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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: #とみっしぇる


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21 鹿肉ステーキと倍返し

マコトに声をかけた3人の女子冒険者は、戸惑いながらも仕事を引き受けた。


3人は大きな木の枝に大鹿を吊して解体を始めた。華奢に見えても力を合わせてランク1ダンジョンをクリアしている実績がある。


日本の17歳とは生きてきた環境が違う。


鹿の血抜きは必要ない。地上の魔物や動物と違い、ダンジョンの魔物は即解体で大丈夫。


肉や内臓も含めて造りが似ているのに、ダンジョン魔物は血液が魔素でできている。外に出すと魔素と一緒に血も霧散する。


だから、ダンジョン肉は価値が高い。


マコトから見ると可愛い女子3人は、手慣れている。まずは価値が高い毛皮をキレイに剝いだ。


塩漬けにする内臓を傷つけないように取り分け、続いて肉。腿、肩、スペアリブ、次々とブロック肉が出来上がっていく。


毛皮は色艶がよく、コートの素材として人気がある。


マコトはメモを取ってやり方を記録した。あとは後日、実践あるのみ。


「つるつるの紙を持ってる」

「マコト君ってお金持ちなんだ」

「髪の毛もツヤツヤだもんね」


紙も貴重な世界だ。


「ご飯の準備始めるね」 


マイアが火起こしを手伝ってくれた。


魔法適性は火で、指先を見つめて集中したあと「火よ」と言うと、ライターの炎くらいの火が指先から出た。


他人が使う魔法を初めて見て、マコトは感動。


鹿のもも肉をステーキ用に20枚切ってもらい、ブロック肉も1つ作った。


盗賊からの戦利品に平たい鉄の鍋があったからフライパン代わりに使っている。まず油とニンニクを熱した。


鹿肉は新鮮だから、軽く塩コショウを振ってミデイアムレアでステーキ肉を焼いた。


ブロック肉は10分湯煎し、中を温めてから周囲を焼いて薄切り。


「うん、いいね~。これからはインドア料理ばっかじゃなくて、外でも調理しよう」


次はマコトが好きなソース。


鍋に残った熱い油に、赤ワインと醤油、砂糖、刻んで潰したタマネギを投入。


お姉さん達は甘味に飢えてそうだし、砂糖多めのソースと2種類作った。


ワインのアルコールを飛ばしてシャカシャカすると、自己流シャリアピンソースのできあがり。


マヨネーズ、醤油マヨネーズも用意した。


じゅ~、と音と共にいい匂いが周囲に飛び、解体を終えた3人が近寄ってきた。


薄く切ったブロック肉、ステーキを木皿に盛った。


パンは貰った大麦パン。


「そっちの器に塩コショウ、別の器には色んなソースが入ってるから好みでかけて」


「胡椒?まじなのマコト君」


思わず初の胡椒付き肉にかぶりついた3人を見ながら、マコトは鹿ソテーにソースをかけてパクっ。


「う~、この甘辛いのがいい。肉自体もうまい!」


「マコト君、この香ばしい粒が胡椒?」

「うん、金持ちの親父のツテで手に入ったのさ、遠慮しないで」


マコトは、普通に商人の息子という設定が出るようになった。


「マコト君、この甘辛いソースも美味し~。なんで甘いの?」


「俺の得意なソースで、ワインに豆の調味料、砂糖を入れて煮立たせるの」

「さ、砂糖?」


「肉自体も美味しいよ。この鹿、何階で捕まえたの?」


「30階だね。ダンジョンボスって美味いんだね。また捕まえに行こうかな」

「ボス? …やけに角が鋭いと思ったら、ソードホーンバックなんだ」


マコトは肉の8割、毛皮全部、角を1本を渡すつもり。肉は複製できるし各部位が少しずつあればいい。角は武器。


今回は彼女らの気持ちが嬉しかった。


彼女らはマコトがお腹を減らしていると思い、3人で4個しかないパンを1個くれた。


その優しさに対して、お礼がしたいと思った。


3人の女の子は、甘辛ソース、マヨネーズ、塩コショウをかけた肉を食べる手が止まらない。


マコトが追加で平たいパンを出したから、甘い方のソースもパンで絡め取って残さず食べた。


ソテー肉にマヨネーズ、シャリアピンソースを乗せてパンに挟んでかぶりつくと、至福の顔になった。


そもそもソードホーンバックの肉は、プラドダンジョンの最高級品。


生まれた村で耕す畑がない農家の次女、三女だから街に出た3人。こんな肉は初めて食べた。


1頭丸々だと、引き取り価格は700万ゴールドを下らないと聞いている。角も武器の素材として鉄以上の価値を持つから1本30万ゴールド。


「そんなの貰えないって!」

「そうだよ」


「俺、あまりギルドと関わりたくないから、貰ってもらえないなら捨てるしかないね」


「……え」「そんな…」「もったいない」


「ええと、俺は練金術でこんなのも作れるし、金には困らない。武器を作るのに角が1本あればいいんで貰ってよ」


プリン、杏仁豆腐を出してあげた。水を通さない透明袋に入った砂糖もそれぞれに1キロ渡した。


彼女らは砂糖を見て、マコトが金銭にこだわらないことに納得した。


もちろん、マコトがエコバッグからぽんぽんと物を出すから空間魔法使い、それも高位の使い手と察した。



トラブルにならないよう、女子3人は顔見知りで良心的な商人をこっそり呼んだ。冒険者も辞めるから、ギルドを通す必要もない。


思わぬ大金を得た彼女らは故郷の村に帰って、買える畑があれば買う。なければ近くの街で露天商でも始めるそうだ。


3人は悪い冒険者に金銭を手に入れたことがバレないうちに、この場を離れる。


3キロ先の村で1泊して、明日の朝イチで故郷に帰る。


マコトは、やっぱり野蛮人だらけの世界だと思った。



夢中で肉を食べる女の子が可愛かった。こういう関わりを持ちながら自由に生きていこうと考えている。

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