表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/79

25 カラメルソースとエビ天

マコトは漁村の一角で料理を始めた。


揚げ物は日本で作っていたが、油の温度管理が簡単なIHクッキングを利用していた。


野外のカマドでやったことはない。


下準備はしていた。プレハブ小屋のコンロを使い、鍋にオリーブオイルを注いで熱した状態で保存している。


薪をカマドにくべて温度管理。


「ちょっと、これでも食べて待っててね」


アンリと子供には、平たいパンにマコト作のカラメルソースを塗って渡した。


以前、プリンを食べさせた子供に、上に乗っている黒くて甘い物は何かと聞かれ、思い出した。


鍋で砂糖を焦がすだけでいい。ただしマコトは最後に熱湯を入れる手順を思い出すまで、何度もカラメルを黒焦げにした。


「甘い」「美味しい!」

甘くて子供に大好評。


天ぷらの衣は水で溶いた小麦粉にマヨネーズを入れた。卵の代用品だ。


まずは実験に小さく切った鶏モモを揚げた。


ジュワ~と、音がする。子供らが泡立つ油を見て「おおお~」と声を上げた。


カラッと揚がりすぎてフリッターのようになったが、異世界で作った初の揚げ物だ。


「さあ食べなよ」


塩、胡椒、マヨネーズを皿に出して、付けて食べるように言った。


「うわあ~」

「サクサクだ~。美味し~」


次がマコトのメイン。エビとキスに衣を付けて油に投入。各2匹は複製用に空間収納に入れてある。


「う~ん、いい匂い」


ジュワ~と音を立てる油を見ながらカマドに薪を追加。


できあがった。温度が足りないときのやつは白っぽい。揚げすぎて所々が焦げ茶色のやつまである。けれど、子供とアンリは目を輝かせて見ている。


マコトから食べた。サクっと音がする。エビの揚げ方は研鑽不足だけど、それを凌駕するうまみがエビ自体にある。


「くう~、異世界エビって美味しい~」


異世界の食べ物で一番のヒット。キスも美味だった。前に食べた塩ニシンも味が良かったし、異世界魚はレベルが高いのかもと感じた。


天ぷらをおかずにパックご飯を1膳食べて大満足である。


「さて、次の海産物を探すか…ん?」


周囲に子供がたくさん集まっていた。


「兄ちゃん、それなに?」

「すごく美味しそう」

「なんか、いいにおい」

「この辺の人じゃないよね。朝市のために来たの?」


「うん、旅の錬金術師。美味しい魚を探しに来たんだ。そうだ、材料がなくなるまでだけど、みんなも揚げ物食べる?」


すごい勢いでみんなが頷いた。


ただ、追加で子供が20人くらいいる。山のように複製したはずなのに、鶏モモを揚げているとたちまち底を尽きた。


「何か揚げられる物…。あ、アレがあった」


魚肉ソーセージをリュックから100本出して、半分に切って天ぷらにした。


複製の有機材料はウルフ。人に食べさせるからゴブリン製は避けた。


やはり、揚げても魚肉ソーセージは大好評だった。


「マコトさん、これも錬金術で作ったんですか。すごく美味しいです」

「ま、まあね…」


アンリと子供は揚げた魚肉ソーセージを食べて、エビ天の時よりいい笑顔を見せた。


異世界では、魚肉ソーセージのポテンシャルが高すぎる。


いつの間にか大人達も寄ってきていて、魚肉ソーセージの天ぷらを追加で200本分ご馳走した。


この国の南の方ではオリーブの栽培も始まっている。少量なら手に入るらしいので揚げ焼きの方法は教えた。


魚をくれるという人もいたが、それは大切な村の交易品でもある。


やはり肉類が足りないらしい。だから塩辛や魚をもらって、保存が利くビーフジャーキーを袋で渡した。


◆◆

「マコトさん、ごちそうさまでした」

「いえいえ、俺も初めての朝市は楽しかったよ。誘ってくれてありがとうね」


「兄ちゃん、ホントにもう出ていくの?」

「うん、次は東隣のラフランスのボルド銀山を見に行くんだ」


いよいよミスリル銀の採掘に向かう。


この村は住みやすそうだけどマドリーの街が近い。情報を少しずつ集めただけで、ろくな話を聞かない。


領主である侯爵が自分を探しているくらいは分かった。


「うわっ、めんどくさっ」


侯爵は、ラフランス王国との紛争で軍を指揮した切れ者。その時に財産を増やし、現在は宮殿のような邸宅に住んでいる。


武器、服、調度品、あらゆる物を最先端で揃えたが、土壌の問題もあり『食』の面で進歩が遅い。


胡椒、砂糖は、どちらも産地を先にエンゲレス、ラフランスに押さえられた。なので少量しか口にできない。


2か月後に予定している三女の誕生パーティーで香辛料と砂糖を山ほど使った料理で財力をアピールしたい。金はあっても物がない。


その状況でマコトが現れた。商業ギルドのギルマスには、マコトが出したビーフジャーキーと白砂糖を献上させた。


砂糖も干し肉も、最高どころか見たことがないほどの品質。マコトの捜索に踏み切った。


家臣にしてやると言っているそうだ。裏を返せば、拒否するなら奴隷にするということだろう。


などというアウトラインを聞いても、マコトの心に焦りはない。


スキルの特性上、縄で縛られても脱出できる。服を着た状態から裸でプレハブ小屋に戻れた。


両手にウサギを持って、片方のウサギだけ残してプレハブ小屋にも入れた。色々と実験済みだ。


国を出ることにした。


最後に、マドリーの街には行く。2度と来ないつもりだし、市場に行って持っていない食材を全種類買う。とりあえず空間収納に入れる。


今回は権力者も絡む。


下手に村の近くにいて漁村の人に迷惑をかけないよう、マコトは村から離れた海岸で瓶の複製をした。


オリーブオイル瓶は128本になった。


去る前に村に寄って、子供達にクマ紋のエコバッグに甘いものを入れて渡してあげた。


異世界に来てお色気がないマコトの生活だが、これには理由がある。


若返った15歳のマコトと同じ年のアンリは可愛かった。村の同世代の女の子にも声をかけられた。


けれどマコトはいまだに肉体に精神がひっぱられず、心は33歳のまんまだ。


ダンナと2人の娘を持つアンリの母親32歳の方に目が行ってしまった。


まあ、どうでもいい話だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ