↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/6

第1話 『初めての出逢い』

主人公の霧雨晶斗(きりさめあきと)が黒髪の少女と出逢う。

真夏の朝、7時55分、ダラダラと登校道を歩く。

課題に追われた夏休みも終わりを告げ、今日から2学期が始まるのだ。

「あちぃ……。」

そうボヤきながら額に浮かぶ汗を拭うのは、私立鴾ノ宮(ときのみや)高校に通う霧雨晶斗、高校2年だ。

周囲にも学校に向かう生徒たちがチラホラといるが、皆、同様に身を焼く日差しに朝から参っているようだ。

晶斗の住んでいる家から学校までは、徒歩15分程度なのだが、こうも暑いと外出そのものが億劫で仕方がない。


家から7、8分歩いたところで、裏道から不意に女性の声が聞こえた。

それだけなら何でもないことだが、どうも困っているような、嘆いているような声だったので、何事かあったのか、もしかして暴力かと、その声に引き寄せられるように裏道へと入っていった。


表通りよりも少しだけ気温の低い道に入り、曲がり角を2つ折れると、鴾ノ宮の制服を着た少女がうずくまって泣いていた。


慌てて近づいてみると、ケガをしている様子はなく、少し安堵する。

「えっと、どうしたんだい?大丈夫?」

そう聞くと、少女は今まで自分の存在に気付いていなかったようで、ビクッと背を震わせてから、ゆっくりと顔をこちらに向けて、

「グスッ、お財布、落としちゃったの…。」

と。

綺麗……。そう思った。

裏道の日陰に溶け込むような長く綺麗な黒髪と、不謹慎だが、涙に濡れ、僅かに朱に染まったその顔が、絶妙な色っぽさを醸し出していた。


「捜したけど、見つからなくて、ヒック、どうしよう……。」

スマホの時計を見ると、8時11分だった。

手伝ってはあげたいが、そうすると、8時20分を過ぎて、遅刻は間違いなさそうだった。

新学期早々遅刻なんてゴメンなので、少女には申し訳ないが、適当に謝ってこの場を離れようという考えが頭をかすめたが、

「大切なものが、入ってるの……。グスッ」

……それはとても出来そうになかった。


赤い長財布。その特徴を頼りに落し物を一緒に捜すが、なかなかみつからない。

時間を確認すると、8時23分だった。

「さっそく遅刻、か……。」

まあ仕方がないと諦め、目線を室外機へと向けると、

「にゃぁ」

1匹の黒猫が例の赤い長財布を咥えていた。

「あっ、あった!」

少女も猫に気付いたが、

「にゃにゃー」

と、猫は裏道の奥へと走っていってしまった…。


時刻は8時47分、ホームルームはおろか、始業式も始まっている頃だった。

その後猫は何とか捕まえたが、腕はキズだらけ。財布も歯型がしっかりとついていた。

少女が財布を開き、1枚の紙を取り出しその無事を確認すると、

「良かったぁ……」

笑顔になっていた。

写真、かな?

紙が何だったのかは気になったが、人の大切なものについてあれこれ聞くのもはばかられたので、

「学校、行こうぜ。完全に遅刻だけどな。」

そう言って少女にも移動を促す。

「うん、ありがとう。」

スカートのホコリを払いながら立ち上がる彼女の胸ポケットをふと見ると、さっきの黒猫に似た小さなストラップが一瞬、淡く光った気がした。

気のせいだろ。

そう思い、校門への道を急ぐことにした。



初めましての方は初めまして。

出逢ったことがある方はまた出逢いましたね。

というわけで読んでくださり、ありがとうございます。

やっと主人公が登場!!

さてさて、この後2人は無事遅刻しますが……?


誤字脱字、評価、感想じゃんじゃんお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。