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プロローグ『過去』

両親にバレた。

私が魔法を使っていることを。

1つ下の妹を慰めるための小さな、綺麗な魔法だったのに。

「」の悪魔どもめっ!!

妹が父に蹴り飛ばされた。

手が、身体が震え、視界が明滅し、不意に膨大な熱が解き放たれた。

魔力制御を誤ったのだ。

両眼を焼く閃光と、鼓膜をつんざく爆音がおさまり、視聴覚が戻ると、両親は驚愕の表情と共に全身に火傷を負って倒れていた。

子供にでも、先は長くないことが見て取れた。

「璃奈はっ!?」

振り返ると璃奈と呼ばれる彼女の妹はその背中を赤く染めながら、うつ伏せで倒れていた。

背中には爆風で割れた窓ガラスの破片が深々と背中から胸へと刺さっており、今にも途絶えそうな、ヒューヒューという呼吸を苦しそうに繰り返していた。

「璃奈っ、璃奈っ!」

自分の知っている治癒の魔法なんてこの状況では役に立たない。

死にゆく妹を助けることも出来ず、このまま見ていろと言うのか。

どうしてこんなことに。どうして。どうして。誰のせいだ。誰のせいだ。誰の。誰の。誰のっ!?

そうだ、この焼け焦げた大人共のせいだ。こんな奴がいるから、璃奈はっ!!

と、そこで

「にゃー」

両親に秘密で飼っていた「みい」と名付られた黒猫がベッドの下から顔を出した。

そのまま璃奈に寄り添い、その頬をペロペロと舐め始めた。

そういえばみいは私よりも璃奈に懐いていたな。

そんなことを考えていたが、やはり打つ手はない。

もう間もなく、目の前の妹は冷たい肉体を残してその活動を止めるだろう。

助けなくては。私の大事な璃奈を。どうすれば。どうすればいい。

そうだ、何か、あの魔力制御を暴発させた時、何か、いつもと違うものがあった。

思い出せ。思い出せ。早くっ!

あの感覚。そうだ、自分自身を削るような感覚!

自分自身…?私、私…。私の魂、か…。

「わかった。わかったよ。魔法が、何のか」

こうなればすることはすぐに決まった。

初めてだし、知識なんてものもまるでないが、出来るはずだ。

しかし、この魔法には大きな代償が必要だろう。

そうだ、あの未だに吐き気のする息を吐いている焼け焦げた大人共を使ってやろう。

せめてもの、復讐だ。死体すら残してはやらない……。

すぐに黒猫を捕まえ、自分の両足て固定し、暴れないようにする。

みいには申し訳ないが、大好きな璃奈を助ける為に立ってもらおう。

準備は出来た。ここからが本番だ。

両眼を瞑り、自身の身体を巡る魔力に神経を集中させる。

「どうか、璃奈を……っ!お願いだからっ!!」

先ほど掴んだ魔法への感覚的な理解をもとに、魔力を解放する。

魔力は両親を覆い、すぐさま身体は分解され、2つの魂を魔法の代償として喰らった。

穢れた魂だ。気分は復讐の達成感とで、快と不快が混じっていた。

次に妹とみいが魔力に覆われた。

璃奈の身体が分解されていく……。

みいが苦しそうにもがいている……。

当然だ。自分の魂が押し潰されようとしているのだから……。


しばらくして、魔法が終わったようだ。

璃奈の肉体はすでに跡形も無くなっていた。

両足の間に挟んだ、みいだった黒猫はすやすやと寝息を立てていた。

恐らく魔法は成功したのだろう。

そう安心すると、急に身体が重たくなり、激しい痛みを訴え始めた。

今まで気付かなかったが、自身も全身に火傷を負っていたのだ…。

魔力がまだ、残っているから、治るはず……。

その思考を最後に、麗奈は長い黒髪を床に広げて意識を失った。

読んでいただきありがとうございます。

今作はテスト投稿ではなく、メインです。

時間はかかると思いますが、投稿を続けていくのでよろしくお願いします。

誤字脱字、評価、感想じゃんじゃんお待ちしております!

次回はいよいよ主人公登場!!

ではまた会いましょう。

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