↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/136

花火の夜

改稿しました。

  

  

 花火のできる空き地を求めて深夜歩き回っていた僕たちはやっといい感じの原っぱを見つけた。


 近くに住居はなく、こんな時間に騒いでも見咎められることがなさそうな場所だ。ただ街灯もないので真っ暗闇だった。


 買い集めた花火セットの袋をスマホの明かりを頼りに開き、各自思い思いの花火を取り出して火を点ける。


 色とりどりの火が噴き出し始めると辺りが仄かに明るくなった。

 点滅する光を映して白い煙が棚引いていく。


 うおぉぉと叫びながら花火を振り回すタク、残像を楽しむように円を描くミツオ、音と色の変化を座ってじっと見つめているシンジ、と遊び方にそれぞれの性格が出ていて可笑しかった。

 僕も大好きなねずみ花火を点け、足を跳ね上げてはしゃいだ。


 ふと、煙の中に人影が見えたような気がして足を止めた。誰か大人が注意しに来たのかとじっと目を凝らしてみたけど、僕ら四人の他に誰もいない。


 次々と点けられていく花火の光で何度も確認したけど、やっぱりいなかった。


 形を変えて流れる煙がそんなふうに見えたんだと思い、ほっと胸を撫で下ろした瞬間、微風に棚引く煙の中にまた人影が浮かんだ。

 それも一人や二人じゃない――


「噴水花火をつけるぞっ!」


「「おうっ!」」


 みんなに伝えなきゃと思っても、声が出ず身体も動かない。

 しゅうううと豪快に火が吹き上がり、みんなの歓声が上がる。


 煙の中の白い人影がどんどん増えていく。


 やがて噴水花火が小さくなって消え、真っ暗闇になった。


「なんだよ。引っ張るなよぉ」


 というタクの声に続いて、みんなの凄まじい絶叫が闇を裂いた。


                了


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。