表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: #とみっしぇる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/21

20 大麦パンと解体依頼

マコトはスキルのお陰で、たちまちプラドダンジョンのボスを倒してしまった。


マコトが倒したヘラジカはレベル40。正式名は「ソードホーンバック」だった。


レベルは一気に29まで上がった。単独でレベルが19も上の敵を倒すと経験値も大きい。


もらった魔石エネルギーは25d。1匹にしてはまずまずだけど、魔の森の中央付近で死んだ黒熊の魔石エネルギーは地上で拾ったのに52d。


基本、地上の魔物単体は大きな脅威になるほど強くならない。その例外が、世界に5つあるランク5ダンジョンの半径20キロ以内と、世界に1つだけのランク6ダンジョンがある島。


「ランク5か…、魔の森ってやばい場所だったんだよな…」。改めて思うマコトだ。



今の興味は鹿肉。ボスを倒したことは二の次。田舎で鹿狩りをしてみたかったマコトは、ちっと嬉しい。


「仕留めた鹿は、きっちり料理して食べないと。それが相手に対する礼儀だよな」


ゴブリンは捨てまくったくせに、今さら命の尊さを説いている。


角まで入れると推定650キロの鹿は空間収納に入れた。


背中に背負って颯爽とダンジョンから出たいと思ったが、レベルが上がっていても重すぎた。


結局はエコバッグだけ持って、転移装置を使って地上に向かった。


ダンジョン前が活気付く夕方。


手ぶらに近いマコトに誰も見向きもしなかった。


プラドダンジョン前には、商業ギルド、冒険者ギルドの簡易出張所がある。価値ある物が得られるダンジョンかどうか、この辺を見れば分かる。


ここは人気があるから、儲けた人間が泊まる宿屋まである。


周辺に山のように商人、冒険者がいる。


地球の中世ヨーロッパと同じように、異世界のポルペイン帝国でも肉は常に不足している。魚はある。


食肉が多く取れるプラドダンジョンには、マドリーだけでなく周囲の3つの街から、肉の仕入れに人が来る。


誰かが捕獲してくると必ず買い取ってもらえる。


代わりに冒険者同士の争奪戦も激しい。今日もあぶれた奴がいる。マコトと違い運搬できる量が少ない冒険者は、活動範囲がかち合ってしまう。 


大型の獲物を地上に運搬することを考え、10階ごとにある地上への転移装置を使える範囲で冒険者の90パーセントが動いている。


プラドダンジョンなら1階、9階、11階、19階、21階、29階。戦闘の才能がないと、冒険者がひしめき合う11階までで獲物を探すことになる。


今日もダンジョン前の冒険者は、獲物を持って得意顔のやつらと、腹を減らして情けない顔をしたやつに分かれている。


「はあ~。今日も何も取れなかった。11階周辺は人多過ぎ」

「屋根だけ付いてる簡易宿泊所で寝るのも3日目だな~」

「やっぱ、この仕事は向いてないのかな~」


マコトは、情けない顔をした人達が集うスペースに座っている。横のお姉さん3人組も覇気がない会話を続けている。


マコトは大鹿を解体できる人で、信用できそうな人間を探している。鹿を食べたいが、日本で解体を習う前に異世界にきた。


誰かに頼むにも、ギラギラした目の商人とギンギラした顔の冒険者ばかり。


冒険者ギルド、商業ギルドを出たあと、自分を追跡してきた人間と似た感じしかしない。


いい人が多かったバルセロ村に戻って、解体を頼むべきかと思案していたときだ。


「ねえ君、お腹すいてるの?」


不意に声をかけられた。隣に座っている女の子3人組だ。あまり装備は良くない。


黒い大麦パンを差し出された。


「見たところ何も持って無さそうだからパン分けてあげる」

「けど、1個だけだよ。私達も最近は稼げてないから、もうないの」

「明日の朝イチで薬草摘んでマドリーに行って売らなきゃね~」


「お姉さん達も余裕ないんでしょ。いいの?」


「困ったときは、お互い様でしょ」


マコトは考える前に言葉が出た。


「ねえ、お姉さん達。鹿の解体できる?」


いきなりマコトに言われたアン、フォフテ、マイアは戸惑った。17歳でレベル19~21の女子3人組。冒険者3年目でEランク止まり。容姿も、美男美女が多いポルペインでは普通。


マコトと名乗る15歳の少年から、鹿を捕まえたけど解体できないから手伝ってくれと頼まれた。


少し森に入るからと言われ貞操も含めて身の危険は感じた。けれどよく見ると、マコトの身なりはキレイだし金は持っていそう。


解体料を弾んで貰えるのなら、ワンナイト目当てでもいいと思うくらいには生活苦が続いていた。


マコトに付いていくと、大きな木があった。マコトが右を向いて「あ!」というと、3人は釣られて右を向いた。


マコトは、その隙に大木の反対側に空間収納の座標を設定し、鹿、盗賊のアジトにあったカマド、テーブルを出した。


「あの鹿だけど、解体できる?」


「へ?さっきまで、鹿なんて置いてあったっけ?」

「鹿のサイズも大鹿クラスじゃない?」

「それに、テーブルまで…。上に、なんか色々とある」

「あんな大きなカマドが…」


「先に用意してたんだ。お願いしま~す」


彼女らは、さっきまでダンジョンの近くにいた。こんな大きな鹿が運び出されていたら騒ぎになっているはず。


それにプラドダンジョンの大鹿は全30階の26~30階にしか出ない。レベルは最低で31。


大麦パンをくれたから、お返しに夕飯。解体料も別にくれるという。


ご飯付き。高級そうな鹿肉を少しでも貰えるなら御の字だし、二つ返事で引き受けた。


3人は大きな枝に大鹿を吊して解体を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ