26話
毎日、手伝いをしながら、クロスケとモミジの餌の狩り、育てる植物の選定と採ってきたものの情報について木盤に書く、種植えに必要な道具を作る、筋トレ訓練と、いろんなことをしていたら、収穫が終わり、夏の種植えの日になった。
いつも通りの種植えが終わり、さっそく実験をすることにした。パパにちゃんと、今は使っていない畑の使う許可は取ったので、私たちの自由に使える。今回新たに育てることになったのは、サツマイモとアオグサ。サツマイモは中まで紫なイモで、アオグサは年中森で見るし、青いが苦みが少ない草なので、この2つをいつものものと育てることにした。
まずは、地面を素手で掘っていって、耕す。その後、棒と棒に紐を付けた物を地面に刺して、紐をぴんと張る。その紐についている印を目印にして、等間隔で植える場所を決めて植えていく。植える際に、硬いほうにもクロスケなどの、糞を混ぜた土を入れていく。
最近、住むことが確定して、皆にも紹介されたホーンも手伝ってくれているので助かる。名前に関してだが、本当の名前は教えてくれないので、このまま私が仮で決めていた名前のままで行くことになった。ちゃんと考えればよかった。
最初耕しているときは、耕さず育てる場所に、等間隔で種や半分に切ったイモを植えていって、効率的に作業していった。土だけになりながら、遊びで掘っているクロスケがかわいかったし、食べ物が増えるかもしれないからとドドイはいつも以上にガチってた。種植えの後、何も仕事がなかった大人も加わってたおかげて、どうにか夕飯前に終わった。次の日も、終わらなくて作業する予定だったからよかった。
次の日から、毎朝畑に行って、植えてから最初に芽が出るまでの日数、10個芽が出るまでの日数、育ち切るまでの日数、天気をそれぞれ、種類・条件ごとに分けて木盤に記入していく。記入した木盤は、帰った子供たちが使っていた家に置ける棚を作ったので、そこで保管する。記入間違いや、もしもモンスターにあったことを考えて、3人組で観察する。1日ごとに1人づつ交代していく制度にして、前の日の夕飯に明日誰か確認しあうということになった。
「まあ、植えて次の日に生えないよね」
「そりゃーそうだよ」
道のりは長いな。でもこれで後は、観察と必要に応じて水あげと網の整備だけなので、1つの山は越した。少し休息を挟んだら、次の計画について考えよ。
「また新しいこと考えてるの?」
「うん、現実になるかはわからないけどね」
「ミアならできるよ」
「ミアはいろんなことできるもんね」
ザシィもトトも嬉しいこと言ってくれるじゃん。朝からルンルンで朝食をとり、家に帰って、最近習慣にしているモミジの羽を動かす。飛ばない鳥にしないためにも、感覚を刺激するために羽を動かすようになったが、効果があるかは分からない。しないよりは、マシであってほしい。
ご飯を与え、しばらく動かした後、クロスケを連れて広場に行き、とった繊維の草から繊維を出だす作業の手伝いをする。この作業は結構好きだ。作業が好きというか、ママたちが歌いながら作業するのを聞いたり、一緒に歌ったりするのが好き。途中からクロスケも歌に参加したりもして、今回も楽しく終わった。
ただ観察して過ごすだけではなく、あったら便利そうなものを作っていった。
1つ目は、長さを均一にするために、大体こんぐらいだろと1cmを決めて定規を作った。それを基準に紐に印をつけて、巻き尺を作った。
2つ目は、くしにを改良して持ち手を付けて作り直した。日本風のくしから洋風の櫛になったし、これも隣村にまで伝わった。
3つ目は、道具ではないが、槍を改良した。今までは棒の先を尖らせただけだったが、前使っていた牙を紐と接着材で先にくっつけた。これで突くと切るという攻撃ができるようになった。これを作ったら、トトが喜んでずっと持ち歩くようになってしまったので、出っ張りを作って、紐で止めて背負えるようにしてあげた。
そして今日は4つ目になる、荷車を組み立てて完成させる。収穫が上がったとき、運ぶ手段が背負い篭だけなのは、時間がかかりすぎる。だから、丁度逃げるとき持ってきた馬車があるし、構造をまねして荷車を作ることになった。獣人は力つよいだろうし、結構積んでも変わらず運べるよね。
「今まで準備してきたぱ、ぱーなんだっけ」
「パーツですよ」
パーツが結構浸透してきたな。みんな、私がパーツパーツ言うので、最近真似して言うようになった。他にも、ナイスも浸透してきている。1人だけ、よくわからない言葉を、しゃべってるってことにならなくていいもんね。それにいろいろ作っていたら、頼めばどの大人たちも、暇なら手伝ってくれるようになった。嬉しいし、助かる。
「そうそうそれだ。全部のパーツを、広場に運び終わった」
「ありがとうございます。大体はくっつける同士を隣り合わせてます。ちゃんと木盤に描いた図面を、見ながらA班B班に分かれて作ってください」
「「「はいよ~」」」
「ベツキさんは、基本A班ですが、B班がうまくいっていなかったらそちらも手伝ってください」
「わかった」
ベツキさんは狩りは苦手だが、村の中で一番器用で皮剥ぐのがうまく、切れた服を直すのも上手だ。一番最初に興味を示して、一緒に作り出した獣人でもある。ベツキさんが作ったくしは、歯の間隔が揃っていてきれいだったな。
A班B班共に、あーだこーだ言いながら作っていたら、完成した。子供3人乗っても壊れないし、大人の手の高さと押す棒の高さが大体あっている。ちゃんと車輪も回るし、初めてにしては上手にできた。皆にありがとうと感謝を述べて解散となったが、ほとんどが、達成感でそのまま広場で話しをしていた。荷車も作ったし、ますます収穫が楽しみだな。




