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平凡な男の平凡な転生  作者: みけ
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防具も作ろう

お待たせしました。今回もきりのいいところできりました。

 槍の銘は「鞘割」(さやわり)とした。鑑定してみる。


 鞘割+10

 究極、最上級、最高品質の槍。強い抗魔力を有する。


 ついに、自分の相棒となる武器ができた。

 すぐにでも実戦で試したい気持ちを抑えて、予備武器の作成に取り掛かる。長槍ではないが、狭い場所での戦闘になった場合使えないと考えた方がいいからだ。

 残してあった黒神鋼の地金を使い鍛えていく。

短めで反りは浅く、刀身を厚くこしらえる。鎧通しの短刀よりは長く反りがあり、ナタの半歩手前といった重厚な刀身を形作った。

刀を使う技術がつたない太郎でも、重厚な西洋武器と戦えるように、頑丈さと使いやすさを重視したのだ。

焼き入れの水には同様に錬金術を施し焼き入れを行った。

再び何かが発動したような感覚がある。二回目だからか、槍の時よりも少し余裕があったからか、「豪運」のギフトが発動していたことがわかった。

 研ぎあげると、不思議なことに鞘割とは反対に、深い青みを帯びた艶のある地肌にさざ波が打ち寄せるように黒い模様が入っている。

 銘は「青海波」(せいがいは)に決めた。


 青海波+10

 究極、最上級、最高品質の刀。水属性の魔力を有し刀身より水が滴る。


 あれ?水属性なんて付与した覚えはないが・・・村雨のイメージがどこかで入り込んでしまったのだろうか?

たしかに、メンテナンスフリーな感じの村雨はべんりそうだよなぁ〜っておもっていたけど・・・

できてしまったのは仕方が無いので、太めの長い柄をつけ、鞘もつくり完成させる。

刀身はしっとりと濡れているが、魔法の水らしくこぼれることはないようだ。村雨と同じなら錆びたりしないだろう。


 次に防具を作る。槍で怖いのは、こちらが繰り出した槍を受け流しざまに、槍にそってさかのぼるように小手へ切り込んでくることだ。

だから、まず太郎は手甲を作ることにした。

防具は、錬金術を多用して前世の素材をつくり複合させてつくる。

 ベースは、肘まで包む長さの革の手袋に錬金術を施して、ケブラー繊維のような防刃効果のある材質の手袋を使う。

それに同じく、限界ぎりぎりの魔力を消費して作りためておいた、衝撃吸収材を手の甲側に縫い付けていく。この緩衝材は、スポーツ用の靴などに使われている素材をイメージして作った結果、二階から生卵を落としても割れないぐらい優秀なものが出来上がった。

最後に、黒神鋼を薄い板にして衝撃吸収材の上に縫い付けてる。腕の外側の部分は特に厚めに、攻撃を止めたり流したりできる小盾としてもつかえるように、ちいさな張りだしとふくらみをもたせる。

 次は、鎧だ。ウィンディアで一般的な鎧は、金属か革等か材質の違いはあっても、前面の胸、腹、側面の腹、背面の胸、腹、左右の肩当てぐらいのパーツにしかわかれていない。こういった鎧だと重たいうえに動きにくかった。だから、多くの冒険者や戦士は、回復魔法があるということもあって、盾はもつが鎧は着けない、あるいは胸の部分だけをつける者が多い。

なんとか動きやすさと防御力の両立した鎧をつくりたかった。

まず、ケブラーのベストをベースに、衝撃吸収材と黒神鋼の板を張り合わせていく。

胸部は板と衝撃緩衝材の間にすきまを作り、6枚の板同士を重ね合わせ、スライドするように作ることで、胸を張ったりすくめたりする動きに対応できるようにした。腹部は、もっと細かく小さな板を少しずつ重ね合わせるようにつくり曲げたり伸ばしたりできるように作る。

肩あて、二の腕、兜、ズボン、ブーツといった部分も同様に動きを阻害せず、かつ刃を通さないように工夫をかさねて作り込んでいく。

何度か試着し、調整をくりかえして防具一式を一通り作り終えたころには日がとっぷりと暮れていた。


 鞘割、青海波、防具一式をアイテムボックスに収めると宿へ帰るとすでにピノは戻っていて、一階の酒場で夕食をとっている。


 「おふぁへぇり♪タロウ!今日は早かったんだね」

 大きな肉にかぶりつきながらピノが満面の笑みで迎えてくれる。


 「やっと完成したんだよ。あした実戦でテストしたいから付き合ってくれるかな?」


 ピノと同じステーキ定食を頼みながら太郎は席に着く。


 「よろこんで!じゃぁ明日にそなえて、しっかり食べなきゃ!もう一枚追加!」

 かなりの大きさのステーキなのだが、またたくまにたいらげてピノが追加注文をだす。

まったく、小さな体のどこにそんなにはいるのだろう?


 「おまちどうさま、パンとスープはあっちにあるからご自由に」


 ハスキーボイスの女将が鉄板にのせられたアツアツの大きなステーキを運んできた。

 宿の名前で「だみ声」なんて謙遜しているが、ここの女将の唄声はまさにセイレーン級だ。たまにしか歌わないが、独特のハスキーボイスでしっとりと歌う彼女の唄は聞きごたえがある。

 出てきた巨大なステーキは、表面はカリカリと香ばしく少し焦げ目がつき、それでいて軽くナイフが通るほど柔らかい。

しっかりと焼かれた外側にたいして、肉の中心部は赤みがのこり、ほんのりと火の通ったレアに焼きあげられていた。

ほおばると肉汁がじゅわぁっと口中にひろがり脂肪の甘さと赤身のうまみが調和して心地よい旨味が噛み応えとともに舌を喜ばせる。すこし、強めに振られいる塩味もまた絶妙だ。

 

 「いい、ミノタウロス肉がはいったからね。たっぷり食べてっておくれよ」


 肉の美味さに感動していると、その表情をまんぞくげに眺めていた女将さんは素敵な声で、そういい残して厨房へもどっていった。

 ミノタウロスの肉だったのか、牛肉よりも味が濃い感じで非常においしい。すき焼きがちょっと恋しくなった。実戦テストがおわったら作ってみようかな?


 そんなことを考えながら、太郎は美味しいお肉をたっぷりお腹いっぱい食べ、明日の英気を養うと早めにベットヘもぐりこむ。

鍛冶の緊張から解放されたからか、吸い込まれるように眠りへと落ちていった。

お読みいただきありがとうございました。

美味しいステーキが食べたいです。

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