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平凡な男の平凡な転生  作者: みけ
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ピノ走る!

お待たせしました!一日更新が遅れ申し訳ありませんm(__)m

ピノは走る!

砂浜を、弾丸のように一直線に。

とまったら、倒れてしまうほど体を低く倒し、全身全霊の力を込めてひたすら走る。

そのスピードは長距離を走るものとしてはありえないほど早い、短距離でもそこまで走れる者はかぎられるであろう。

限界はとうの昔に越えていた。息は切れ、心臓は弾けんばかりに脈打ち、手足は鉛のように重く、目もくらんでいる。

だが、ピノは走る!

もっと早く、もっと早くと自分を急かしながら。


時間を少し遡る。


アーミーアントの気配をずいぶんと前からピノはとらえていた。


だから、なんとかやり過ごして切り抜けるよう蛇行を繰り返したのだ。


しかし、努力は実らず捕まってしまう。


数、多いな。


アーミーアントに包囲された時、ピノは事態が二人の実力を大きく越えていることを理解した。


このまま、戦えば二人共倒れになるのは間違いない。

少なくとも過去二回はそうだった。


最初はダンジョンの中で、二回目は、森の奥でピノがいたパーティーはモンスターに囲まれた。


ダンジョンでは、一番最後を歩いていた女性の神官戦士がアラームの罠を、森の奥では、誘い樹というモンスターを引き寄せる強い香りを放つ木を戦士が傷つけてしまったのが原因でピノに罪はない。


二回とも、全員が命のあるかぎり戦い抜いて、生き残ったのはピノ一人だった。

ピノには切り札がある。

それを使えば、ピノだけなら助かる。

二回の全滅の時も、最後の最後でそれをつかって生き残った。


帝国の残党に囲まれた時も、太郎が変身しなければ使うことになっていたかもしれない。


いままでは、戦っている仲間がいるうちは、切り札を使うことをためらってきた。


だが、今回は使う。ピノの力ではアーミーアントにダメージを与えることはできない。


援護の牽制ぐらいはできるが、アーミーアントは以外と賢いモンスターだ、すぐにピノの非力を見抜き無視するだろう。

そうなったら、ピノはいてもいなくても同じことになってしまう。


結果的に太郎を見捨てることになるかもしれない。


でも、太郎が生き残る可能性が高い選択をしなきゃ。

ピノは、ひっそりと苦渋の決断をした。


「合図したら、魔法で炎の壁をたてて防いで、助けを呼んでくる。死んじゃだめだよ」


ピノの切り札は、金色の小さな指輪。表は無地で、なめらかで艶やのある表面をしていて、裏には、親友に捧ぐと彫られている。


ピノが母から受け継いだはその指輪は、見た目は金で出来ていそうな以外、とくに価値があるとは思えない普通の指輪だった。


煙り玉を炸裂させて、自分を視界からはずし、ピノは指輪をつけた。


とたんに、世界がゆがんで見えるようになる。


まるで、水の中にでもいるような、歪んだ視界の中で太郎がキョロキョロしていた。


太郎の神の眼からも消えるなんて、ご先祖様はいったいどうやってこの指輪を手にいれたんだろう?


この指輪をつけると、ピノ姿は誰にも見えなくなる。

その代わり、世界がゆがんで、人や物に触ることができなくなる。


この指輪を過去二回、重傷をおった状態でつかい生き残ってきた。


ピノはアーミーアントの間をすり抜けてハチドアに向かって全速力で走り出した。


途中、女の剣士らしき人をみつけたので、指輪をはずし、太郎の援護をお願いしてみる。


驚いたことに、変ななまりのある女剣士は、太郎を探していたようで、二つ返事で請け合い太郎いる方向へ走り出した。


名前すら聞かなかったが、一人でいたことから、腕に覚えがあると信じたい。


ほどなくハチドアについたピノは、門を飛び越し門番の制止も聞かずギルドへ駆け込んだ。


あたふたしながら、受付にいたタマミールに事情を説明していると、後ろから声がかかる。


「タロウのピンチだって、そいつは行けねぇ。嬢ちゃん報酬は俺が請け負う。緊急以来で腕利きを至急派遣してくんねぇか」


鍛冶師のウェットがたまたま、太郎を探してギルドに来ていたのだった。


「野郎共、一刻を争うんだ、街にでて腕利きの常連みつけてギルドへ引っ張ってこい!」


弟子たちを街に放つとウェットはタマミール相手に依頼の手続きを始める。


思ったよりスムーズに話が進んだことに安堵しながら、ピノは回復薬を一気のみした。


「場所は、大砂原の真ん中あたり、狼煙玉なげながら戻るから早くきてね。あたしは先に戻ってるから」


「あぁ、おいちょっとまて!」


ウェットの制止も聞かずにピノはギルドを駆け出した。


狼煙玉は、一度火をつけると半日は細く濃い煙を出し続ける。


特殊な薬草を調合した玉なので、けっこう効果なのだが、惜しみになく投げながらピノは走り続けていた。

優れたピノの方向感覚は、一直線に太郎へと向かって走らせている。


もうすぐ、アーミーアントの一団が見えてくるはずだ。


包囲の中に戻るために指輪を用意しながら走る。


もう全部終わっていて、なにもない砂原だったらどうしよう?


そんな、思いを振り払いながら走る。


朦朧としながら走るピノのもとに声が届く。


「じゃき、おまんは、いったい何者がちあ!」


声のほうに向かったピノがみたものは、アーミーアントの残骸多数と、それに囲まれるような位置に座り込んだ太郎と太郎に細身の剣をつきつける女剣士だった。



お読みいただきありがとうございましたm(__)m


少し短めですみません。

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