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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: #とみっしぇる


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14/20

14 盗賊と塩ニシン

マコトは異世界の人間世界に道に足を踏み出した。安心して太陽の下を歩けるだけで気分がいい。


魔の森の中では外縁部に出るまで、他の生き物を見るたびにプレハブ小屋に避難した。


現れたのは例外なく魔物。避難が遅れると必ず牙をむきだして襲いかかってきた。


人間の街道を歩き始めて2時間。馬車1台と2組の冒険者風とすれ違った。すごく見られたが、誰にも襲われなかった。


「異世界生活の第一歩は、こういうのから始めたかったんたよ」


このあと、分かれ道にある簡易休憩所で2人の男性冒険者にビーフジャーキーを振る舞ったら、色々と教えてくれた。


直進するとマドリーの街。だけど最近は盗賊が出るから、左側の道に迂回した方がいいそうだ。


プレハブ回避ができるマコトは直進した。



1時間も歩いたのに、誰ともすれ違わない。冒険者に聞いた通り、みんなこの街道を避けるようだ。


やがて道の両側に木々が迫る道にさしかかると、汚れた男8人が両側から出てきた。


マコトは手ぶらだけど、文明が15世紀程度の世界では着ている服が値打ち物。


「ガキひとりだが貴族か豪商の家の子だな」

「家名を吐かせて、家から身代金でも取るか」

「アジトに連れて帰るぞ」


「おいガキ、大人しくしろ」


マコトは怖さよりも、8人の男が手に持っている物に目を引かれた。


6人がナイフ、2人が剣を持っている。


鉄だ。


マコトには、彼等がお宝を運んできてくれたようにしか見えない。


「宿屋の包丁はパクる訳にいかなかったけど、この人達からなら遠慮なくもらっていいよな」


盗賊の持ち物を奪い取ることは、正当な権利として認められている。確認した。


マコトは囲まれる前に真後ろに走り、木の陰に隠れた瞬間にプレハブ小屋に避難した。


盗賊はマコトを探すチームと、アジトに帰るチームに別れた。


アジトに向かった方を追った。盗賊に気付かれそうになったらプレハブ避難。それを繰り返して進むこと2キロ。


廃村のようなボロ家だらけの開けた場所にたどり着いた。


「なんだ、今日も手ぶらか。最近、あの道を通る奴がいなくなったぞ」

「お頭、そろそろアジトを変える時期ですかね」


「人を殺しすぎたか」

「かもしれねえっすね~、ぎゃははは」


バルセロ村ではまともな人としか会わなかったが、やはり野蛮人の世界のようである。


このセリフを聞いたマコトは今後の方針が瞬時に決まった。盗賊団を見つけたら、武器や物資を限りなく奪う。


そして必要最低限の物だけ貰い、物質が必要な人にあげようと。


盗賊の捕縛や殺害には関わらない。


時は夕方前。決行は真夜中まで待った。



酒盛りをして、見張り1人を残して盗賊どもは寝静まった。


マコトは端の家から順番に忍び込んだ。


最初の家には汚い服などが置かれていたが、全部収納。プレハブ小屋に置いて再び移動した。


寝ている盗賊の部屋に現れて音もなく武器も何もかも回収していくマコトに、誰も気が付かなかった。


食糧、服、テーブルなどもプレハブ小屋に持ち込むと、小屋の中はゴミ屋敷のようになった。


くさい。


マコトの空間収納は4メートルまで育っていても、物資が多く入っている。一気に物が入らないから、こうするしかない。


比較的まともな建物の中には金属の武器と装飾品が置いてあった。


待望の鉄を手に入れた。


厨房代わりの小屋では、10人分のスープが作れそうな鉄鍋をはじめ、4種類の鍋をゲット。


フライパンにできる陶器の平鍋と包丁3本をゲット。


カマドも家庭用キッチンくらいの大きい物と、キャンプサイズの手頃なやつがあった。どちらも収納できた。


「うっしゃー」と叫びそうになった。


食材で目に付いたのは塩漬けのニシン。匂いも悪くなかったからもらった。


最後は頭目の家。


コイツだけ、誰かから奪ったであろう柔らかな布団を掛けていた。


まずは脱いでいた靴。


次に壁に立てかけた剣。家の中の物を全部プレハブ小屋に運び込んだあと、頭目の掛け布団を収納した。驚いて起きた頭目が立ち上がった隙に敷き布団も回収。枕、その下に隠されていたナイフも頂いた。


「全員の靴は回収した。森の中を裸足で歩いてくれたまえ」


マコトは戦闘せず、プレハブ小屋に戻った。そして急いで盗賊のアジトを出た。


当初の予定は朝までアジトを物色する気だったが、小屋に置いた物資がくさすぎた。


真夜中の街道を走って村を見付けた。 


金属、布団一組、椅子、テーブル、小袋に入った小麦粉など、自分が必要な物だけもらった。残りは、木の板や破れた布ぎれなども含めて村の中央に置いた。


物資が簡単に手に入らないこの世界では、布きれでも捨てずに大切に使う。活用してくれという気持ちだ。


プレハブ小屋には臭気が残り、ハウスクリーニングで魔石エネルギーを消費してしまったマコトだ。



キレイになったところで盗賊から奪った塩ニシンの実食。ご飯の上に乗せるとしょっぱい。けれど、お湯をかけて茶漬けにすると一気に食べられた。


「これ、かなりイケたな。異世界ニシンが美味いのかな、それとも魚の旨みが濃い世界なのかな? とりあえずアタリだな」


寝る前に欠けた武器を素材に、包丁、ナイフ、剣、鎖かたびらの複製開始。


日本の物資では、ダウンジャケット、リュック、ジーンズの金具付きのものを複製した。


実際には日本の金属製品には鉄、銅以外にも色んな金属を配合しているが、手に入れた金属が不純物だらけなのがプラス作用。基準をクリアした。


布団も複製した。重い綿が詰まっていて、紐なしで冷蔵室に詰め込むのは苦労した。


匂いは取れると思う。これまでの例から複製品の方は新品になるはず。明日からは、自分好みの厚手布団の中で眠れると思い嬉しくなるマコトだ。


まだ鉄鍋など複製していないのに、すでに14キロになった。


人里に出てから重い物ばかり複製している。


魔石エネルギーの残りが20dを切った。食べ物と着替えは豊富にあるから、当面は魔石エネルギーは節約する。


「街に行ったら冒険者になって、魔石のためにランク1ダンジョンから攻めてみるか」


そういう事情から、街に着いたら最初に冒険者ギルドに向かうことにした。

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