27話
農作物たちは芽をだして、順調に育っていった。一番に収穫できたのは、耕して肥料を加えて育てたアオグサだった。腐りやすいが1か月程度で育ったので、これで1月2月でも育つなら、やる輪作の間に挟むと丁度いい感じになる。
その後も、肥料を与えて耕した植物が最初のほうに、いつも道理に育てていた植物は最後のほうに芽を出して、成長していった。収穫量も肥料を使っているほうが多く、育ちもよかった。しかしサツマイモは、肥料がなく硬い土のほうが育ちが良かった。
実験も成功したし、荷車も活躍したし、ワイは満足した、と気を抜きたいところだが、もう1つ山がある。みんなの前で、今回の成果を話さなきゃいけないんだよな。村人全員の前で、長いことば話すとか私には厳しい。前世でも班の発表か地獄だったな~。
「ザシィ、トト、ヘルデでもいいから、発表変わって~」
「木盤運ぶのは僕らでもするけど、これ考えたのはミアだし、発表するのも褒められるのもミアじゃなきゃ」
皆そうだそうだと頷いてくる。はぁ、やんなきゃダメか。しぶしぶ覚悟を決めて、集まっている村人全員の前に出て、結果と成果、これからやる予定の輪作について話した。
「い、今話したことが本当か確認したい方は、この木盤を読むか、ババ様が証言してくれるはずです。これで、発表は終わりです」
「「「…」」」
終わるころには、ババ様以外の大人は、ぽけーとしてしまっている。私何かやらかしたか。噛んだ回数も一桁に抑えたはずだし、間違ったこと言ってなかったはず。不安できょろきょろしていると、パパが質問してきた。
「その木盤に何か書いていたのは知っていたが、そこまで詳しく書いてたんだな。書くのに参加していた大人は誰だ?」
「ババ様ぐらいかな」
「わしは、ほぼ見守っておっただけじゃよ」
「じゃあそれは、子供たちだけで作ったということ」
「そうだよ。私、何かまずいことした?」
「まずいも何も、計画して、指示も出して、村を助けるほどの成果もだした。うちの娘の成長が、早すぎるー」
パパは、大きなため息を吐きながら、手で顔を覆うと、みんな一斉に拍手やら誉め言葉やら隣のやつと話しだした。
「ど、さっきのはどゆこと」
「みんな、ミアがすごすぎて、今まで反応できなかったってことよ」
「そうじゃ。皆、ミアがその歳ですごい過ぎることをしたことに、最初は驚いたんじゃ」
「でもババ様は、それにパパは顔覆ってるし」
「わしは、知ったとき皆と同じ反応をしてしまったら、面白くないじゃろ。ダグラスだけ反応が少し違うのは、自分の娘が急激に大人になっちゃヤダ、甘えてこなくなるのヤダ、といったところじゃな」
ババ様それはびっくりするから、今度から教えてほしい。パパは、いつも通りの親バカで、へこんだのか。なっとく。
その後もなかなか落ち着くことはなく、字がよく読める者は木盤を読み、質問が飛び交い、パパを慰めた。
「そうだ。みんな、手伝ってくれてありがとう。発表も含めて成功し出来たのも、みんなのおかげだよ」
「「「いやいやいやいや」」」
なんで今日、そんなに反応が合うの⁈。その後についた言葉は、バラバラでなんて言ってるかわからなかったが、大体褒めてくれていたと思う。
ママには、落ち着いて家に帰ってから、いっぱい褒めて撫でてもらえた。前世から、努力しようが成功しないこともあることを知っているから、努力が実を結んでほっとした。ほんと、みんな協力してくれてよかった。
次の日、パパたちが育てた野菜を隣村に持っていった。この前借りた分を返すためだ。返すと言っても、2回に分けて返すので、私たちの食料はプラスのままだ。返すことに関しては食べ物の量と種類が増えるーしか考えてなくて、言われるまで忘れてたわ。向こうでもサツマイモ受け入れられるといいな。
手伝いも終わって、木の上でのんびりまっていると、パパたちの班が帰ってきた。
「おかえりー、サツマイモどうだった?」
「ただいま、大丈夫だったぞ。村長に食べさせて、安全を確認させたからな」
「おぉ、それはよかった」
ベルクさん無理やりパパに食べさせられたのか。多分、私の話もいっぱいきかされたんだろうな。お疲れ様です、ベルクさん。心の中で謝りつつ、サツマイモが受け入れてよかったと思った。
パパも帰ってきたし、もうそろそろかな。私は近くに積もっていた焦げた葉の山の中から、焦げたサツマイモを取り出す。結構あっつい。折ってみると、湯気がぼわっとでて、中までちゃんと火がとおっていた。
「なんだそれは?」
「焼き芋だよ。はい、これパパの分」
半分に折った片方をパパにあげて、一緒に食べてみると、甘くてほくほくしていてとてもおいしい。前世で知っている焼き芋の味がした。中身黄色だったら、そのままサツマイモだたけど、味は一緒だしそこは気にしなくていいか。
割ったときの匂いにつられてきたのか、いろんな人が村のあちこちから広場に集まってきたので、そのまま追加の焼き芋も作って、焼き芋パーティーになった。




