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盲目遊戯 1  作者: Svolik
40/42

第四十章

夜は静かだった。


彼らの家について、そう正直に言えることは珍しかった。


普段は夜でさえ、家は生きていた。共用の寝室のどこかで毛布が擦れる。メイは眠りながら何かをぶつぶつ言い、尾を動かし、誰かの枕を獲物のように抱え込むことがある。シリアンは時々、眠りの中で静かに、そしてあまりよくない感じに笑い、そのたびに部屋の反対側からヘラが、空気を怯えさせるなと不機嫌に要求する。ノエルは窓を確認しに立つ。もうとっくに家が守られていることを知っているのに。リニは時々目を覚まし、魔力が従順であることを確かめるためだけに、いくつかの物を回す。テリはそのすべてを聞いておきながら、朝になると聞こえなかったふりをする。


だが、この夜は静かだった。


アイリは彼の部屋で、彼の隣に横たわっていた。片手を頬の下に敷き、天井ではなく、彼を見ていた。


白い髪は枕の上に明るい斑のように広がっている。弱いランプの光では、ほとんど銀色に見えた。青い目は穏やかだった。だがその穏やかさには、もう以前のような神の距離はなかった。アイリは今でも、人の内側まで見透かすような笑みを浮かべることができる。今でも、問い一つで相手を立ち往生させることができる。今でも愛の女神であり、それを忘れるのは危険だった。


けれど今は、ただそばにいた。


温かく。


生きていて。


眠たげで、しかし眠ってはいない。


「また考えているのね」


彼女が言った。


「前よりは少ない」


「答えになっていないわ」


「進歩ではある」


アイリは微笑んだ。


「あなたにしては、そうね」


彼は顔を彼女へ向けた。


「お前は?」


「私が何?」


「お前も眠っていない」


「楽しんでいるの」


「夜を?」


「静けさを。あなたを。どこかへ行く必要もなく、誰かを救う必要もなく、誰かを説得して世界を滅ぼさせないようにする必要もなく、王と話す必要もなく、白い部屋に届く祈りを聞く必要もないことを」


「二つ目の時点で、もうリストが変になっている」


「あなたを近くで見ようと決めた時点で、私の人生は変になったのよ」


彼は小さく笑った。


「自業自得だな」


「ええ」


彼女は軽く言った。


守るもののない声だった。


その後、しばらく黙った。


彼は、彼女がようやく眠るのだろうと思いかけた時、アイリがふいに尋ねた。


「私の中に、あなたが好きではないところはある?」


問いは穏やかに響いた。


穏やかすぎた。


彼はすぐ警戒した。


「危険な質問だな」


「とても」


「それでも聞くのか?」


「もちろん」


「なぜ?」


「答えを読み取るのではなく、聞きたいから」


その言い方は、少し柔らかかった。


そして彼は理解した。これは罠ではない。


完全には。


アイリは本当に、以前ならただ知ることができた場面で、尋ねることを学んでいた。踏み込まないことを。オーガの胸から心臓を抜き取るように、人から感情を取り出さないことを。答えられるまで待つことを。


それは尊重に値した。


そして慎重さにも。


「好きではない、というほどじゃない」


彼は自分の中を探りながら言った。


「むしろ、少し戸惑う」


アイリは生き生きとした。


「そうなの?」


「もう話し始めたことを後悔している」


「遅いわ。何が?」


彼は彼女の白い髪を見た。


青い目を見た。


どんな神殿でも大理石に彫って美の基準だと宣言できそうな顔を見た。


それでも、苦笑した。


「俺の世界の傷みたいなものだと思ってくれ」


「さらに面白くなったわ」


「しみついた固定観念があった。もちろん馬鹿げている。でも、かなりしぶとい」


「どんな?」


「頭のいい金髪女なんていない、というやつだ」


アイリは数秒、彼を見ていた。


それから、ゆっくり片眉を上げた。


「何ですって?」


彼は堪えきれず、静かに笑った。


「馬鹿げているって言っただろ」


「あなたは今、愛の女神に、髪の色のせいで知性を信じにくいと言っているの?」


「違う。俺の中の深いところに、前の世界から来た愚かな固定観念が残っていると言っているんだ。理屈じゃない。信念でもない。ただ頭にくっついたゴミだ」


「死すべき者の狂気には、驚くほど多くの種類があるのね」


「同感だ」


アイリは目を細めた。


「ではあなたは、愛の女神を想像する時、白髪だとは思わなかったの?」


「正直に言うと、思わなかった」


「どんな姿?」


問いは、ほとんど怠げに聞こえた。


だが彼女の目は、捕食者めいた好奇心で輝いていた。


彼は、自分で罠に入ったことを悟った。


誰かが意図して置いた罠ではない。


もっと悪い。自分の言葉で作った罠だ。


「アイリ」


「いいえ、いいえ。今のは気になるわ。あなたなら、どんな姿を思い浮かべたの?」


彼は片手で顔をこすった。


「まあ……」


「ええ?」


「前の世界では、赤毛が好きだった」


アイリは微笑んだ。


「赤毛」


「ああ」


「それから?」


彼は横を見た。


「緑の目も」


沈黙。


とても長い沈黙。


それからアイリが言った。


「そんな危険な知識を私に渡して、本当に怖くないの?」


彼は彼女へ顔を向けた。


「それで何ができるんだ?」


問いは本気で出た。


だからこそ、アイリの表情が、とんでもないことになった。


楽しさ、狩りの喜び、優しさ、そして誰かが自分で扉の鍵を女神の前に置き、そのうえ鍵とは何のためにあるのかと尋ねたのを見たような顔。


「愛しい人」


彼女は柔らかく言った。


「あなたは時々、驚くほど賢いわ。でも時々……」


「何だ?」


「何でもない」


彼女は寝台の上で身を起こした。


白い髪が胸元へ落ち、肩を隠した。ランプの光の中で、肌は温かな磁器のように見えた。


「向こうを向いて」


彼は瞬きした。


「何?」


「向こうを向いて」


「なぜ?」


アイリがふいに照れた。


本当に。


そのせいで、彼はどんな神の含みよりも混乱した。


「照れているのか?」


「ええ」


「お前が?」


「どんな娘にも、見られると照れる瞬間はあるの。恥知らずな愛の女神にだって」


「どんな瞬間だ?」


「向こうを向けば、後で分かるわ」


彼はもう一秒だけ彼女を見た。


それから、結局、壁の方へ寝返りを打った。


「今、本当に不安になってきた」


「いいことね」


「よくないはずだ」


「静かに。覗かないで」


「俺は大人だ」


「だからよ。大人ほど覗きたがるもの」


彼は鼻で笑ったが、振り向かなかった。


最初は何も起きなかった。


それから、空気がわずかに動いた。


一分。


たぶん、もう少し。


「もういいわ」


彼女が言った。


声はほとんど同じだった。


だがそこには期待があった。


彼は振り向いた。


そして固まった。


アイリは寝台に座り、足を下に折っていた。


同じ彼女だった。


そして、まったく違っていた。


銀色の髪は消えていた。


今は肩から背中へ、濃い赤毛が豊かに流れていた。燃えるような真紅ではない。叫ぶような色でもない。深く、生きた、銅と金を含んだ赤だった。その中にはまだ、普通の自然には澄みすぎた神的なものがあった。けれどその輝きは、もう冷たくなく、熱を持っていた。


目は緑になっていた。


ただの緑ではない。


明るく、深く、瞳孔のそばに金の火花を宿した緑。そのせいで、顔立ちは同じなのに、表情そのものが変わって見えた。アイリの美しさは、大理石めいたものではなくなった。神殿めいたものでもなくなった。もっと地上に近い。もっと大胆で。もっと危険なほど生きている。


同じ女神だった。


それでも、今彼の前に座っているのは、別のアイリだった。


新しいのではない。


天上の愛の像としてではなく、誰か個人の、誘惑的な悪夢として受肉することを選んでいたら、最初からこうだったのではないかと思えるアイリだった。


すぐには声が出なかった。


「そんなことをする必要はなかった」


アイリは微笑んだ。


「もちろん」


「俺は、そんな意味で言ったわけじゃ……」


「それは嘘ね」


彼女は少し身を乗り出した。


「言っていたわ。小さく、静かに」


「愚かな固定観念の話をしていただけだ」


「そして、赤毛で緑の目の女が好きだという話も」


「頼みじゃない」


「知っているわ」


「なら、なぜ?」


アイリは新しい髪の一房を見て、それを指の間に通しながら、興味深そうに微笑んだ。


「あなたが見た時の顔を見たかったから」


「それで?」


「価値があったわ」


彼は息を吐いた。


「お前は本当にどうしようもない」


「今は赤毛でもあるわ」


「それは論拠か?」


「とても強い論拠よ。あなたが自分で言ったのだもの」


彼は身を起こし、慎重にその髪へ触れた。


ほとんど信じられずに。


髪は柔らかく、本物で、温かかった。幻ではない。覆いでもない。色つきの光でもない。


アイリは触れられて、そっと目を細めた。


「こっちの方がいい?」


問いは静かに響いた。


そして遊びの奥に、本物があった。


彼は彼女をもっと注意深く見た。


その時、分かった。彼女は笑えるし、からかえるし、捕食者じみた知識について語れる。だがこの変化は、ただの冗談ではなかった。彼に都合よくなろうとしたわけでもない。自分を犠牲にして「あなたのために変わる」と言っているわけでもない。アイリは、身体であり、形であり、色であり、選択であることの可能性そのものを楽しんでいた。彼の記憶の中で灯った像に近づくことを試してみたかったのだ。けれど、それでも、彼がどう見るかは彼女にとって重要だった。


「より良い、ではない」


彼は言った。


彼女が目を開けた。


「違うの?」


「違う形だ。前から美しかった」


「慎重な答えね」


「正直な答えだ」


「今は?」


彼は赤い髪の房を指でなぞった。


「今は、俺の正気がまた一つ崩れている」


アイリはゆっくり微笑んだ。


「よかった」


「かなり満足か?」


「品がないほどに」


「なぜ驚かないんだろうな」


彼女は身を寄せ、彼に口づけた。


赤毛が腕を滑り、その新しい感覚に、頭より先に身体が変化を認めた。


アイリはほんの少しだけ離れた。


「愛しい人」


「ああ?」


「これで、もう私をただの女神だなんて、絶対に言えないわね」


彼は彼女の緑の目を見た。


「とっくに無理だった」


今度は彼女が、本当に照れた。


それが決定打だった。


---


朝、アイリの変化は静かな大騒ぎを起こした。


最初に見たのはメイだった。


獣人の娘はいつも通り早く目を覚まし、台所へ行こうとしていた。その時、彼の部屋の扉が開き、そこからアイリが出てきた。


赤毛で。


緑の目で。


完全に満足しきった顔で。


メイは固まった。


見た。


空気の匂いを嗅いだ。


それから、牙の見える大きな笑みに変わった。


「おー」


アイリは指を唇に当てた。


「静かに」


「嫌」


「メイ」


「嫌」


五秒後には、ほとんど全員が目を覚ましていた。


リニが最初に身を起こし、眠そうに瞬きし、なぜか自分の方が真っ赤になった。


「アイリ……?」


テリが肘をついて身を起こした。


「あら」


ベラは数秒ただ見つめ、それから言った。


「とても似合っています」


壁際に座っていたノエルは、ほとんど職業的な注意深さで変化を評価した。


「顔の印象が違います。神殿めいた感じが薄くなって、危険が増えました」


シリアンは片目を開けた。


次にもう片方も開けた。


それからゆっくり起き上がった。


「何をしたの?」


アイリは微笑んだ。


「色を変えたの」


「なぜ?」


「愛しい人が口を滑らせたから」


全員が同時に彼を見た。ちょうど彼も後から部屋を出てきたところで、朝が長くなることをすでに理解していた。


メイが即座に振り向いた。


「口を滑らせた?」


「そう呼ぶべきではないと思う」


アイリが柔らかく言った。


「そうよ」


「何を?」とシリアンが尋ねた。


「前の世界では、赤毛で緑の目の女が好きだったと」


メイが毛布を掌で叩いた。


「そういうことか!」


リニは手で顔を覆った。


テリは静かに笑っていた。


ベラは真面目な顔を保とうとして、できなかった。


ノエルは、新しい、ほとんどからかうような理解をこめて彼を見ていた。


扉のそばで横になっていたヘラが目を開け、アイリを見て、次に彼を見た。


「死すべき者よ。お前は愛の女神に、自分の好みについての情報を与えたのか」


「もう過ちだとは理解している」


「遅い」


シリアンがアイリの周りを歩いた。


「興味深いわ。白い髪の時は、その厚かましさが神々しいものに見えた。赤毛だと、自然なものに見える」


メイが珍しく真面目に頷いた。


「うん。アイリのいつもの厚かましさが、なぜか前より似合う」


アイリは顎を上げた。


「私の厚かましさは、いつだって似合っているわ」


「だからだよ」とメイが言った。「今は外見と一致した」


リニは手を下ろし、アイリをもっと注意深く見た。


「本当に、彼の言葉で自分を変えたんですか?」


「それだけではないわ」


「他には?」


アイリは考えた。


「好奇心。欲望。楽しみ。できるから。彼が一瞬、世界があまりにも気前よくなりすぎたみたいな顔をしたから」


彼は咳払いした。


「そんな顔はしていない」


全員が彼を見た。


ヘラまで。


「していたわ」とアイリが言った。


メイも満足げに足した。


「絶対してた」


「お前は見ていないだろ」


「でも信じる」


ベラが柔らかく尋ねた。


「アイリ自身は、気に入っているんですか?」


アイリは赤い髪の房を取り、それを見てから微笑んだ。


「ええ」


「なら、良いことです」


ベラはいつものように、そこで問題の核心を閉じた。


本人が気に入っているなら、問題ではない。


もし彼のためだけにしたのなら、もっと不安だっただろう。


だがアイリは、新しい形を彼の反応と同じくらい楽しんでいた。リニとテリが普段使っている小さな鏡の前でくるりと回り、緑の目、赤い髪、変わった顔の印象を確かめている。


「不思議ね」


彼女が言った。


「何がですか?」とテリが尋ねた。


「色が変わると、身体が世界の中でどう感じるかまで変わるの。白はもっと高く、遠かった。これは……火と土と悪い決断に近いわ」


ヘラが鼻を鳴らした。


「赤毛は、根拠もなく自分を火に近いと思いがちだ」


アイリは彼女を見た。


「嫉妬?」


「竜は嫉妬しない」


シリアンとメイが同時に言った。


「嘘」


ヘラが眉を上げた。


「慎め」


メイはくすくす笑った。


シリアンは砂糖がけの木の実を食べた。


アイリは彼へ向き直り、まったく無邪気に尋ねた。


「愛しい人、本当に気に入った?」


「ああ」


彼女は微笑んだ。その笑みで、これから定期的に利用されると分かった。


「よかった」


リニがテリに小声で言った。


「これは、もっと危なくなった気がします」


「ええ」とテリが答えた。「でも綺麗です」


ノエルが付け加えた。


「そして目立ちます」


彼はため息をついた。


「それはよくないな」


アイリが嬉しそうに言った。


「なら、ギルドへ行きましょう」


「なぜ?」


「人がどう見るか、確かめたいの」


「もちろん、そうだろうな」


「私は愛の女神だもの」


「それは万能の言い訳か?」


「かなり優秀なものの一つね」


---


ギルドへ行ったのは、昼近くになってからだった。


全員ではない。それはもう、街の噂を避けるにはほとんど不可能になりつつあった。だが、それでも十分大きな人数だった。彼、リニ、メイ、ベラ、アイリ、シリアン、ノエル。テリは薬草の世話のために家へ残り、ヘラは肉と一緒に残った。「今日は街が私なしで生き延びるか見てやる」と、妙な宣言をして。


道中、アイリは視線を集めた。


そして楽しんでいた。


粗くではない。


崇拝を必要としている者のようにでもない。


むしろ、新しい世界の見え方を初めて身にまとった女が、それが他人の目にどう映るか確かめているようだった。赤い髪は、彼女を別の意味で目立たせた。白いアイリは、ほとんど近づけない存在に見えた。赤毛のアイリは、危険なほど手が届きそうに見えた。相変わらず美しすぎるが、今は神殿めいているのではなく、生きていて、温かく、大胆だった。


メイは隣を歩き、ほとんど誇らしげだった。


「今の人たちの見方、近づきたいけど歯を折られるのが怖いって感じだね」


「前は?」とアイリが尋ねた。


「前は、祈りたいけど、やっぱり歯を折られるのが怖いって感じ」


「改善?」


「あなたにとってはね」


シリアンが考え深げに言った。


「同意するわ。この姿の方が家に合っている」


「なぜだ?」と彼が尋ねた。


「私たちの家族は白い神殿じゃないから。騒がしくて、牙があって、熱くて、変で、しばしば行儀が悪い」


ベラは反論しかけた。


考えた。


やめた。


リニが微笑んだ。


「たぶん、そうですね」


ノエルが静かに言った。


「読み取りやすくなりました」


アイリが彼女へ顔を向けた。


「どういう意味?」


「前は、美しさが視線を逸らさせていました。今は性格がより早く見えます」


アイリは明らかにそれを評価した。


「良い観察ね」


「職業的なものです」


「ありがとう、暗い娘」


ノエルは目を細めた。


「私は娘ではありません」


メイがすぐ牙を見せた。


「もちろん」


ノエルは彼女を見た。


次に彼を見た。


そして受け入れた。ただし表面上だけだった。


ギルドは騒がしかった。


いつも通りに。


ルシアは受付台の向こうで、依頼失敗は失敗ではなく「戦術的な結果変更」だったと説明しようとしている冒険者と話していた。ルシアの顔からして、もし彼が黙らなければ、彼女が彼の顔も含めて結果を変更するところだった。


彼女は視界の端で彼らに気づいた。


頷いた。


それから視線がアイリの上を滑った。


ルシアの声が止まった。


大きくではない。


だがルシアにしては、壊滅的に目立つ止まり方だった。


受付台の前の冒険者は、すぐその隙を利用しようとした。


「ですから、俺が言ったように……」


「黙ってください」


ルシアはアイリから目を離さないまま、自動的に言った。


彼は黙った。


アイリは微笑んだ。


赤毛で。


緑の目で。


完全に満足げに。


「こんにちは、ルシア」


ルシアはさらに一秒だけ彼女を見ていた。


それから、顔を仕事用に戻した。


「こんにちは」


間。


「姿を……変えたのですね」


「ええ」


「かなり大胆に」


「愛しい人が気に入ってくれたの」


メイは掌で口元を覆ったが、肩はもう震えていた。


ルシアは彼を見た。


職業的に。


落ち着いて。


ほとんど。


「なるほど」


だが、明らかに分かってはいなかった。


それは、愛の女神が彼の好みに合わせて髪と目の色を変えたという事実だけのせいではなかった。それがルシアの中の、単なる驚きより深いものに触れたのだ。何か不明瞭で、嫌なほど個人的なものに。


以前のアイリは不可能だった。


白髪で、天上の存在で、あまりにも美しく、あまりにも遠かった。確かに彼女は家族に入った。だがルシアにとっては、別の階層の存在のままだった。女神。引き下がっても恥ではない相手。空と競うことはできない。


けれど今は。


赤毛で、緑の目で、生きていて、笑っていて、彼へ向かう意志をあまりにも隠さないアイリがいた。


神性が薄れたわけではない。


だが、なぜかより地上のものになった。


より女になった。


そのせいで、比較はより痛くなった。


ルシア自身も、何が刺さったのか理解していないようだった。彼女は一瞬だけ帳簿へ視線を落とし、あまりにも丁寧にページをめくって言った。


「報告ですか、それとも依頼選びですか?」


「今は顔を出して、急ぎがないか確認するだけだ」


「急ぎはありません」


声は平らだった。


平らすぎた。


「カイレンから伝言です。アイクに関する書類は、王都からまだ戻っていません。王の官房が写しを持っていきました。ギルドは返答待ちです。ラウレン遺跡の確認は済み、報酬は用意されています」


彼女は硬貨の袋を取り出し、受付台に置いた。


メイが手を伸ばすと、ベラが先に取った。


「私が持ちます」


「手伝おうとしただけ」


「知っています」


アイリはルシアから目を離していなかった。


そして久しぶりに、すぐには何も言わなかった。


それから柔らかく言った。


「あなたには、その整った姿勢が似合うわ。でも、いつもそんなに強く自分を固めていなくてもいいのよ」


ルシアが固まった。


今度は受付台の周囲の空気が重くなった。


彼はすぐ言った。


「アイリ」


女神が彼へ顔を向けた。


そして止まった。


理解した。


境界。


許可なく読まないこと。


その柔らかい場所に触れるなら、結果に責任を持つ覚悟がある時だけにすること。


アイリはゆっくり頷いた。


「ごめんなさい、ルシア」


ルシアは彼女を見ていた。


それから、ほとんど分からないほど息を吐いた。


「受け入れます」


それもまた重要だった。


彼女は「何でもありません」とは言わなかった。


アイリが当てたことをなかったことにはしなかった。


ただ謝罪を受け入れた。


シリアンは興味深そうに見ていた。


メイはもう笑っていなかった。


リニは、自分が何もしていないのに申し訳なさそうな顔をしていた。


ルシアは素早く報酬の手続きを終えた。


「今週、あなた方の組向けの大きな依頼はありません。それと、個人的な意見を許していただけるなら、『死の静寂』の家には数日の静けさが必要だと思います」


「全面的に同意する」


彼は言った。


「驚きました」


「何が?」


「あなたが良識に同意したことです」


「俺も時々はできる」


「珍しい現象として記録しておきます」


メイが鼻を鳴らした。


緊張は少し緩んだ。


だが完全ではなかった。


彼らが受付台から離れかけた時、ルシアがふいに言った。


「アイリ」


女神が振り向いた。


「何?」


ルシアは彼女の赤い髪を見た。


次に、緑の目を見た。


「本当に、似合っています」


アイリは微笑んだ。


今度は遊びなしで。


「ありがとう」


「でも、白も似合っていました」


アイリは少し頭を傾けた。


「知っているわ」


「なら、いいです」


それだけだった。


だが、なぜか、それ以上のもののように響いた。


通りへ出ると、最初に耐えきれなくなったのはメイだった。


「ルシア、嫉妬したね」


「メイ」


ベラが言った。


「何? みんな気づいたでしょ」


リニが静かに言った。


「そう言わない方がいいです」


ノエルが付け加えた。


「本人もまだ理解していません」


シリアンは考え深げに微笑んだ。


「理解しているわ。ただ認めていないだけ」


アイリは黙って歩いていた。


彼は彼女を見た。


「どうした?」


「考えているの」


「何を?」


「髪の色を変えることが、魔法より強く誰かの心に触れることもあるのだと」


「ルシアか?」


「ええ」


「お前のせいじゃない」


「知っている。でも、それは慎重でなくていい理由にはならないわ」


彼は驚いて彼女を見た。


アイリは気づいた。


「何?」


「今のは、とても神らしくなかった」


「学んでいるのよ」


メイが鼻を鳴らした。


「うちの女神が成長してる」


「私は、あなたたちの王家の多くより年上よ」


「なのに起きるのは子供より下手」


アイリは微笑んだ。


「それは魅力の一部よ」


「問題の一部だよ」


彼は彼女たちの隣を歩きながら、自分たちの家の穏やかな日常は、どうやら本当の意味で穏やかになることはないのだろうと思った。


髪の色を変えるだけで、ギルドと、家族と、ルシアと、彼自身の正気にまで影響が出る。


アイリが彼の視線を捕まえた。


赤い髪の一房が頬へ落ちている。


緑の目が笑っていた。


「愛しい人」


「ああ?」


「今でも、赤毛の話はしない方がよかったと思っている?」


彼は彼女を見た。


次に、もう先に笑っているメイを見た。


答えを待っているシリアンを。


笑みを隠しているリニを。


報酬を持っているベラを。


聞いていないふりをしているノエルを。


「愛の女神の前では、もっと慎重に言葉を選ぶべきだと思っている」


アイリは近づき、彼の腕を取り、満足げに言った。


「遅いわ」


そして彼女は、完全に正しかった。

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