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第114話 慣れないこと

「ドルレットさん!対戦相手のドルフさんについては、どのような選手だとお考えですか!?」

「ドルレットさん!決勝戦に向けて、意気込みをお聞かせ下さい!!」

「ドルレットさん!優勝した場合は賞金3億チョコ円を手にすることになるわけですが、まず、何を買いますか!?投資に回しますか!?ランボルチョコギーニを買いますか?」

「ドルレットさん!明日の入場曲は何ですか?また『チョコ猫ふんじゃった』ですか?」

「ドルレットさん!チョコうまい棒なら、何味が一番好きですか!?」

 レポーターや配信者たちは絶え間なく、次から次へと質問を投げかけました。

「ドルフ選手については、もちろん、素晴らしい選手だと思っています!彼と戦えることを光栄に思っています!」

「詳しいことは今日の会見で述べますが、私には、勝たなければいけない理由があります!どうしても勝ちたいので、とにかく全力で、正々堂々と戦います!」

「もし優勝しても、投資はしません!ランボルチョコギーニも買いません!車で煽られるのが大嫌いなので、電車派なんです!電車って、いいですよ!本も読めますし!」

「明日は『チョコ猫ふんじゃった』は封印します!ヒップホップでいこうと思ってますよ!今は亡き、チョコDMXさんの『X Gon Give It To チョコYa』でいきます!」

「コーンポタージュ味です!」

 ドルレットはひとつひとつの質問に丁寧に答え、迎えのロールス・チョコロイスに乗り込みました。


 計量と記者会見が行われるディニク・ロイヤル・ホテルの正面玄関前にも、大勢の記者、配信者が集まっていました。車寄せに停められたロールス・チョコロイスから降り立ったドルレットに、再び記者たちから質問が投げかけられました。ドルレットはいくつかの質問に答えながら急ぎ足でホテルの中に入り、待機していたチョコ-1 グランプリ運営委員会の係員の案内で、バンケットルームに向かいました。

 まず最初に行われたのは計量でした。ドルフ、ドルレットともに一回でクリアし、二人は、数え切れないほどのカメラマンがひっきりなしにフラッシュを焚きシャッターを切る前で、固く握手をしました。

 それから二人は、百脚ほどのスチール椅子が並べられた記者会見のスペースに移動し、司会者に呼ばれるのを袖で待っていました。

「お待たせ致しました。それでは本日の主役、ドルフ・マリネスク選手、ドルレット・レツィ選手に登場して頂きます!!お二方(ふたかた)、どうぞ、こちらへ!!」

 司会者の呼びかけに応えて、二人は長机とスチール椅子が置かれた壇上に上がり、中央まで進みました。

 またしても、目を開けていられないほどたくさんのフラッシュが焚かれ、シャッターを切る音が絶え間なく鳴り響きました。

 二人は集まった記者達に向かってお辞儀をして、着席しました。

「本日はお忙しい中、お集まり頂きまして、まことにありがとうございます。慣れないことなので、至らぬ点もあるかと思いますが、よろしくお願い致します」

 スタッフからハンドマイクを手渡されたドルレットは、そう言って再び頭を下げました。ドルフも同じような挨拶をして、記者会見が始まりました。

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