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第2話 『呼び出し』

結局、学校に着いたのは8時55分になってしまった。

始業式は校長の話も終わり、諸連絡をしているところだった。

さっきの娘とも別れ、担任の先生に文句を言われ、席に座ると式は終わってしまった。


教室に戻ると、確認テストが待っていた。こいつは夏休みに勉強したかを確かめるもので、教科は国英数だ。

「あー、駄目だ。帰りたい…。」

と隣の奴が皆の気持ちを代弁してくれた。

この男は山田大地。クラスでも1、2を争う馬鹿でアニメオタクだが、良い奴だ。

「ああ、そうだな…。」と返しといてやった。


「…………。」

山田には帰る気力すら最早ないらしい。

しかし今はまだ昼休み。午後には最後の数学が残っている。

そもそもこのテストはどんな点を取ろうが、補習はない。

山田は気にしすぎだろう。

弁当を食べ終え、机で寝ていると、トントンと肩を指で突かれた。

「ん、んー?」

眠い目をしたまま顔を上げると、女子がいた。

「えっと、なんの御用で……?」

と聞くと、廊下の方を指さして、

「あの人にこれをって、ってあれ?いないや。」

どうやらその人がいないらしい。

「いいや。とにかく、この手紙を渡してって。」

そう言って、二つ折のシンプルな手紙を渡された。

よくわからないが、女子に礼を言って手紙を開くと、


「放課後、3年2組の教室で待っています。夜月麗奈」


とだけ書いてあった。


残りの数学を終え、手紙の指定された教室に行くと、見覚えのある長い黒髪の少女が窓際で外を眺めていた。


「夜月、麗奈さん…?」

声をかけると黒髪をなびかせながら少女が振り返る。

やはり、朝の彼女だった。

「来てくれたのね。ありがとう。」

朝の取り乱した様子とはまるで違う、落ち着いた女性という雰囲気だ。

「……。」

何を言うべきか、しばしの静寂。

すると、

「私ね、ちゃんとお礼を言いたかったの。ありがとうございました。」

ペコリ、と頭を下げたので、ついついこちらも頭を下げて、

「いや、気にしないで。」

と。

「でも、私のせいで始業式に遅刻だなんて……。」

「だから、そんなに気にしないでってば。別に何ともなかったし。」

彼女も分かってくれたのか、やっとこさ頭を上げて、

「うん、ありがとう。」

笑顔になってくれた。


それからしばらく、お互いに自己紹介をしていると、日も暮れて下校の時間となった。

「途中まで送るよ。」

と提案するが、まだ用事があるとのことで、すぐには帰らないらしい。

なので自分だけ帰ろうと、挨拶すると、

「あっ、待って。大切なことを忘れてたの!あの、これ、あなたに!」

そう言って差し出されたのは、小さな

可愛い封筒だった。

何やらキーホルダーのような物が入っているようだった。

「お家に着いてから開けてね。」

とのこと。

「あ、ありがとう!」

女子から何かを貰う経験なんてない晶斗はドギマギせずにはいられない。

「それじゃあ、さようなら。」

とお互いに言って、今度こそ教室を後にする。

その時、彼女がポツリと、

「妹を、よろしくね。」

と言ったことを晶斗は知らない。



初めましての人ははじめまして。

お久しぶりの人はおひさしぶり。

読んでいただきありがとうございます。

次回は妹登場、する、のかな…?

誤字脱字、意見、感想じゃんじゃんお待ちしております!

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