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乱戦

「たぁすけなきゃあぁ!!」


 突如乱入してきた『メサイアコンプレックス』が、そのまま一直線にローリエへと向かって走っていく。


 しかしその目の前で、フランシーヌが立ち上がっていた。


「逃げろ、フランシーヌさん!!」


「じゃあまあぁぁ!!!!」


「ぐあっ!?」


 そして『メサイアコンプレックス』は腕を振るって思い切りフランシーヌを吹き飛ばすと、そのままローリエの所まで向かっていった。


「ぐああぁぁぁああ!!」


「じゃあまあぁぁ!!!!」


 しかしそれを、『動き出した歯車』が受け止め、取っ組み合いになる。力は拮抗しているように見えるも、よく見ると『動き出した歯車』が徐々に後退していた。


「キーキーウキキーウキ ウキウキ キーウキウキキー!!」


 そこに『夢電車』も乱入し、その場は一気に混とんと化していた。『夢電車』は『メサイアコンプレックス』の横腹に突撃するも、少し体勢を崩しただけに終わった。そして『メサイアコンプレックス』は取っ組み合いになっている『動き出した歯車』ごと腕を振り回し、『夢電車』にぶつけた上に周囲に群がる怪異たちも吹き飛ばしていく。


「たぁすけられなぁいでぇ、しょうがああぁぁぁああぁぁ!!!!!!」


 絶叫する『メサイアコンプレックス』にその場のすべての怪異がひるむ。


「頼む、『濡れ羽鴉』! ローリエさんをこっちに連れてきてくれ!」


 勝手に争っている怪異たちを見て、アタルはその隙を突いて『濡れ羽鴉』に救出に向かわせた。


 そのまま『濡れ羽鴉』はローリエを引きずりながらこちらに戻ってきて、何とか彼女を助けることに成功する。


「みんな、大丈夫か!? とりあえずこの場から離れるぞ!!」


「りょ、了解!! 『陰陽術:水克火』!!」


 フレイムは目くらましの煙幕を張ってそのまま『衣替え』たちのいた吹き抜けのある巨大なスペースへと向かっていった。


「とりあえずここなら…… くっ」


 しかし、そこに待っていたのは大量の『衣替え』たちであった。


「頼む、待ってくれ!」


 それらは思い切りアタルたちに突っ込んで来ようとするところを、アタルが必死に制止をかける。すると『衣替え』たちはその場で動きを止めて、アタルたちを伺うように漂い始めた。


「今仲間が怪異にやられて大変なんだ! 少しだけ匿ってくれ!」


 そう伝えると、『衣替え』たちは頷くような仕草をした後にアタルたちがやってきた方向へと向かって飛んでいった。


「助かった……」


「いや、まだだ! 早くローリエさんを治療しないと!」


「でも、『治療』しても治りが遅いんです!!」


「なっ!?」


 少女がローリエを治療するも、いつもならすぐ治る噛まれた傷跡が、徐々にしか治っていなかった。


「くそっ、HPも全然回復しねぇ!?」


「とりあえず、ゼリー飲料を食べてみて!」


 ローリエのHPは0/11と表記されていた。アタルはその数字を見て、あることに気が付く。


「……まずい、HPが食われている」


「えっ、HPが食われる?」


「ローリエさんのHPの最大値が減ってる分だけ、さっき姿が変わった『腐った歯車』のHPになっていた」


 ローリエにかみついた瞬間に姿の皮った『腐った歯車』…… 『動き出した歯車』のことを思い出すアタル。


 すると、衝撃音と共に先ほどアタルたちが通って来た通路から、ボロボロの『衣替え』たちが吹き飛ばされてきた。


「なっ……!?」


「はぁやぁく、たぁすけなくちゃあぁ!!!!」


 そこにいたのは、無傷の『メサイアコンプレックス』であった。のしりのしりと歩いてくるその足には、ボロボロの『夢電車』と『動き出した歯車』が食らいついていたが、それを意に介している様子はない。


「畜生!? どうすれば…… えっ?」


 アタルたちのすぐに逃げ出そうとしたその時、影が遮る。


 アタルたちが思わず上を見上げると、そこには巨大なコートが浮かび上がり、『メサイアコンプレックス』めがけて突撃していた。


「まぁあたじゃまかあああぁぁぁ!!!!????」


 『メサイアコンプレックス』は『夢電車』と『動き出した歯車』を引きずりながらそのコートに向かって突撃していく。


 巨大コートは大量の『衣替え』を引き連れながら『メサイアコンプレックス』に突撃し、数多くの『衣替え』たちが撃ち落されていく。


「くっ、すまない、『衣替え』たち……!!」


 アタルたちは『衣替え』たちが『メサイアコンプレックス』を足止めしている間に急いでこの場から離れる。


 その背後からは、壮絶な戦闘音が響いていた……






「……うぅ、ありがとう。もう大丈夫よ」


 ローリエの負傷を治療しながら、必死に駆け回ること数時間。ようやくローリエのHPが回復した。


「よかった、本当によかった……!!」


 あれから何度もローリエを狙う怪異たちとの戦闘を行ったが、何とかそのすべてを退け、守りきることに成功した。


「みんな、迷惑かけて本当にごめんなさい」


「良いんですよ! こうして生き残れたんだから……!!」


 少女は涙ぐみながらローリエに抱き着いて回復を祝った。他の全員もそのことを喜び、安堵の声を漏らしたが、アタルだけは険しい顔をしていた。


「みんな、悪いけど喜ぶのはもう少し後になってからだ」


「えっ、どうして…… っ!?」


 アタルたちの目の前に現れたのは、『夢電車』であった。


 あれからどうやって『メサイアコンプレックス』から逃れたのかはわからないが、その体はボロボロで、車両も一両だけになっていた。


 おつきのサルたちもどこにも見えず、初めて会った恐ろしさは見る影もないが、その恨みのこもった眼光だけは衰えていなかった。


「まずはこいつを倒そう、話はそれからだ」






 『レインコート』(雨野 中)


 HP14/31 MP1/18


 術式 『霊術:霊傘』『霊術:雨乞い』『霊術:雨上がり』


 状態 『川の主の寵愛』『救済対象』 繝サ縲手オ、縺?岑縺ョ蜻ェ縺?? 繝サ縲主セ。菴ソ縺?巨縺ョ邏?據縲       


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