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平凡な男の平凡な転生  作者: みけ
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指名依頼

お待たせしました!お気に入りが30件を越えました!いつもありがとうございます!!

 夕暮れせまり薄暗くなったころ、太郎とピノはギルドに戻ってきた。

『おかえり♪おそくまで頑張ったのね。お客様がまってるわよ』


ギルドには他の職員ももどってきていたが、支部長のプレラみずからが出迎えてくれる。

薬草の買い取りはあとにして、プレラについてラウンジへ行くと、待っていたのはレトリー準騎士だった。

『まったすよ〜。タロウさんにぜひやってほしい依頼があるっす』

レトリーは蜂蜜色の髪をゆらし飛びつくようにやってくる。

『大きなアイテムボックスを持つタロウさんにぜひお願いした運搬の依頼っす。荷馬車をしたて物資を運ぶとなれば、最低でも3日、道の状況や天候によっては5日はかかってしまう。騎士団からタロウさんに指名依頼っす』

レトリーの依頼は、涙河をくだり海に面した港町ハチドアに物資を運搬するというものだった。

先日、王都から襲撃した王国軍が帝国からハチドアを奪還したのだが、帝国軍により略奪蹂躙されており、食料品、医薬品などを含めた物資がきわめて不足しているという。王国軍のもっていた兵糧を使い炊き出しを行っているが、十分な量とはいえず、また、ほかの街を解放するにも支障がでるため、王都から急遽支援物資をおくることになったのだった。

本来、船を使い涙河を使って下れば1日で到着するのだが、帝国軍が王都とハチドアを分断するために、河に柵や杭、網などで封鎖しているため陸路を往くしかない。荷馬車をしたて物資を運ぶとなれば、最低でも3日、道の状況や天候によっては5日はかかってしまう。

そこで、アイテムボックスを持った冒険者を複数雇い、荷馬車隊に先行させ急をしのごうというわけだった。

『馬を走らせれば、2日かからずにつくっす。タロウさんならたくさんの物資を運べるとおもうので、ぜひお願いしたいっす。報酬は1日1大シルっす。往復で4大シルは保証するっす。馬もこっちでよういするんでお願いします』

レトリーは拝むように頭をさげた。

『馬に乗ったことがないのですが大丈夫でしょうか?』

どのぐらいの物量がアイテムボックスに入るのか、試したことはなかったが、心配なのは移動手段であった。前世では、観光牧場の引き馬でトラックを1周するぐらいしか馬に乗った経験はない、急ぎの旅を馬で走る自信はまったくない。

『護衛の騎士が同行しますので、後ろにのせるっす。じっとさえしていてくれたら、大丈夫っす』

レトリーの笑顔にほだされて依頼を受けることにする。くわしく聞いてみるとピノの分も馬と報酬を用意してくれる太っ腹だった。


明日の早朝迎えに来るというレトリーとわかれて、カウンターで薬草を引き取ってもらう。

丁寧に掘ったので、状態と鮮度がいいので1本1コパで引き取ってくれ、全部で1シルと少しの収入となった。薬草採取では、もう少し量をとるか、貴重な薬草を探さないと生活は大変そうである。


早々に宿に帰って休み翌朝、夜明け前に迎えにきたレトリーに案内され城の中庭にはいると10人の冒険者と、5人の騎士が、途方にくれていた。


中庭には、木箱、樽、麻袋などにいれられた物資がうずたかく積まれている。所々に、非常用、防災備蓄品と漢字で書いてあるのが不思議だ。


『すごい物資っすね〜、まだ、こんなに蓄えてあったんすね』

レトリーも驚いているようで、ぺたりとした耳がすこし起き上がっている。


『魔法文字が書いてあるあるだろ。山の奥に隠されたユーブリックの禁庫を開けたらしいぞ』

レトリーの先輩らしい騎士が答える。


『ほぇ〜禁じられた倉庫をあけたんすかっ。ところでラッシュ先輩、荷物はまだ納めてもらってないんすか?』

レトリーは感心しながら、さらに問いかけた。

ラッシュ先輩と呼ばれたさきほどの騎士は苦虫を噛み潰したような顔で答える。

ユーブリックの禁庫とは、魔導王ユーブリックがその秘術をもって封じた倉庫で非常の時以外にいたずらに開くと大いなる災いが起きるといわれている、とピノがこっそりと教えてくれた。


『ここにいる5人には、もう限界まで納めてもらった。あとはお前がつれてきたやつだけだ』


ラッシュはため息まじりにまだ山のようにある物資を見上げる。


アイテムボックスを持つ冒険者をもっと集めたかったのようだが、先の戦場片付けで多くのものが限界ちかくまでアイテムを所持していて、引き受けてくれたのは、5人だけだったのだ。

収納できたのは、全体の3分の1程度のようである。

『しかたがない、こうなっては、運べるだけ運んで残りは折り返すことにしよう。人数が集まらなかった分、馬には余裕がある。替え馬をつれて全力で走ろう』

ラッシュ先輩は、この任務にあたる騎士のリーダーらしくテキパキと指示をとばす。

嘆いていても、荷物は減らないし冒険者は増えない。常識で考えれられる次善の対策を考えて指示するラッシュはなかなか有能な男のようだ。


(ゲセ、これぜんぶ入るかな?)

ポーン!(余裕ではいります)

(まとめて出し入れできるように管理できるかな)

ポーン!(了解!運搬物資としてまとめて収納します)

(ありがとう)

どたばたと支度を始める騎士をよそに、タロウはゲセに確認と指示をして、アイテムボックスを使った。


『収納、しましたよ』


一瞬で消えた大量の物資に驚き皆が呆然とするなかでピノだけが楽しげに笑っていた。

お読みいただきありがとうございましたm(__)m

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