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平凡な男の平凡な転生  作者: みけ
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試し切り

ふぃ〜間に合いました。大雪にやられたので、少し短めです。

ひさしぶりに少し朝寝坊をした。

食堂で朝食をとろうとすると、ピノが準備万端で待ち構えている。


「タロウ、遅いよ!いつもはもっと早いのに〜」


ピノは夜明けごろからまっていたらしい。

慌てて朝食をかっこむ、喉につまったパンをスープでどうにか流し込むと急いで支度をする。


武器はアイテムボックスに入れておくが、防具は身につけた。スキーウェアの中にセーターなどで厚着した時のようなごわごわとした動きにくさはあるものの、動作が限定されるような感じはしない。


「おまたせ!さぁ行こうか」


ピノに一声かけてフライボードをとりだした。


「うわぁなんか、すごい服だね」


 ケブラー繊維に変換したシャツや手袋の色は、濃いグレイをしていて、その上に青黒い黒神鋼がのり、隙間から衝撃吸収素材のうすい青色がのぞいている。

正直、かっこいいかどうかは、微妙なところだ。実用性しか追及しなかったのでしかたがない。そして、ピノは防具と認識しなかったようだ。


「一応鎧なんだよ。動きやすくて防御力も高い、はずなんだけどなぁ。防御力については、あまり実戦で試したくないなぁ」


ピノの認識に訂正をいれておく。


「そうなの?まっ当たらなければ問題ないよね。ついてきて〜」


ピノはにっこりと笑うと走り出した。

そんなペースで長距離大丈夫なのか?というほどのスピードで走るピノの後ろをフライボードでついていく。

 時々勢いよく蹴りだせば、ピノのスピードについていくことに苦労はない。


 またたくまに南に向かう門へたどり着き、街の外へ出る。ハチドアは帝国軍に破壊されて以来、街を囲む壁の修復が終わっておらず、簡単な木の柵で囲っている状態だ。

森が近いために獣や魔物の侵入を防ぐためにしっかりとした壁が必要なのだが、復旧はあまり進んでいない。

王国は街を守るために、通常のモンスター討伐依頼に報酬を加算し、冒険者をより多く集めている。


二人は、門で簡単なチェックを受けて飛び出すように郊外へと向かった。


「敵影はっけ〜ん!ゴブリンかな〜♪」


小一時間ほど走ったあと、ピノが敵を発見した。


遠くに4、5匹のゴブリン達が小さく見える。まだ、距離があるのによく見つけたものだ。


「とっつげき〜☆」


ピノは、槍を背中から外し、嬉しそうに言いながら、スピードをあげる。

気づかれないように接近して不意討ちとかはしないんですね。


やれやれ、と思いながら、太郎も鞘割を取りだし後を追った。


ゴブリンは4匹。

棍棒、錆びた剣、片側の刃が大きく欠けた戦斧、曲がった槍を装備している。


ゴブリン達は、当然こちらに気がついてギャッギャと声をあげて迎え撃つようにこちらに向かってきた。


「左から二匹もらった〜」

ピノはさらに速度をあげて左端の曲がった槍を持ったゴブリンへと突撃する。


曲がった槍と欠けた戦斧がピノの担当というわけか。

太郎は、フライボードをアイテムボックスにしまい、右側の棍棒を持ったゴブリンへと向かう。


ゴブリンは、太郎の武器が槍であることから、胴体への突きを警戒してか、棍棒を振りかぶらずに人間でいえば鳩尾あたりに構えたままにしていた。


太郎は切っ先を左下に構えたまま突進、槍の石突き付近を握り踏み込んだ右足を軸に左回りに回転し右袈裟懸けにきりつけた。


ゴブリンは、驚きながらも、棍棒を掲げ槍を受け止めようとする。


通常の槍であったなら、柄の部分と棍棒が激突して棍棒が折れたとしても槍の勢いは止まるか大きく削がれたはずだが、太郎の鞘割は穂先の長い大身槍だった。

棍棒が当たったのは刀身の柄に近い部分である。


普通の剣であれば、柄に近い根元はあまり切れるものではない。


しかし、石突き近くをにぎり充分に遠心力をきかせ、回転により体重ものった上段からの回転斬りは、事も無げに棍棒を切断し、ゴブリンを両断した。


左肩から右脇腹にかけて分断された上半身が地面へ落ち、少し遅れて血を吹き出しながら下半身が崩れ落ちる。

ゴブリンは悲鳴をあげるまもなく絶命した。


ぽ〜ん♪ 「槍術を手にいれました!」


久々のゲセの報告を気にする余裕もないままに、錆びた剣を振りかざすゴブリンに対処する。


上段から叩きつけるように剣を降り下ろすゴブリンに、今度は、刃に近い部分を掴みそこを軸として下がっていた切っ先をはねあげた。


切っ先はゴブリンの両腕を肘から少し下の部分から斬り飛ばす。


両腕を失って唖然とするゴブリンの首を水平に薙いだ鞘割ではねて止めをさした。


一方、ピノは曲がった槍を持ったゴブリンに止めをさしたところである。


どうやら、最初の一撃を膝の上当たりにいれ、動きを鈍くしたところで、背後から人間であれば肝臓のあるあたりをさし、最後にいま、首のあたりを刺したようだ。


すばやく相手の死角に移動しながら攻撃している。


欠けた戦斧をもったゴブリンもピノに攻撃をしているのだが、かするどころか、近くすら通過させることができていない。


曲がった槍を持ったゴブリンが倒れたあと、大きく空振り体勢が崩れたゴブリンの膝の裏側をピノが突き刺す。


片足が不自由になったゴブリンの斧はますます鈍りほどなく、ピノが首を刺して止めをさした。


試し切りとしては、上々の結果である。


布で刃についた、血脂をぬぐったが、肩甲骨や背骨、腕の骨といった太い骨に当たったにも関わらず、刃こぼれはもちろん、刃先が鈍っているような様子もない。


満足のいく切れ味、耐久性を持っているといってよかった。


槍術もついたことだし、もっとモンスターを狩って経験をつんでおきたい。


ゴブリンの死体は討伐証明ようの牙をとって魔法で埋める。


「さて、次いってみよう〜♪」


ピノの明るい声が青空に響いた。

お読みいただきありがとうございました。

来週は遠出するので、お休みするかもしれません。

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