24話
第一陣が帰ってきてから数日して、第二陣が出発した。これで、ホーン以外の子が村に帰ることになる。見送った後の村は、静かに感じた。
ホーンはと言うと、コツビ族とは教えてくれたが、どこに住んでいたのかヒントすらくれなかった。帰る場所もないようだし、まだ残っている。というか、私はこのまま残って、村に住んでもらおうとしている。考えてみろよ、顔や手足は人間に近いが、美少年系獣人。一緒にいて癒されないなんてことないんだよな~。
帰りたくないって言ってるし、この村に住んでもらえばと提案をしている。しかしババ様は、フォル族の例があるとはいえ、村の者が受けいれられるのかが心配なようなので、まずは同年代でしょと、友達も含めてお話を何回かしている。犬歯があって食もこっちと似ていることや、花や植物が好きなようなので、薬の作り方を教えれば村のためにもなると推している。
ただ、ホーンあんまりリハビリしないし、食べないことあるって、ババ様が言ってたからな。それにまだ、他人行儀なところもあるし、もっと仲良し度上げれるように頑張らなきゃ。
「ミア、ぼーっとしてますけど大丈夫ですか?」
「え、うん。ちょっと考え事してた」
「ならいいんです。もっとクロスケやモミジについて聞かせてください」
いかんいかん。本人を前にして考えることじゃないな。動物好きなところも、高得点だよな。みんなと一緒に遊んでるところみたいな。
「そうだよ。ホーン、歩けるようになったら、クロスケとモミジに会いにくればいいんだよ」
「ですがこのまま僕は…」
「僕は?」
そのまま、黙ってしまったので、慌てず次の言葉を待った。ホーンは、さっきとうって変わって、つらそうな顔をして話し出した。
「僕は、このまま緩やかに死ねたらなと思っていました」
「なんで」
「最初話したとき、僕の見た目がいいって言いましたよね。僕の村では子の見た目で女みたいと、言われていました。くわえて花や草が好きで、弱いのでどこの仲間にも入れず、親にも強い弟と比べられていました」
悲しいな。全員仲良しは、ある意味地獄だが、村に親すら見方がいないのはつらい。
「別にしょうがなかったんですよ。僕の村の考えでは、強い者が正義ですし、リーダーです。僕とか論外中の論外でした」
「そういう考えの村だったのか」
「はい。それでも、僕のおばあちゃんだけは仲良くしてくれてました。しかし、大人たちが人間を襲いすぎたのでしょう。ある日、人間がやってきて、村が襲われました。みんな戦う中、僕はおばあちゃんに連れられて逃げました。途中人間にあってしまったので、おばあちゃんは僕だけを逃がしました。そのまま、倒れるまで走って、気づいたときには、檻の中にいました。敵から逃げてしまいましたし、おばあちゃんも置いて行ってしまったので、そのまま死ねたらなと過ごしていたら、助けられて無意識に飲み食いをして、回復してしまいました」
「大変だったんだな。辛ければ泣いていいんだよ」
抱きしめて肩を貸してあげると、ホーンは泣きだした。最初の時にした質問、本当に地雷中の地雷だったのか。それに、強さですべてが決まる族もいるのか。うちの村は、強いのもそうだが、責任感や性格もみて、みんなで話し合って決められる。リーダーになってきた者たちが、ただ力の強いだけだったのが、不運であり、村の壊滅をうんだのだろうな。
ひとしきり泣いたのか、収まってきたので抱きしめるのをやめて、椅子に戻った。
「聞かせてくれてありがとう。聞いただけの私には、すべて理解はできないだろうが、つらくて大変だったことは分かったよ。せっかくおばあちゃんが救ってくれた命だし、生きてみようよ。ここは、その村とは違うし、世の中にはいろんな考えがある。気に入れば、ここで住んでもいいよ」
「生きてもいいの?。住んでもいいの?」
「おばあちゃんも、生きてほしいから君だけでも逃がしたんじゃないかな。住むに関しては、ホーン次第だよ。死亡願望があって、ただごはん食べる人を受け入れるわけにはいかない。あとは、会話できるし大丈夫かな」
「強くなくてもいいの?」
「強さがすべてじゃないよ。流石に歩けないとかは困るから、訓練しようね」
「わかった。がんばります」
うわっ、美少年の笑顔眩しすぎ。
リハビリについてと、違う考えについて話していると、ババ様がお昼を持ってきた。私も食堂に行くかと、部屋を出ようとしたとき、ホーンに呼び止められた。
「ミア、友達になってくれませんか?」
「え、もう友達でしょ。全部ご飯食べるんだよ」
そのまま、手を振って部屋を出た。これは、友達第一号私では?。美少年と友達になて、抱きしめて泣くとき肩も貸せた。異世界最高か。
押さえられないにやけを顔に出しているところで、トトを見つけてもっとにやけてしまった。で、それをザシィにみられて、指摘されたのは言うまでもない。
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