ここはどこ?
「わああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
夕斗は自分の叫び声で目を覚ました。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
嫌な汗が夕斗の全身を湿らせている。
周りを見てみると白い壁と白い天井が目に入った。隣にはベットが置いたあり、病院のような印象を与えた。
「・・・、ここは?」
そう、夕斗が呟くのと同時に部屋の入り口のドアが開いた。
「叫び声がしたから来てみたけど、もう目が覚めたのね?」
「あなたは?」
夕斗は部屋に入ってきた女性に、まだ冴えない頭で訪ねた。
「あら、ごめんなさい。私は藤崎鏡花っていうの、秋雨夕斗君であってる?よろしくね」
「あ、はい、よろしくお願いします。」
そう言い、夕斗はベットに座ったまま頭を下げた。
「ところで、ここはどこですか?」
「それに答える前に聞きたいことがあるのだけれど、いいかしら?」
「構いませんが・・・」
「それじゃ、質問ね。夕斗君、君はどこまで覚えている?」
「どういう意味ですか?」
「うーん、質問が悪かったわね。改めて質問するわね、夕斗君がここで目が覚める前に何をしていたか教えてくれないかしら?」
「はあ、えっとたしか・・・、昼過ぎから日向の買い物にショッピングモールまで付き合って・・・・・・っ!!!」
「あら?どうしたの?急に黙って」
「あ、あ、あれは夢ではないんですか?」
「あれって?」
「ぼ、僕と日向が帰り道に何かに襲われたんです!それで、日向が消えちゃって、だから怖くなって逃げて・・・。ひ、日向は無事なんですか?って、やっぱあれ夢ですよね。だって人の体が消えるなんてこと・・・。それに僕の足、ちゃんとあるし・・・」
その言葉を聞いた藤崎はとても沈痛な面持ちをしていた。
(やはり、おぼえてましたか・・・。仕方ありませんね、隠し通せることでもないですし・・・。)
「夕斗君、落ち着いてきいてね。それは、夢でなく現実に起こったことなの」
「夢じゃない・・・?だ、だったら、日向は・・・」
「ごめんなさい、その日向って娘の情報は上がってきていないの。でもね、あなたの今の話をきくかぎりでは・・・」
藤崎はそこで、口を閉ざした。
夕斗はそんな藤崎の姿を見てすべて悟り呆然とした。
「夕斗、君たちを襲った奴に復讐をしたくはないかい?俺たちはそのチャンスを君に与えることができるぞ。どうだ?」
そんな中、沈黙を破る者がいた。
「仁君!!その話は夕斗君が落ち着いてからって上に言われたでしょ!!」
「でもよ、鏡花ちゃん、そんな悠長に待ってられんのよ。こんな戦力なかなかいないからな。だって、秋の一派だぜ」
「そうだけど・・・。順序ってものがあるでしょ」
「???」
夕斗は混乱した。なぜならば、今、藤崎と話している男は、今まで何もなっかった空間から現れたのだから。それは、夢で見た理解できない出来事に酷似した現象なのだから。
「い、いま、どこから現れました?」
「?。普通に最初からいたけど?」
「最初っていつからですか?」
「俺、鏡花ちゃんとこの部屋に入ってきたんだよ。・・・まさか、気づかなかったのか?なんだよ、秋雨って聞いたから、魔法も簡単に見破れるもんだと思っていたんだけどな。見当違いか・・・」
「魔法?」
「あれ?魔法のことも知らない感じ?しまったな・・・」
「ほら、だから言ったじゃない。順序ってものがあるのよ。まあ、仕方ないはね、全部話して夕斗君に判断を委ねましょう」
「悪かったよ。見た目より若いんだな、そいつ」
見た目より若いとはどういうことだろうか?と夕斗が疑問に思っていると
「んじゃ、改めて、俺は赤根仁ってんだ。」
そういって赤根は手を差し伸べてきた。
「はあ」
理解が追い付いていない夕斗はそんなあいまいな相槌を打って赤根仁の手を握った。
「よし、よろしくな!んじゃまずは、さっきの質問に答えてやろう。ついでにいろいろ教えてやるよ」
そういって赤根は笑ったのだった。




