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自衛隊元野戦特科隊員は働きたくない ~弾着だけは外さないが、それ以外はやる気が出ません~  作者: 勇者ヨシ君
作戦#12 それでも借金は減らない (正式名称:神界債権執行個体迎撃及び広域火力支援作戦)

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42/44

第41話 ――弾着、今。野戦特科は今日もだいたいうるさい

 ドォォォォンッ――!!


 夜明け前の荒野が白く瞬いた。

 一門の音が消えるより早く、さらに遠くで別の砲口が光る。


 ズドォォォンッ!!


 そのまた奥からも、少し遅れて腹に響く低い砲声が重なった。


 ドォンッ――!!


 音だけじゃない。

 押し寄せた空気の壁が胸を叩き、靴底から振動が這い上がる。FH-70を覆う偽装網がばたばたと震え、砲列の向こうでは遅れて巻き上がった砂埃が、夜明け前の薄暗い空へ広がっていった。


 四個小隊相当。


 顔の見えない砲班。

 霧の中に並ぶ車両。

 人の姿だけがぼんやり動く、夢の射撃指揮所。


 その全部が、俺の記憶に残っている昔の演習場を、悪夢みたいな規模へ引き延ばして再現している。


「班長、弾着確認! 防壁、まだ残ってます!」


 相馬の声とほぼ同時に、遠方で地面が持ち上がった。


 ズガガガガァァァンッ――!!


 債権執行巨獣デット・エグゼキューターの周囲へ、土と炎が何本も噴き上がる。砕けた岩が巨体へ叩きつけられ、その外側を覆う金色の契約防壁が水面みたいに大きく波打った。


 それでも、割れない。


「硬ぇな。これだけ食らってまだ歩けるなら、そろそろ『頑丈』じゃなくて『料金設定がおかしい』の領域だぞ」


 俺が吐き捨てた直後、巨獣が空気を震わせて咆哮した。


 ゴォォォォォォォッ!!


 金色の鎖みたいな光が地面を這い、村へ向かって何本にも枝分かれする。


「村側へ来るぞ! そっちは絶対に抜かせるな!」


 防衛線では、鉄壁(アイアン・ウォール)バルガス・レインが大盾を地面へ叩きつけた。


「こっちは俺が受け持つ! 避難民を先へ通せ、足を止めるな! ここで格好つけて魔物を追い返す必要はない、生きて向こう側へ着けば俺たちの勝ちだ!」


 白銀槍(シルバー・ランス)カイゼル・アルベルトとジークフリードが、その左右へ駆け出す。


 さらに真正面では、破城フォートレス・ブレイカーグレン・ヴァルハルトが巨獣の脚へ飛び込み、振り抜いた一撃をぶち込んだ。


 ズガァンッ!!


「黒田! こっちは国家戦力だ何だと言われちゃいるが、生身なんだぞ! いつまでも殴らせる気なら、敵より先に俺の腕が壊れちまう!」

「Sランク様が泣き言吐くなよ! こっちは無職が借金背負って大砲撃ってんだぞ、職業欄だけ見れば俺の方が圧倒的に弱者だろうが!」

「戦場で無職を免罪符に使う奴を初めて見たぞ! いいから早くぶち抜けって!」


 そのさらに上空。

 巨大な翼が夜明け前の空気を裂いた。


 漆黒のモグと、深紅のルヴィア。

 二頭の古竜が左右から巨獣へ食らいつくように急降下する。


 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!


 ほぼ同時に放たれた二条のドラゴンブレスが、黒と紅の奔流となって巨獣の顔面を包んだ。空気が焼け、離れているはずのこちらまで頬へ熱が届く。


 巨獣がたまらず首を振り、進路をわずかにずらした。


『陸! 今ならあやつ、こっちへ顔を向けておるぞ! わらわがいっぱい燃やしたからの!』

『お待ちなさいなモグ! 今のはどう見ても、わたくしのブレスの方が長く足止めしておりますわ! 功績を勝手に独占なさらないでくださる?!』

『今は競っておる場合ではないのじゃ!』


「さっき上空偵察で速度競争して俺を振り落としかけた二頭が何言ってんだ! 戦果表まで作り始めたらてめえら二匹とも飯抜きにするぞ!」

『そ、それは困るのじゃああ!』

『食事を人質に取るなんて卑劣ですわよ黒田陸!』


 横で大庭が、巨竜二頭と魔法の嵐を眺めながら何とも言えない顔をしていた。


「班長。さっきからずっと思ってたんすけど、異世界の連中って火力の基準おかしくないですか? 女の子が竜になるわ、空から炎吐くわ、死人は走り回るわで、俺らの方が夢見てるみたいなんすけど」

「安心しろ。俺も最初は同じこと思ったし、今でも半分くらい理解してねえ。こっちじゃ『魔法です』って言われたら大抵の非常識は説明終了だからな」

「『最初』ってことは、班長これ何回も来てるんすよね?」

「そこ掘ると説明が長くなる。あとで酒飲みながら聞け。俺が覚えてたらな」

「絶対忘れたふりするやつじゃないですかそれ――」


 逆に、異世界側ではティアナが砲列を睨みながら叫んでいた。


「ねえ黒田! 何度見ても納得できないんだけど、本当にあれ全部魔法じゃないの!? 術式もない、魔力反応もほとんどない、それなのにあんな遠くで地面がまとめて吹き飛んでるのよ!?」

「だから火薬だって何回説明すりゃいいんだよ! こっちから見れば、お前らの方が杖一本で雷落として火柱立ててるだろ!」

「その『火薬』って一言で全部説明した顔するのやめなさいよ! 私からしたら、その火薬っていう物質の方がよっぽど怪しいの!」

「詳しく説明すると教育になるだろ。教育は仕事だ。俺は仕事を増やしたくない」

「こんな時まで働きたくない理論を通すなぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 その横でアレクシスが聖剣を抜いた。


『勇者よ。防壁が破れれば我らが突入する。今は余計な焦りを捨て、あの男と砲列を信じるのだ』

「分かってる、ルクシオン。あの人は普段があれなだけで、今の顔なら大丈夫だろう」


 白銀の光が聖剣を包み込んだ。

 剣身から伸びる光が周囲の魔力を押しのけ、アレクシス自身の空気まで一変する。

 俺は思わず口から漏らした。


「お前、喋ってる時はただの高そうなうるせえ剣なのに、戦闘になるとちゃんと聖剣なんだな。正直ちょっと見直したわ」

『褒めているようで失礼極まりないぞ黒田! 後で覚えておけよ!』

「覚えてたらな」

『貴様という男は!』


 敵の側面へ回っていたロイドが、土煙の中から駆け戻ってきた。


「黒田! 例の黒い核はまだ位置そのものは変わってねえ。ただ、防壁が削られるたびに少しずつ内側へ沈んでやがる。このままじゃ完全に奥へ引っ込むぞ!」


 さらに離れた場所から、シェリアの矢が一直線に飛び、巨獣の肩付近で金色の光を弾いた。


「黒田! あれが動く直前、右肩から伸びてる金色の線が必ず先に光る! 次はこっち側へ身体を振るつもりよ。今いる場所だけ見てたら外される!」


 そこへ、四つ足になりかける勢いでフェンナが駆け込んでくる。


「黒田、臭いも変わったワン! あいつが右へ動く前だけ、焦げた金属みたいな嫌な臭いが強くなるんだワン! さっき一度覚えたから、今度は絶対間違えない。次は右へ来るワン!」

「目と鼻で同じ答えが出たなら十分だ。フェンナ、そのまま臭いが変わったらすぐ教えてくれ。ワンでもワオーンでも何でもいいから、聞こえる声で頼む」

「了解だワン! こういう時のわたしの鼻はワンだふるなんだから、ちゃんと信用してほしいワン!」

「自分で言うのかよ、それ」


 その時、砲列の左側で短い叫び声が上がった。


「黒田さん! 小さい奴らがこっちへ抜けてきたよ!」


 大型巨獣に追われていた小型魔物の一群が、防衛線の隙間からこちらへ流れ込んできていた。砲列へ近づかせるわけにはいかない。


「砲の近くまで来させんな! ひなた、そっち頼む。ギルドの連中は無理に前へ出るな、夢境補助で教えた範囲だけやれ。分からなくなったら撃つより下がれ!」

「了解です。皆さん、黒田陸曹の説明は雑でしたけど、今は私の指示に合わせてください!」

「最後の一言いらねえだろ!」


 ひなたの20式がパパパパパと乾いた音を響かせ、その横では相馬たちが89式を構える。さらに、最低限の扱いだけ夢境神術で補助されたギルドの冒険者たちも、恐る恐る小銃を握っていた。


「おい、詠唱なしでいいんだよな!? 本当にこれ、魔法じゃないんだよな!?」

「その確認はさっき三回した! 今さら銃に魔力込めようとすんなよ? 壊したら俺に請求来る!」


 パパパパッ、と断続的な銃声が重なり、迫っていた小型魔物が次々と足を止める。撃ち漏らした個体へジークフリードが飛び込み、剣でまとめて押し返した。


「黒田! これ便利すぎないか!? こんな小さい武器から攻撃が飛ぶなんて、普通に魔道具だろ!」

「違うって言ってんだろ! あと便利だからって気軽に使うな、弾にも転送費にも金がかかるんだよ!」

「結局そこかよ!」


 小型魔物の流れが途切れる。

 ひなたが20式を下げ、俺を見る。


「砲列周辺、ひとまず安全です。今のうちに本命へ集中してください」

「助かる。じゃあこっちは大きい方片づけるぞ」


 情報が重なる。


 ロイドが見た敵内部。

 シェリアの射線。

 フェンナの嗅覚。

 上空のモグとルヴィア。

 射撃指揮所から流れてくる夢の情報。


 俺は巨獣を見る。今いる場所じゃない。

 これから動くであろう場所。


「リリア! 聞こえてるなら返事しろ! 今度は砲身へ突っ込まねえから安心しろ。その代わり、自分の足で核まで行って死霊術を掛けろ。今まで拾ってきた情報を、最後に固定できそうなのはお前だけだ!」


 かなり遠くから、すぐさま絶叫が返ってきた。


「最初に『砲身へ突っ込まない』って保証しないと話が始まらなくなってる時点で、私たちの関係おかしくない!? それに今、ちょっと格好よく頼んだけど、結局やること敵陣への単独特攻じゃないのぉぉぉぉぉ!!」

「単独じゃねえ、全員がお前を見てる! 危なくなったら引け。死んでるからって無茶していいとは今回は言わねえ!」

「『今回は』って付けたぁぁぁぁ!! 普段はやっぱり無茶させてる自覚あったんじゃないのぉぉぉぉ!!」


 叫びながらも、リリアは走った。

 巨獣の脚元へ飛び込んだ瞬間、その雰囲気が変わる。


 さっきまでの絶叫が途切れた。

 白い顔から、ふっと表情が消える。


「死んでるから分かる。生きてる人には見えにくいんだろうけど、そこだけ魂の流れがおかしい。死んだものまで避けてるなら、そこには触っちゃいけない何かがある」


 黒いローブが、風もないのに大きく広がった。


 地面から薄青い死霊が一つ、二つと浮かび上がる。やがて数えきれないほどの半透明の影が、巨獣を取り囲んだ。


「【亡者縛界(ネクロ・バインド)】!」


 死霊たちの腕が一斉に伸びる。

 何十、何百もの半透明の手が巨獣の脚へ絡み、その奥に隠れた黒い核へ食らいついた。

 金色の契約文字が激しく明滅し、死霊を焼き払う。

 リリアの顔が苦痛に歪んだ。


「痛いよ。そりゃ私だって痛い。でも、ここであいつを村まで行かせたら、今度は本当に死ぬ人が出るでしょ。私みたいなのを増やしたくないから……ここだけは、ちゃんと止めるわ!」


 死霊がさらに増える。

 金色の防壁が、一瞬だけ内側へ引きずられた。


「今よ! 長くは持たないから、撃つならすぐに!」


 ティアナとエルミナが互いに頷く暇すら惜しんで魔法を重ねる。

 勇者の白銀の聖剣が輝く。上空からモグとルヴィアのドラゴンブレスが左右を押さえる。


 巨獣の動きが、止まった。

 ほんの数秒。それで十分だった。


 俺の中で、周囲の音が少しずつ遠ざかっていく。


 砲声も聞こえている。

 魔法の炸裂も聞こえている。

 誰かの怒鳴り声も、巨獣の咆哮も消えてはいない。


 ただ、必要なものだけが前へ出た。


 敵の位置。

 動き。

 これまでの弾着。

 次に踏み出す場所。


 夢境の射撃指揮所から情報が流れてくる。

 俺は数字だけを見るんじゃない。

 その向こうにある、本物の地面を見る。


「……そこだ」


 相馬が俺の横顔を見た。


「班長。何か見えました?」

「こいつは動く。今いる場所へ合わせたら遅い。次に右へ踏み込んだ時、あそこへ来る」


 ひなたが巨獣と俺を交互に見る。


「分かりました。でしたら、もう一人で全部背負わないでください。陸曹が見るなら、私たちは私たちの仕事をします。昔だって、そうだったじゃないですか」


 相馬も小さく笑った。


「そういうことです、班長。こっちは九人いるんです。あんた一人で全部やるなら、俺たちを呼んだ意味がないでしょう」


 一瞬だけ、言葉に詰まった。

 昔なら、たぶん何か余計なことを言って逃げた。

 今は違う。


「分かった。じゃあ全員、もう一度だけ頼む。俺が見る。お前らは昔みたいに、自分の持ち場だけやってくれ」


 返事が重なった。

 俺の班だけじゃない。


 霧の向こう。

 四個小隊相当の夢の砲列が、一つの巨大な生き物みたいに動き始める。


 夜明けの光より先に、何門もの砲口が白く燃えた。


 ドォォォォォォォォンッ――!!


 腹の底を押し潰すような砲声が荒野を叩く。


 一つ。

 さらに一つ。

 次々と衝撃が重なり、空気も地面も何度も震えた。

 俺は遠方だけを見る。


 時間。

 距離。

 敵の動き。

 巨獣が一歩、予測した方向へ踏み出した。


 もう迷いはない。


「――弾着(だんちゃく)、今。」


 世界が爆ぜた。


 ズガァァァァァァァァンッ――!!


 巨大な土煙が空へ噴き上がり、衝撃で周囲の小石まで跳ねた。

 黒い外殻が砕ける。

 金色の契約防壁が、巨大なガラス板を叩き割ったように亀裂を走らせ、そのまま無数の光片となって空へ散った。


 内部から、黒い核がむき出しになる。


「穴は開けたぞ! ここから先まで大砲にやらせる気なら追加料金取るからな! あとはそっちの専門家が直接ぶん殴ってこい!」

「十分ですよ! むしろここまで派手に開けてもらって文句を言ったら、勇者の看板を返せって言われます!」


 アレクシスが駆ける。

 カイゼルとジークフリードが左右から続いた。

 ティアナとエルミナの魔法が残った防壁の破片を吹き飛ばし、突入路を広げる。

 リリアも死霊を引き連れたまま走り出した。


「私も行くぅぅぅぅ!! 今度はちゃんと自分の足で行って活躍して、あとで『飛ばさなくても仕事できるじゃん』って黒田に言わせるんだからぁぁぁぁ!!」

「最初から普通に走れたなら砲弾代浮いたじゃねえか!」

「やっぱり感想そこぉぉぉぉ!?」


 モグとルヴィアが上空から急降下する。

 その先。

 崩れた契約の光の中に、一人の男が立っていた。


 リボルヴ。

 周囲では地面が抉れ、契約防壁まで砕け散っているのに、白い服には埃一つ付いていない。


「見事ですね、黒田陸さん。ここまでされるとは、私も少々見積もりが甘かったようです」

「だったら反省文の代わりに金寄越せ。こっちはお前を追い返すためだけに、今ごろ請求書が国家予算みたいなことになってんだぞ」

「相変わらずですね。ですが、だからこそ申し上げたい。今からでも契約変更は可能です。私の側へ来れば、あなたはもう働かなくてよいのですよ?」


 そこだけは、正直いまだに魅力的だった。


「困ったことに、条件だけなら今でも好きなんだよ、お前。無利息だの返済期限なしだの、聞いてるだけならゼニスより百倍まともだからな」


 ゼニスの眉がぴくっと動く。


「黒田さん? 決戦の最中に担当女神の査定を始めるの、やめてもらえます?」

「事実確認だ。最後まで聞けよ――」


 俺はリボルヴへ向き直る。


「でも人生丸ごと担保に入れて、『所有物だから働かなくていいですよ』は話が違う。だったら俺は、借金持ちで酒臭くて煙草臭い無職のままでいい。少なくとも、寝る時間まで他人の資産にはならねえ」

「では、働くことを選ぶと?」

「いや、それは別問題だ。そこまで急激に人格改善する予定はない」

「おい黒田!!そこで『働く』って言いなさいよぉぉぉぉぉ!!」


 ゼニスの絶叫が戦場へ響いた。

 リボルヴは、初めて少しだけ楽しそうに笑った。


「なるほどなるほど。それもまた、あなたらしい。契約者としては実に扱いにくいですが、人間としては興味深い」

「褒めてねえだろ、それ」


 そして、アレクシスの聖剣が振り下ろされた。

 白光――。

 残っていた契約の鎖が、一気に断ち切られる。

 リボルヴの身体が淡い光へ溶け始めた。


「今回は退きましょう。ですが契約とは、条件次第で何度でも見直せるものです。また、あなたが魅力的だと思える条件を用意して参りますよ」

「営業努力すんな! 二度と来んな! 次は面談料取るぞ!」

「それでは、また......」


 最後の光が消えた。


♦ ♦ ♦ ♦ ♦


 しばらくして、俺は遠方の砲列へ目を向けた。

 霧の中に並んでいたFH-70が、一門ずつ薄くなり始めている。


 顔のない砲班員。

 車両。

 夢の射撃指揮所。


 俺たちの記憶から作られた影から先に、夜明けの光へ溶けていく。

 最後まで残ったのは、俺たち九人の一門だけだった。

 相馬が消えていく砲列を見送り、それから俺の方へ顔を向けた。


「終わりましたね、班長。こんな状況じゃなければ、久しぶりに一緒にやれて楽しかったって言えたんですけどね」

「やめろ。いい話みたいにまとめるな。俺は最初に『今日だけ』って言っただろ。明日からまた無職だし、訓練だってできれば行きたくねえ」

「はい。今日だけですよね、夢ですし」


 相馬は笑った。


「だから今日は、ちゃんと班長でした」


 何か返そうとして、結局やめた。

 その声だけが、昔より少し近く聞こえた。


【神界・最終戦闘ご請求】


・大規模夢境砲列同時運用料        金貨1,900枚

・夢境―異世界戦場因果接続料       金貨1,200枚

・神性敵対存在戦闘割増          金貨900枚

・安全保証・緊急延長           金貨600枚


─────────────────


今回加算                金貨4,600枚

日本円換算               23,000,000円相当

前回繰越残高              金貨49,980枚

合計残高                金貨54,580枚

日本円換算合計             272,900,000円相当


※国家特別報奨金は戦闘後に別途精算。

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※筆者は元自衛官ですが、本作に登場する自衛隊、火器、装備、部隊運用等の描写は、公表されている情報や筆者自身の経験を参考にしたフィクションです。実際の組織・部隊・人物とは関係ありません。また、物語上の演出や脚色、実際とは異なる表現を含む場合があります。あくまでフィクション作品としてお楽しみいただければ幸いです。
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