夢の終わり
やっぱり一回でも休んだらダメですね
せめてこの章の終わりまでは頑張って投稿し続けます
「キーウキキーウキ ウキキーウキウキ ウキウキ キーウキキーウキキー ウキキーウキ ウキキー!!」
『夢電車』は恨みのこもった眼で睨みつけながら、アタルたちに襲い掛かる。
それに対してアタルは、電車に『雨宿り』を向けて周囲に指示を出す。
「みんな離れて、隙を狙ってくれ!! 『暴風来』!!」
アタルの『暴風来』により、『夢電車』は全身を引き裂かれながら吹き飛ばされていく。そんな中『夢電車』は、目じりに涙を貯めながら恨めしい目で睨みつけていた。
「ウキキーウキ ウキキーウキキーウキ ウキキーウキキーキー ウキウキ……」
血走った目でアタルを睨みつけながら、とうとう『夢電車』の瞳から涙が零れ落ちる。
アタルの目には、その光景がやけにゆっくりと映って見えた。
「ウキキーウキ ウキキーウキキーウキ ウキキーウキキーキー ウキウキ、キーウキ ウキウキ キーキーキー キーウキウキキーウキ キーキーウキキーキー キーキーキーウキ ウキキーウキキーウキ ウキキーウキキーキー ウキウキ ウキウキウキキー キーキーキー ウキキーウキ ウキキー ウキウキキーキー!?!?」
「「『陰陽術:土克水』!!」」
『夢電車』の悲痛な叫び、言っていることは分からなくても、その感情だけは痛いほどアタルに伝わってきたのだ。
そんな中、フレイムとお嬢が『夢電車』の着地地点に『陰陽術:土克水』を展開する。するとタイルの床はドロドロの泥と化して、着地した『夢電車』をからめとった。
「よし! 今のうちに……」
「ちょっと、待ってくれ」
動けなくなり呻く『夢電車』に追撃しようとするローリエたちを、アタルが手で制する。
不思議そうにする彼女たちをしり目に、アタルは『夢電車』に近づいていく。
「『修復』『霊術:霊傘』」
『雨宿り』を直した後に、半透明の傘を出現させる。
そして、沼から抜け出そうと足掻く『夢電車』の目の前までたどり着くと、アタルはその手に持つ半透明の傘を『夢電車』に差し出した。
「ウキキーウキ ウキキーウキキーウキ ウキキーウキキーキー ウキウキ……?」
「たぶん俺たちには、お前の望んでいることを叶えることはできない」
不思議そうに首をかしげる『夢電車』に静かに語り掛ける。
或いはそれは、一種の懺悔のようなものなのかもしれない。
「お前たちが何を望んでいるのかはもちろんわからない。だが、きっとそれは俺たちにとって無理なことで、きっとお前たちとは相いれない存在なんだと思う」
「それでも、生まれながらに憎しみ続けているお前が、最期まで憎しみ続けるのは見てられないんだ」
「自分勝手なのはわかっている。でも、どうか受け取ってくれ」
「……」
アタルの言葉に、『夢電車』は静かに涙を流す。
そして差し出された傘を受け取り、徐々に光の粒子へと変わっていく。
「キーキーキーウキ ウキウキキー ウキキーウキウキ……」
「キーウキ ウキウキ キーキーキー キーウキウキキーウキ、キーキーウキキーキー キーキーキーウキ ウキキーウキキーウキ ウキキーウキキーキー ウキウキ ウキウキウキキー キーキーキー ウキキーウキ ウキキー ウキキーウキキーウキ キーウキ ウキウキ……」
諦めたかのように何かを呟く『夢電車』。
その姿は、どこか付き物が落ちたかのようにも見えた……
「ウキキーウキウキウキ キーキーキー ウキキー キーウキキーウキ キーキーウキウキキー ウキウキキーウキウキ ウキキーキーウキ……」
「ウキキーウキウキ ウキキー キーキーウキウキ ウキウキ ウキキーキーウキ キーウキウキウキ」
「キーキーキーウキキー ウキウキウキキー ウキウキ ウキウキキーウキ ウキキーウキウキ ウキウキウキキー キーウキキーウキ ウキキー キーウキキーキーウキ」
そういってアタルたちの方を見つめていた『夢電車』は、光の粒子となって消え去ってしまった。
その場に残されたのは大きな結晶と、ローリエの足を切断した際に使用された大きなノコギリだけだった……
『レインコート』(雨野 中)
HP7/33 MP0/19
術式 『霊術:霊傘』『霊術:雨乞い』『霊術:雨上がり』
状態 『川の主の寵愛』『救済対象』 繝サ縲手オ、縺?岑縺ョ蜻ェ縺?? 繝サ縲主セ。菴ソ縺?巨縺ョ邏?據縲
『夢電車の解体鋸』
夢電車が人間を解体する際に使用する巨大な鋸。その乱雑な刃は筋繊維と神経を巻き込み、苦痛を増幅させる工夫が施されている。
裏切られたと憎しみを募らせたサルたちは、人間たちを苦痛の限り弄んだ後に破滅させようと望み、その憎しみが具現化された呪具。
その鋸の腹の部分には、サルたちの言葉で『人間たちに苦痛あれ』と刻まれていた。しかし最期に少しでも歩み寄られた夢電車は、その心証を少し変化させた。
今、その鋸に刻まれている言葉は、変化している。
『人間たちに苦難あれ』




