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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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49 ミスリルボディスーツとファスナーの恐怖

マコト&ソフィーがボルビックの街に来て8日が過ぎた。あと2日で旅立つ。


コーヒー豆、大豆、そのどちらかを探したいと口に出したら、ソフィーが南の方向に行くのはどうか提案した。


直感スキルが働いたそうだ。


この異世界の大陸配置図は、知れば知るほど地球と似ている。


同じと仮定するなら、ラフランスから南に行くとアフリカに当たる大陸がある。地球と違うのはダンジョンの恩恵でエジプトを起点に東海岸は人族で栄えていること。


中央と西側に獣人の国が点在するため、人間が暗黒大陸と呼んでいる。


マコトはコーヒー産地のひとつとしてアフリカ東海岸にエチオピアがあることを知っている。

なぜなら酸味があるエチオピア種は好きなコーヒーのひとつだから。


しかしながら、アフリカの国の位置はエジプト、エチオピア、南アフリカくらいしか分からない。


「海峡を渡るルートが2つ、完全な陸路が1つあるが、マコトはどこがいい?」

「南のローマ半島にあるイタリアン王国経由がいいかな」


「私はイタリアンとの国境やあっちの国で活動してたから、土地勘はあるぞ」


「食べ物は?」

「この国よりも、幾らか発展してる気がする。高くて少ししか飲めなかったけど、白ワインがうまかった」


「白ワインか、いいね。じゃあ決まりだね」


イタリアンは小国を無理に統合して連合国家にした政情不安定な国。


現在は君主の女帝アテリーナ派、軍を牛耳るミロ公爵派で割れて内紛状態だそうだ。


女帝は安穏を好み、公爵は争いを好むという情報は仕入れた。


真面目な話をしているけど、ふたり一緒に薬湯風呂に入って横に並んで会話している。そこはいらない? そうですか。


ニワトリと卵で有名なランク3ダンジョンが隣国イタリアンにある。そこから地中海に当たる海を越えて、エジンプト。


エジンプト古代遺物群の間には、古代の亡霊が出るというランク4ダンジョンがあるから。そしてエチオピアことエチオーピアに向かう。


マコトが先にダンジョンに潜りたい理由は高位ポーション獲得のため。魔石集めやプレハブ小屋レベル上げより優先したい。


普通の旅で大きな課題となる食糧確保と寝床作りは簡単にクリアできる。だから怪我対策をしておきたい。


エジンプトのランク4ダンジョン全80階の49階、罠部屋には切れた腕を繋げられるほど強力なポーションがあるらしい。


50階までしか公式記録がないけど、回復系のお宝が沢山あるという話だ。


そこを狙いたい。

◆◆


ソフィーが育ててもらったボルビック孤児院で過ごす日も残りわずか。


マコトは夕食を子供達に振る舞った。


必殺甘口カレーライス。トッピングに揚げ物数種類。


デザートはなんちゃってクレープを2枚折りの半円形にして、半分に切ったシュークリームを載せた。


ソフィー監修のコラボだ。


食後はソフィーをプレハブ小屋に連れて行った。


うふふタイムではない。


スライム糊を作って以降、にわか職人魂に火が付いたマコトの現在の集大成を披露する。


何故か手触りがシルクそっくりなミスリルホイルから作った、ミスリルボディースーツをソフィーに着せる。


何度も試着してもらいパーツごとの微調整も済んだ。


通気の面ではスライム糊をミスリルホイルに付けるときに隙間を作った。すると余計な熱がこもらなくなった。


最後にダウンジャケットのファスナーを前側の中心に取り付けた試作品だ。


ファスナーは転移前に身長175センチだったマコトに合わせた上着から取り外し、そのまま使っている。これが複製の弱みでサイズを変えられない。


ソフィーには少し長め。理想は首元まで覆えるミスリルスーツの顎下からへそ下までだけど、ファスナーの始点はソフィーの股下を越えてしまった。


とりあえず試着。


ソフィーはマコトにパンツだけ履いておけと言われた。


だけどミスリルの布は自分の下着より格段に肌触りがいいから素っ裸になって着ることにした。


男女の関係になったとはいえ、まだ互いの裸を正面から見るのは気恥ずかしいふたり。


ソフィーの装着が終わるまでマコトは横を向いている。


「マコト、この不思議な金具を下から上に引っ張るんだな」

「そうだよ」

「これでぴったり締まるんだから不思議だな……ぐっ」


「どうしたソフィー」

「あ、あぐっ。痛っ!」


慌ててソフィーを見たマコトは目が点になった。


「け、毛が…」


裸で装着したため、ちょっと多めな下の毛をヤバイ位置でファスナーに巻き込んでいた。


「上にも下にも動かん。動かそうとすると引っ張られて痛い…」


「だから下着着用って言っただろ!」

初めてソフィーに怒鳴ったマコトだ。


抵抗するソフィーを仰向けに寝かせ、局部を隠している手を離させた。


「毛の方を切るから動かないで」

「見ないでくれ、恥ずかしい!い、いでででで!」

「じっとしてろって。大事なところに傷が付く」


ここで初めて日本から持ち込んだ、カッターナイフ(小)が活躍した。


金具に挟まった毛を取り除くためにボディースーツを脱がせた。涙目でぐったりした裸ソフィーを見たマコトのナニカが燃え上がった。


そして、うふふな展開はないと言ったが、濃厚うふふタイムに突入してしまった。


◆◆

コトが終わって、ソフィーはマコトにもらったトランクスを履いてミスリルボディースーツを装着した。


ファスナーという道具の性能と怖さは身を持って知った。


どたばたはあったけど、スーツ自体は高性能。試しに鉄の玉を自分の腕にぶつけたが、瞬時に一か所だけ硬化して金属音が鳴っただけ。


「どう、痛くない?」

「まったく。3歳児にぺしぺしされた程度の感触だ」

「よし、とりあえず完成だね」


「…マコト、無粋な話だが、これ買うとしたら幾らになるんだろうか」


これから向かうラフランス南の半島国、イタリアン王国の女帝がミスリル銀製の下着を欲している。


軍部との軋轢から、ここ数年は命を狙われることもしばしば。


なので全身を覆える物を作って献上した者には、平民であっても男爵位と1億ゴールドを授けるとお触れを出している。


マコトよ、それほどの物をお前は、ソフィーとの『うふふタイム』の起爆剤にしか使っていないのだぞ。



ミスリルホイルのシューズカバー、手の甲を覆うアームガード、魔力を込めると頭を覆えるヘッドカバーも製作中。


ソフィー強化計画が着々と進行している。

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