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平凡な男の平凡な転生  作者: みけ
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君の名は

お待たせしました。

今回、ちょいと長めです。

急いで書いたので、誤字脱字へんな表現などご容赦を

 ゴブリンを屠ったあと、さらに森に近づきオークを発見。戦闘に移る。

オークは、ゴブリンよりも容易く刈ることができた。

 棍棒や錆びたり折れたりしている武器で武装しているのは一緒で、力はオークのほうが強く攻撃力が高く、皮膚の硬さや体力も上なのだが、スピードが遅いため対処しやすい。

 ピノは圧倒的なスピードで、オークを翻弄、目などの急所を突く。太郎にとっても、攻撃をかわしやすく皮膚が硬いといっても、鞘割の鋭さをしのげるものではないので、一撃で首をはねることは簡単だったのだ。


 森に入る半歩手前といったところで、5匹のオークを屠り、いま、ピノが太郎のナイフを借りて解体中である。


「お肉~♪おにっくぅ~♪美味しいお肉~♪タロウのナイフはよく切れるね~」


妙な歌を歌いながら、ピノはオークを解体し、ヒレ、ロース、肩ロース、モモ、バラなどの部位に切り分けていく。

太郎の作った、鍛造ナイフは非力なピノが使ってもよく切れるようで、さくさくと解体作業はすすんでいた。


「そのナイフ、ピノにあげるよ。解体いつもお願いしてるし、ささやかなお礼だよ」


ピノが切り分けた肉の塊を、次々とアイテムボックスにしまいながら太郎は言う。


「ありがとう♪柄を長くして槍にしたいくらいよく切れるね」


「あぁそっか、今度、ピノ用の槍をつくろうか?どんな槍がいいかな?」


自分の武器に夢中で、ピノの武器のことを忘れていたことに太郎は、気がついた。カーボンファイバーの柄に鍛造の刃をつければ今よりも軽くて切れ味のよい武器になるだろう。


「う~ん、タロウが鍛冶をはじめるとつまんないから、いいや・・・うわっ!?タロウっ危ない!」


ピノの武器をどんな仕様でつくるか思案していて半ば聞き流していたが、最後の悲鳴のような警告が太郎の耳に飛び込んだ。

その声の大きさに驚き身をすくめたところに背中に大きな衝撃を感じ跳ね飛ばされた。

その瞬間、太郎はすさまじい獣くささを感じる。

前のめりに数メートル飛ばされ地面に叩き付けられた太郎が状況を把握する前に、右腕が荒い呼吸をする獣に噛みつかれ持ち上げられた。

幸いにも、鎧は獣の噛む力よりも強く牙も通していないため食い違られることはなかったが、そのまま持ち上げられ、今度は胴体が締め上げられた。


「ハイディングベア!タロウをはなせ!」


ピノは暗い柿色の毛皮をして両腕が発達した熊、ハイディングベアの後ろに槍で突き刺すが、ピノの力では致命傷を与えることが出来ないようだ。


太郎の鎧は、動きやすさを重視しているため、締め付ける攻撃には弱い。鋭い爪と牙を防いでいるが、ハイディングベアの腕は太郎の腹に食い込みきつく締め付けている。

太郎は呼吸ができず内臓が口から出てしまいそうな圧迫感に耐えながら、アイテムボックスから青海波を取り出し左手でつかむと鞘を口でくわえてどうにか抜く。

そのまま自分の右脇の下に突き入れるようにして、腕を食いちぎろうとしている獣へと刀を突き刺した。

フランスパンをナイフで刺すような感触が手に伝わり、獣はビクンと痙攣し崩れ落ちる。

太郎もそのまま倒れ、空を見上げたまま荒い呼吸を繰り返した。


「ごめんね~気が付くのが遅れちゃった、大丈夫」


泣きそうな顔をしたピノが覗き込む。ジンジンを痛む腹を無視して、太郎は無理やり笑顔をつくる。


「鎧の性能試験に、ちょうどよかったよ。締め付け攻撃は計算外だった」


ピノが安堵の笑みを浮かべたのを確認して痛みをこらえて回復魔法を使う。暖かな光が腹部に集まり痛みが消え、立ち上がることができた。

ハイディングベアは体長2メートルほどあり、よく発達した上半身にくらべて下半身はやや貧弱な歪な体型をしている。かなり歳を経た個体のようで、潜伏スキルがmasterと表示されていた。


「気が付かなくてもしかたがないよ。こいつ潜伏が得意みたいだよ。襲われたのがピノじゃなくてよかった」


ピノが不意打ちを食らっていたら、最初の一撃で重傷を負っていたにちがいない。


「ハイディングベアは、体が大きい獲物から襲う習性があるからタロウを狙ったんだよ。ふつうは木の上とかに潜んでいるのに、平地に出てくるのは珍しいよ」


ピノは不思議そうに首を傾げた。


ともかく期せずして鎧の性能も試せた。防刃や衝撃に対する防御力は実証されたが、弱点もあきらかになった、対策をどうするかゆっくり考えたい。


二人は、少し早いが街へ戻ることにした。ただし、まっすぐ来た道をもどるのではなく、少し海側に迂回してもうちょっと狩りをしながらかえる。

オークに死体を魔法で穴をほって埋めると二人は歩き出した。


海岸線からはやや離れているが、遠くに海がみえるくらいのところまで出て街に向かう。


砂浜がそのまま延びたような砂地だか、昔は大きな川だったらしい。


ゴブリンかオーク、あるいは動物系のモンスターでもよいので、もっと実戦経験を積みたかった。


モンスターを探しているのか、見通しのいい砂地をピノは右にいったり左にいったり曲がりくねりながら進んでいく。


以外と真剣な表情をしてるので、太郎は時々まっすぐ突っ切ってもよいかと思うのだが、大人しくついていった。


「う〜ん、だめだ、まけないや、タロウ戦闘準備して」


ピノは突然立ち止まると、そう言って背中から槍をはずして構える。


「え?えっ?えっ?」


太郎は、よくわからないまま、真剣な様子のピノに押されるように鞘割を取り出して構えた。


その時、前方で砂が爆発したかのように吹き上がる。

砂の中から現れたのは人間大で二本足で直立するアリだった。


「アーミーアント、やつら固いし魔法も効きにくいから気をつけて」


ピノの注意を聞きながら、太郎は、鋭く踏み込むと比較的に柔らかいと思われる腹部へと突きを放つ。


キシィ


腹部に命中した切っ先は固い甲殻に阻まれ、きしむような音と甲殻の表面に傷を残して滑るように左へながれた。


「ギ、ギ、ギ」


アーミーアントは短い鳴き声をあげると、鋭い爪とトゲの生えた前足を太郎めがけて振るう。


太郎は左に流れた切っ先を引き戻すのではなく、槍を回すことで、前足を払う。

カシィン


固いものを弾く音がする。回転させた鞘割の刃が腕に触れたようだが、斬り飛ばすまでには至らなかったようだ。


それでも、半ばまで刃通ったのか、右の一番上の腕から紫がかった体液が流れだらりと垂れ下がっている。

細い部分なら切れそうだ。

太郎は、今度は頭を突くと見せかけて、体重をしっかり乗せてアーミーアントの右足に振りおろす。


ガギン!


まるで鉄同士を打ち合わせたような音がして、鞘割はみごとアーミーアントの右足を切断した。


「ピィギィィ、ピィピィ」

苦痛を感じているのか、甲高い声をあげ倒れる。


5本足でヨタヨタとバランスをとろうともがいているところを拝み打つように首を落とすと動かなくなった。


「アーミーアントを切れるなんてすごいやりだね。さっはやく逃げよう」


ピノが鞘割の切れ味に驚きながら、急いでこの場を立ち去るべく急かす。


ピノについて、太郎が走り出そうとしたとき、ざわりと空気が震えるような感覚がはしる。


たちまち、太郎とピノを囲むように30〜40匹のアーミーアントが現れた。

威嚇なのか大きな顎を交差させギチギチという音をだしている。

その音はしだいに大きくなり、いまや太郎に降り注ぐような音になっていた。


音の重圧に耐えているのか、脂汗を流し苦悶の表情を浮かべたピノが苦しそうに言う。


「合図したら、魔法で炎の壁をたてて防いで、助けを呼んでくる。死んじゃだめだよ」


包囲はじわじわ狭まっているようだ。


助けを呼ぶってピノはこの包囲を抜けられるのか?


太郎が疑問を口にするまえに、ピノが卵ぐらいの玉を地面に叩きつけた。


パン!


小さな炸裂音がして白い大量の煙が沸き上がり一瞬視界をふさぐ。

アーミーアントたちは煙をいやがるように少し囲みを広げた。

煙りで威嚇すれば、包囲をぬけられるか?

太郎の淡い期待は、海からの風により、煙りといっしょに吹き消された。


そして、ピノの姿も消えている。


太郎は、驚いたが恐らくピノが高レベルの潜伏をもっているに違いないと思いついた。


アーミーアントたちは、太郎だけでも逃がすまいと思ったのか、一気に包囲を縮めてくる。


「ファイヤウォール!」


太郎は炎の壁を出して縮められた包囲を広げるように威嚇する。


太郎の長い戦いが始まった。



どのくらいの時間がすぎたのだろう。


魔力も残り少なく、疲労もそろそろ限界だった。


魔力の減りかたを考え途中から炎の壁を消したりだしたりしていた。


炎の壁が消えると、アーミーアントが飛びかかってきたが、鞘割を振り回して遠ざける。


槍を振り回して体力がつきてくると炎の壁をだして休む。


これを繰り返してきたが、魔力も体力も回復が追いついていない。


とうとう体力が回復しきる前に魔力が厳しくなってきた。


魔力切れで気絶すると、確実に殺されてしまう。太郎は、戦うことを選んだ。


壁を消して槍を振るう。

今度は振り回して威嚇しない。威嚇を続ける体力は残されていないからだ。


次々と飛びかかってくるアーミーアントをいなし、交わし、首を狙って槍をはなつ。


意識が朦朧としはじめながらも、気力で戦い続けた。

その気力がつきかけた時、黒髪をなびかせ一陣の風が吹いた。


「助太刀するぜよ」


聞き覚えがあるような声とあやしげな高知弁が太郎の耳に届く。


包囲を破って斬り込んできたのは、大柄でしなやかに鍛えられた肉体をしたポニーテールの若い女性だった。

太郎には、その女性に見覚えがある。だが、なぜウィンディアにいるのだろうか?


「あぁ君の名は・・・」

お読みいただきありがとうございました。

今年最後の更新になります。

次回はお正月休みを頂きまして、1月11日に更新の予定です。

それでは、皆様よいお年を!

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