってよソフィー」

「いいのかマコト。すまん」


「ソフィーも食べたら」

「今は子供達の分だけでいい。旅に出たら、また食べさせてくれるだろ」


イタズラっぽく笑うソフィーにマコトも笑顔で返した。


「だな。じゃあ、もっと油と食材を出そう。いろんなもんを揚げてみるか」


揚げ物大会に突入して、子供達と笑った。


◆◆◆

夜になり、マコトはソフィーと共に提供された一室で乾杯している。


「ソフィー、日本から持ち込んだ、ビールに合うポテト菓子があるんだけど食べる?」


「なに?ビールに合うだって?」


「まあ、食ってみなよ」


これまで出さなかった小袋ポテチ、コンソメ味を出した。


「これが芋か?どうやったら、こんなに薄く切れる…」


ぱりっと音を立ててポテチをかじった。


「うん、うん。甘さもあるのに、塩辛さもある。なんだこの粉は、美味しすぎる」


マコトもかじった。久々のコンソメ味。

それが口の中に残る間にビールをグビリ。


ソフィーも倣ってグビリ。



「はぁ~」「はぁ~」

ハモった。


マコトは、こんなにタイミングが合う女性は日本にもいなかったなと思った。


ソフィーも同感。



ただソフィーは自作のポテチを作るため、ポテトの薄切りを極めたいと言い出した。


日本のポテチ用ポテトの薄切りは、進歩した工業技術の賜物。機械なんて知らない彼女は職人の手腕によるものと勘違いしている。


そのために剣技を磨くと宣言する辺りが、異世界人。


だけどマコトは否定しない。熱弁するソフィーがとても可愛くて愛おしい。

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