第二章
日が沈む頃には、その日が二人に何の猶予も与えるつもりがないことがはっきりした。
太陽はほとんど見えなかった。重い灰色の雲の向こうを這うように動き、時折、曇った硝子の向こうにある古い灯りのような鈍い斑点となって透けるだけだった。影の位置、空の色、そして森が少しずつ奥行きを失っていく様子から、彼は理解した。暗くなるまで、もう一時間もない。運が良ければ一時間半。
今日の運はすでに十分奇妙な形で使われていたので、その続きを当てにする気にはなれなかった。
彼は古い道の端で足を止めた。
道は石でできていたが、長く放置されていたのか、あるいは単にめったに使われていないのか、敷石はところどころ沈み、隙間から硬い草が生え、木の根が石を持ち上げて瘤のようにしていた。森を進むよりは歩きやすい。だが、あまりに開けている。誰か、あるいは何かが二人を探すなら、道は最初に出てくる場所になる。
一方で、森も安全そうには見えなかった。
密生しているわけではない。息苦しい森でもない。掻き分けなければ進めないほどの藪もない。木々は広い間隔で立ち、力強い黒い幹を持ち、上は暗く下は銀色を帯びた広い葉を広げていた。風が梢を揺らすたび、頭上ではどこか高いところで乾いた布をめくっているような、鈍いざわめきが絶えず流れた。木々の間には膝までの草、羊歯、赤みを帯びた枝を持つ低い灌木が生えていた。地面は最近の雨で湿り、足の下で柔らかく沈んだ。
美しい。
そして、不快だった。
見られる場所が多すぎる。まだ聞き分けられない音が多すぎる。以前の人生では、森は森だった。蚊、ダニ、濡れた靴下、焚き火、鉄の杯で飲む茶。ここでは、森は未知の体系だった。慣れた細部の一つ一つが、罠、毒、餌、あるいは何者かの縄張りである可能性を持っていた。
ハズレットから渡された知識は、時折、頭の中で断片として閃いた。
葉脈が赤いなら、蝋のような膜を帯びた実は食べるな。
石樺の白い皮を折るな。匂いが小型の腐肉食いを呼ぶ。
風もないのに草が円形に倒れていたら、迂回しろ。
夕暮れに短い三つの舌打ちのような音を続けて聞いたら、音で返すな。
それらは普通の記憶としてではなく、他人の服の懐に押し込まれた他人の書きつけのように現れた。探り、広げ、筆跡を読み解かなければならなかった。時には役立つものが見つかった。時には答えの代わりに、南区の徴税吏と西区の徴税吏を印章の紐の色で見分ける方法、ロヴェン街道沿いの宿屋で昼過ぎに麦酒を頼むべきではない理由、三つの異なる州で葬儀の帯を染めるのに使う草の種類といった、役に立たない知識の束が浮かび上がった。
頭が痛んだ。
常にではない。波のように来た。何かを意図して思い出そうとするたび、内側でむき出しの床の上を家具が引きずられるような感覚がした。
リニは彼の少し後ろ、右側を歩いていた。
彼女はほとんど話さなかった。力よりも意地で立っているように見えた。外套を頭から被り、三つ編みを隠していたが、亜麻色の髪が数本こぼれて頬に張りついていた。埃と血と疲労のせいで、彼女の顔はさらに青白く見えた。灰色の目は足元を見ていたが、空っぽではなかった。彼女は森の音を聞いていた。あまりにも張り詰めて。
時々、彼女の周囲で何かが起こった。
必ずしも目立つものではなかった。閃光でも、雷でも、輝きでもない。近くの灌木の葉が、ほかの葉よりも強く震える。足元の細い枯れ枝が、理由もなく折れる。空気が一瞬だけ濃くなり、雷雨の前のように耳が詰まる。
彼女はそのたびに身を震わせた。
つまり、気づいていた。
つまり、恐れていた。
彼はまだ尋ねなかった。
まずはもっと単純なことを決める必要があった。水。寝場所。火。道からの距離。眠っている間に死なない可能性。
作業の順序は、常に恐慌より重要だ。
「水が必要だ」
彼は言った。
「それと、夜を越す場所も」
リニが顔を上げた。
「はい」
声は乾いていた。
「この辺りに水はあるか?」
彼女は周囲を見回した。答えは当然見えるべきものなのに、自分にはそれが見えない、とでもいうように戸惑っていた。
「分かりません。この場所には来たことがありません」
彼は頷いた。
「なら探す」
「暗くなるまで、あまり時間がありません」
「だから走らず、急いで探す」
彼女は何かを言いかけたが、やめた。
二人は道を外れた。
最初、彼はほとんど勘で進んだ。朝に必要なら目印へ戻れる程度には近く、しかし道から見えない程度には離れる。その大まかな方向だけを頭に置いていた。そのうち耳を澄ませるようになった。以前の世界でも、森の中の小川は見えるずっと前に自分の存在を知らせることがあった。細い水音、空気の冷たさ、植生の変化。ここでもそれは通じるかもしれない。あるいは通じないかもしれない。
森は二人を無関心に受け入れた。
足元では湿った土が音を立てた。梢のどこかで鳥たちが鳴き交わしていた。一度、前方で長い尾と縞のある背を持つ小さなものがちらりと動いたが、すぐに草の中へ消えた。リニはあまりにも急に立ち止まったので、彼も止まった。
「何だ?」
「分かりません」
「危険か?」
彼女は自分自身か、あるいは森に耳を澄ませた。どちらなのかは分からなかった。
「たぶん、違います」
彼はその「たぶん」を記憶し、先へ進んだ。
二十分ほどすると、暗さがはっきり濃くなった。幹の間の灰色の光が重くなった。森は遠景を失い、昼には空間だったものが、暗い斑点の連なりに変わっていった。鳥たちは静まり始めた。代わりに、別の音が現れた。小さく、乾いた、擦れるような音。
水はまだ見つからなかった。
彼は苛立ち始めた。
森に対してではない。リニに対してでもない。状況に対してだった。一時間前まではそのための言葉さえ存在しなかったような問題を、いま解かされていることに。頭の中に老魔導士の経験があるのに、近くの小川に関する単純な情報をそこから取り出せないことに。実際にはそれほど長く歩いていないのに、身体が丸一日歩いたように疲れていることに。
そしてもう一つ。彼の中のごく小さな、しかしはっきりした部分が、ここ数年よりも生きていると感じていることに。
それが一番腹立たしかった。
「怒っているのですか?」
リニが尋ねた。
彼は振り返った。
「お前にではない」
彼女は納得していないようだった。
「私は分かっています。もし……」
「始めるな」
言い方が鋭かった。鋭すぎた。
彼女は黙った。
彼は息を吐き、顔を手でこすり、もっと落ち着いて話すよう自分に強いた。
「俺は怒っている。状況が悪いからだ。自分がどこにいるのかよく分からないからだ。頭の中が、爆発した他人の屋根裏みたいになっているからだ。そしてもうすぐ暗くなるのに、水がまだないからだ。お前に怒っているわけじゃない」
リニは数秒彼を見つめ、それから小さく言った。
「分かりました」
少し間を置いて、彼女は付け加えた。
「でも、その一部はやはり私のせいです」
彼は反射的に「馬鹿なことを言うな」と言いかけて、止まった。
第一に、それはあまりに簡単だった。
第二に、それが完全に嘘だとは言い切れなかった。
「どの部分が?」
彼は尋ねた。
彼女は視線を落とした。
「襲撃。逃走。門が違う場所へ開いたこと。おそらく、今も……」
右手のほうで枝が小さく鳴った。
二人とも止まった。
一秒。
もう一秒。
何もなかった。
ただ葉を揺らす風だけだった。
彼はゆっくり彼女へ向き直った。
「今も、何だ?」
リニは外套の端を握った。
「ハズレット様は、私が疲れていたり怯えていたりすると、私のそばにいるのは危険だと言っていました」
「なぜだ?」
彼女は黙った。
彼は急かさなかった。ただ待った。
ようやく、彼女は言った。
「私には魔力が多すぎるのです」
まるで病を告白するような言い方だった。
彼は頭の中で、他人の知識の断片が動くのを感じた。魔力。魔力源。伝導。容量。回路。暴発。言葉は列を作ったが、まだ意味が足りなかった。
「多すぎるというのは、問題なのか?」
リニは苦く笑った。彼女の顔にその笑みはほとんど不自然だった。
「制御できなければ、はい」
「何が起きる?」
「何も起きないこともあります。物が壊れることもあります。形を持たない魔法が勝手に生まれることもあります。それは誰を傷つけるか選びません。木を撃つこともあります。壁を撃つこともあります。人を撃つこともあります」
彼女は平静に話していたが、外套を掴む指は白くなっていた。
「それから?」
リニは暗くなっていく森を見た。
「魔物の中には暴発を感じ取るものがいます。特に、魔力が生で、閉じられていない時は。血の匂いに獣が寄ってくるように、それへ寄ってきます」
よし。
これで最初の正直な答えだ。
それで楽になったわけではない。
「眠っている時にも起きるのか?」
「いいえ」
答えが速かった。速すぎた。
それから、彼が気づいたことを恐れたように、彼女は付け加えた。
「少なくとも、魔法は。眠っている時、魔力源は落ち着くのです。ハズレット様はそう言っていました。ただ、その前に私がひどく……その日が悪すぎると、痕跡が残ることがあります」
「そして魔物はその痕跡を追える」
「はい」
彼は頷いた。
悪態をついても意味はなかった。状況に新しい条件が加わっただけだ。彼のそばには、探されているかもしれない疲れ果てた少女がいるだけではない。土地の獣たちにとっての歩く目印でもある。強い緊張の中では、どこへ飛ぶか分からない雷を偶然放つかもしれない目印だ。
彼に向かって飛ぶことも含めて。
「人間も怒ることがあるか?」
彼は尋ねた。
リニは唇を噛んだ。
「そばで何かが起これば、はい」
「お前が望んだことではなくても?」
「望んでいなければ、なおさらです。意図した魔法なら、少なくとも説明はできます」
彼は思わず薄く笑った。
「筋は通っている」
彼女は困惑して彼を見た。
「笑うところではありません」
「笑ってはいない」
「笑いました」
「いつも同じ意味ではない」
彼女は返す言葉を見つけられないようだった。
彼はまた歩き出した。
数分後、森が変わり始めた。草は低くなり、足元の地面はさらに柔らかくなった。木々の間に羊歯が増え、空気が冷たくなった。彼は足を止め、耳を澄まし、ようやく細い水音を捉えた。
不確かで、葉擦れの下にほとんど隠れていた。
だが水だった。
「あっちだ」
彼は言った。
小川はすぐには見つからなかった。最初に二人が出たのは、苔に覆われた黒い石の帯だった。それから、細長い葉を持ち、苦い匂いを放つ灌木の茂みを迂回する必要があった。その後でようやく、二本の巨大な木の根の間に水が見えた。
小川は細いが、生きていた。冷たく澄んだ水が石の上を流れ、ところどころ小さなくぼみに溜まっていた。岸には草と小さな白い花が生えていた。少し斜面を上がったところに、下枝を広げた大きな木の下、比較的乾いた場所があった。枝は自然の屋根のようになっていた。
悪くない。
完璧ではない。だが夜は、完璧かどうかなど聞いてくれない。
彼は周囲を見回した。
道からは離れている。水はある。場所は小川より少し高い。夜に雨が降っても流されることはない。木は大きく、枝分かれも使えそうだった。登ってその上で眠ることもできるかもしれない。
彼は見上げた。
枝は広く張っていたが、樹皮は滑りそうで、高さもそれなりにあった。眠っている間に落ちれば、首か腕を折る。身体を縛るか。腰帯と外套以外に使えるものはない。今のリニを木の上へ上げることはできるかもしれないが、大した意味はない。もし襲ってくるものが登れるなら、むしろ悪くなる。登れないなら、地上の焚き火と警戒で十分だ。
警戒。
その言葉が頭の中の何かに引っかかった。
彼は眉をひそめた。
何かあった。機械的なものではない。魔法のものだ。最も簡単な警戒の術式。信号となる結界。周囲に張る糸。防壁ではない。防壁は力と安定とまともな制御を必要とする。だが警戒結界は止めない。境界を越えたことを知らせ、込められた印を引く。
彼はその考えを掴もうとした。
滑り落ちた。
代わりに、ハズレットが昔、ある少年の弟子に閉じた回路と封じた印の違いを説明していた記憶が浮かんだ。少年は鈍く、頑固で、鼠を怖がっていた。まったく不要な細部だった。
「後だ」
彼は自分に言った。
「何がですか?」
リニが尋ねた。
「お前に言ったんじゃない」
彼女は疲れた顔で頷いた。まるでそれだけで十分説明になったかのように。
彼は、もう自分のものとは感じられない荷を肩から下ろした。小さな背嚢だ。ハズレットがリニと一緒に押し出したものか、あるいはもともと彼女が持っていたものだろう。おそらく後者だ。リニはここまでずっと耐えてきたが、今は足がついに続行を拒否したかのように座り込んだ。
「何があるか見せてくれ」
彼は言った。
彼女は背嚢を開けた。
中には畳まれた予備の布、乾パンか硬い平焼きパンのようなものが入った小さな革袋、木の鞘に収まった細い小刀、干した薬草の袋、紐の巻き束、厚手の布切れ、塩のようなものが入った小箱、黒ずんだ金属の杯、油紙に包まれた干し肉の細片、そして彼には用途の分からないいくつかの品が入っていた。
多くはない。
だが空でもなかった。
「これで全部か?」
リニは頷いた。
「急いで逃げたので」
「水は沸かしてから飲む。小川はきれいだが、この辺りで何が寄生虫扱いされるのか分からない」
リニは驚いた。
「寄生虫?」
「水の中にいる小さな厄介者だ。後で死ぬか、長い間、死んだほうがましだったと思う羽目になる」
彼女は少し顔をしかめた。
「流れの速い小川の水は、普通は飲みます」
「普通というのは、土地を知っている人間にとっては素晴らしい言葉だ」
彼は立ち上がった。
「座っていろ。場所を作る」
「私も手伝えます」
「手伝える。だがまず二分座って、ふらつくのをやめろ」
彼女は反論しようとしたが、どうやらその力を見つけられなかった。
彼は野営の準備に取りかかった。
そしてここで、今日初めて少しだけ楽になった。
安全だからではない。課題が理解できるものだったからだ。水、火、寝床、風除け、熱。これらは以前の世界のものだった。完全に同じではないが、十分近かった。手は頭が考えるより先に覚えていた。
彼は木の下、しかし幹には寄りすぎない場所を選んだ。根が寝る邪魔になるからだ。まず濡れた葉、小枝、石を取り除いた。次に、覆いかぶさった灌木の下から、やや乾いた枝を集めた。湿ったもののほうが多かったが、樹皮の下の木質が使えるものもあった。白樺の皮、あるいはその土地の白樺に似たものを見つけた。薄く層になって剥がれ、樹脂の匂いがした。他人の知識が告げた。よく燃える。苦い煙が出る。吸い込みすぎるな。
焚き火は小さくすることにした。明るすぎず、遠くから見えないものだ。穴を掘る道具はないので、小川で拾った石を周囲に並べ、その内側に細枝で小さな円錐を組んだ。
火打ちもなかった。
火をつける道具もない。
彼は一瞬、固まった。
それから頭の中に、火種を得るいくつかの方法が浮かんだ。普通の人生なら半日と大量の悪態を費やしただろう方法も含まれていた。だがここには魔法があった。異物で、分かりにくく、そして見たところ今は役に立たない魔法が。
「火をつけられるか?」
彼はリニに尋ねた。
彼女は青ざめた。
「できます」
間が悪かった。
「だが?」
「あまり、やらないほうがいいです」
「なぜだ?」
「小さな火が、いつも小さいままとは限らないので」
彼は組んだ枝を見た。
それから頭上の木を見た。
「分かった」
頭の中を探すしかなかった。
呪文ではない。技術だ。最も簡単なもの。火花。熱の一点。ハズレットの弟子たちなら、おそらく文字をまともに書くより早く覚える子供の技だ。図式はほとんどすぐに見つかった。魔力を一点に集め、短い線に沿わせ、圧縮し、放つ。
簡単だ。
試すまでは。
彼は焚き火の前に座り、手を差し出して集中した。
何も起きなかった。
正確には、内側に何かは感じた。新しい魔力源。小さいが澄んでいる、とハズレットが言っていたものだ。胸のどこか、心臓の少し下、あるいはそもそも胸ではない場所。身体はまともな座標をくれなかった。彼は他人の記憶が示す通りに、そこから力を引こうとした。
何も起きなかった。
肋骨の奥に軽い圧迫感と苛立ちがあるだけだった。
彼はもう一度試した。
ゼロ。
三度目で、指先に短い痺れが走った。火花はなかった。
「素晴らしいな」
彼は言った。
リニは彼を注意深く見ていた。
「手から出そうとしています」
「手からではだめなのか?」
「手からでもできます。でも、あなたは……押して開ける扉を肩で押しているように見えます。本当は引く扉なのに」
彼はゆっくり顔を向けた。
「とても分かりやすい説明だ」
彼女は困ったように目を伏せた。
「すみません。説明が下手で」
「いや、たとえはいい。ただ、今の俺にはまだ楽にならないだけだ」
背嚢の中から、金属の差し込まれた小さな滑らかな石を見つけた。どうやらそれは火打石、あるいはそれに近いものだった。リニが使い方を教えた。火花は弱かったが、何度か試すうちに樹皮が燃え、それから細枝へ移り、焚き火は自分で生き始めた。
火は小さく、貪欲で、不安定だった。
だが、火だった。
それだけで少し落ち着いた。
彼は焚き火のそばに、少し太い枝を何本か置いて乾かし、それから寝床に取りかかった。リニの小刀で枝を切るのはやりにくかったが、不可能ではなかった。彼は切るより、枯れ枝を折り、土地の針葉樹めいた灌木の枝、広い葉、根の下で乾いていた草を集めた。まず太い枝を横に並べ、身体を湿った地面から離した。その上に細い枝を重ね、さらに草と葉を敷いた。粗末だが、濡れた地面に直接寝るよりはましだった。
寝床の後ろ、焚き火と反対側に、彼は枝を斜めに地面へ差し込み、草としなやかな細枝で編んだ。歪んだ熱返しの壁ができた。以前の世界で、彼はこういうものを野営の動画で見たことがあり、興味本位で何度か自分でも作ったことがあった。今は興味ではない。必要だった。
リニは黙って手伝った。枝を渡し、紐をほどき、乾いた草を集めた。何度か彼女はふらつき、彼はまた座れと命じたくなったが、言わなかった。作業は、ただ待つよりも彼女の意識を保たせていた。
隠れ場所がどうにか隠れ場所らしくなった頃には、木々の間にもう暗闇が濃くなっていた。
焚き火は小川に小さな橙色の光を映していた。
周囲の森は別のものになっていた。
昼は未知だった。夕暮れには、見ているものになった。
彼は再び頭上の木を見た。
「木の上のほうが安全ですか?」
リニが尋ねた。
つまり、彼の視線に気づいたのだ。
「分からない。地上のものに襲われるなら、そうだ。登れるものなら違う。俺たちが落ちれば、まったく違う。お前は枝の上で眠れるか?」
彼女は正直に考えた。
「分かりません」
「俺もだ。なら、今は地面だ」
「夜に誰かが来たら?」
「それを考えている」
彼は焚き火のそばに座り、手を熱へ向け、また頭の中へ潜った。
結界。
違う。結界は複雑すぎる。安定した回路、地面への固定、維持、構造の理解が必要だ。今の彼では、美しく意識を失うことくらいしかできない。
警戒。
警戒結界。
どこだ。
記憶は抵抗した。彼が「信号」を探すと、東の修道院の塔にある鐘の話が出てきた。「結界」を探すと、畑の境界に関する知識が引き出された。「警戒の術式」を思い出そうとした時、ようやく何かが噛み合った。
円周に沿った細い回路。盾ではなく、感知する糸。四点へ結ぶ。最も簡単な反応の印を込める。境界を越えられた時、術者の意識へ衝撃を返す。音を付けることもできるし、付けないこともできる。侵入者に気づかれたと知らせたくないなら、音なしのほうがいい。
よし。
図式は理解できた。
問題はいつも通りだった。図式を理解することと、実行することは別だ。
彼は立ち上がり、野営地の周囲に四つの点を選んだ。小川のそばの石、木の根、二股の幹を持つ灌木、平たい岩。それらの間を歩き、円を見積もった。大きすぎれば維持できない。小さすぎれば時間が稼げない。最終的に、差し渡し二十五歩ほどの範囲にした。完璧ではないが、何もないよりはよかった。
リニが見ていた。
「何を張るのですか?」
「警戒結界だ」
彼女は驚いた。
「もう見つけたのですか?」
「説明書を見つけた。できるという意味じゃない」
「初めてには難しい術式です」
「他に選択肢があるか?」
彼女は答えなかった。
彼は最初の石のそばに立ち、その上に手を置き、魔力源を開こうとした。
また何も起きなかった。
胸の奥の圧迫感。指先の熱。外へは出ない。
彼は悪態をついた。
リニがびくりとしたが、黙っていた。
彼は別のやり方を試した。押すのではなく、彼女が言ったように「引いて開ける」。内側から外へ出す流れではなく、自分に向かって扉を引くように想像した。意味がなかった。比喩というものは、すでに何をしているか分かっている者には役立つ。
二度目の試みで、石がかすかに震えた。
あるいは、そう思っただけかもしれない。
三度目で、めまいがした。
四度目で、怒りが湧いた。
彼は石から離れ、しゃがみ込み、地面を睨んだ。
「構造は分かる」
彼は言った。
「どう動くべきかも見える。だが、何でそれを動かせばいいのかが分からない。塔の設計図を渡されたのに、道具の代わりに濡れた紐しかないみたいだ」
リニが慎重に近づいてきた。
「魔力源は感じますか?」
「たぶん」
「どこに?」
彼は自分の胸を指で示した。
「だいたいここだ。あるいはここじゃない。分からない」
彼女はそれが普通であるかのように頷いた。
「流れは?」
「ない」
「まったく?」
「時々、指が痺れる」
「それは流れではありません」
「分かっている」
彼女は彼の前に膝をついた。焚き火の光が下から顔を照らし、目をより暗く見せていた。夕闇の中で、彼女はさらに若く、同時にさらに年を取って見えた。長すぎる一日を過ごした人間に起こることだ。
「見せることはできます」
彼女は言った。
「どうやって?」
彼女は両手を差し出した。
「取ってください」
彼は彼女の手のひらを見た。
細い指。指の関節の擦り傷。爪の下の泥。隠そうとしている弱い震え。
「安全か?」
リニは視線を逸らした。
「完全には」
「正直だな」
「私が慎重なら、大丈夫なはずです」
「今日はその『はず』を何度も聞いた気がする」
彼女は申し訳なさそうに縮こまった。
彼は息を吐いた。
「いい。何をすればいい?」
「抵抗しないでください。そして、すぐに制御しようともしないでください。ただ、どう流れるかを感じてください」
「それは魔力か?」
「はい」
彼は彼女の手を取った。
彼女の肌は冷たかった。
最初の数秒は何も起きなかった。焚き火がぱちぱちと鳴り、小川が音を立て、どこか暗闇の中で夜の鳥が鳴いていただけだった。
それから、彼の手のひらを通って流れが来た。
彼は熱を予想していた。あるいは電気のようなものを。あるいは痛みを。
それはそのどれとも違った。
最初に来たのは圧力だった。誰かが水門を開け、狭い水路に水が流れ込んだようだった。次に、光のない光。身体の内側、骨の中、血の中。リニの魔力は柔らかな細流ではなく、彼女が必死に細い糸へ絞ろうとしている大河として彼の中へ入ってきた。抑えられていても、それは巨大だった。不相応だった。あまりにも生々しかった。そこに悪意はなかった。だが、境界を教えられていない力があった。
彼は、なぜ彼女の周囲で物が壊れるのかを理解した。
頭ではなく、身体で。
自分の魔力源はそれに比べれば、石の下から湧き出したばかりの小さな泉のようだった。清らかで、冷たく、ようやく姿を現した程度のもの。彼女の力は、豪雨の後の山の川だった。
リニは青ざめた。
「すみません、私……」
「止めるな」
彼は絞り出した。
彼女は固まった。
「もっとゆっくり。できるなら」
流れが細くなった。
弱くなったのではない。ただ、耐えられるようになった。
彼は力が手のひらを通り、腕を上り、胸へ入り、自分の魔力源に触れ、その一瞬、それを内側から照らすのを感じた。これだ。扉ではない。梃子でもない。筋肉でもない。
呼吸。
いや、それも違う。
同意か。
忌々しい魔法の概念は、まともな言葉へ訳されることを拒んでいた。
彼は目を閉じた。
魔力は物質ではなかった。だが思考でもなかった。意図には応じるが、命令だけに従うわけではない。肺から空気を押し出すように押し出せるものではなかった。拳のように握り締めることもできなかった。形を与え、その形に沿って流れが道を見つけることを許さなければならなかった。
リニが彼の手を離した。
流れが消えた。
世界が鈍くなった。
彼は目を開け、数秒ただ呼吸した。
「今度は試してください」
彼女は小さく言った。
「まるで、俺が今のですべて理解したみたいに言うな」
「理解しなければならないわけではありません。でも、身体が覚えたかもしれません」
身体は確かに何かを覚えていた。
彼は立ち上がり、石のそばへ行き、冷たい表面に手を置いた。
押さない。
圧さない。
形。
点から点へ伸びる細い糸。力のための力ではない。意図は、境界を越えたものを知ること。止めることではない。撃つことでもない。ただ感じること。
彼は息を吸った。
内側のどこかで熱が震えた。
今度は流れた。
弱い。不安定な。錆びた蛇口から最初に出る水のような流れだった。彼は驚きでそれを手放しかけたが、なんとか保った。魔力は手のひらから石へ通り、そこにかすかな印を残した。目に見えるものではなく、感じるものだった。
「あります」
リニが囁いた。
彼は答えなかった。
崩すのが怖かった。
ゆっくり二つ目の点へ移った。木の根。そこではうまくいかなかった。流れは二度崩れ、一度は逸れ、根のそばの枯れ草が小さな火を上げた。彼は素早く踏み消した。
「笑うところじゃない」
彼は言った。
リニは黙っていたが、顔を見れば弱い笑みを堪えたのが分かった。
三つ目の点は四度目の試みでできた。
四つ目にたどり着いた時には、夜が冷えてきているのに彼は汗をかいていた。頭が唸っていた。胸は慣れない負荷を受けた後のように引きつっていた。だが図式は記憶に残っていた。石、根、灌木、岩。その間に、細く、ほとんど重さのない線。
残るは閉じることだけだった。
彼は最初の石へ戻り、そばに座り、四点を一つの結界へ繋ごうとした。
一度目は失敗した。
二度目も。
三度目で、頭蓋の内側を誰かに指で弾かれたような衝撃が来た。
彼は目を開けた。
森は暗かった。焚き火は小さかった。リニは寝床のそばに座り、張り詰めた期待を込めて彼を見ていた。
「できましたか?」
彼は耳を澄ませた。
最初は何もなかった。
それから、周囲の輪郭を感じた。
目ではない。耳でもない。意識の端に、弱い円が現れた。不揃いで、細く、ところどころほとんど切れかけている。兎より大きなものが通れば、おそらく彼は気づく。小さなものなら分からない。隠れる術を持つ強い魔物なら、なおさら分からない。
だが、それは結界だった。
彼の結界だった。
彼はゆっくり息を吐いた。
「できた」
リニは微笑んだ。
今度は本物だった。疲れ、弱々しかったが、その最初の一瞬には恐怖がなかった。
「ハズレット様なら、初めてでこれは不可能だと言ったでしょう」
「ハズレット様は今日、俺の可能不可能の統計をひどく壊した」
彼女の笑みは震えて消えたが、すぐではなかった。
彼は余計なことを言ったと気づいた。残酷だったわけではない。ただ、時を間違えた。
「すまない」
リニは首を横に振った。
「いいえ。あなたの言う通りです」
彼女は焚き火へ顔を向けた。
しばらく二人は黙った。
彼は金属の杯に水を入れて火にかけた。杯は軽く、底が黒ずんでいて、明らかに旅用のものだった。水が沸くと、リニが薬草の袋を取り出した。
「飲めるのか?」
彼は尋ねた。
「はい。疲れに効く薬草茶です。少し苦いです」
「今日の後なら、苦い薬草茶は贅沢に聞こえる」
彼女はひとつまみを熱湯に入れた。
香りはすぐに立ち上がった。草の香り、渋み、蜂蜜のようなものと針葉樹のようなものが少し混じっていた。茶ではないが、近かった。彼はしばらく置き、それから二人は一つの杯から順に、火傷しないよう気をつけながら飲んだ。苦みは確かにあったが、悪くなかった。温かさが身体に広がり、その時になって彼は、自分がどれほど冷えていたかを理解した。
食べ物は少なかった。
二人は硬い平焼きパンを二枚ほど、干し肉を一筋、そして小刀の先に乗る程度の塩を分け合った。肉は硬く、塩辛く、煙の匂いがした。平焼きパンは砕け、口の中を引っ掻いたが、胃はそれを贈り物のように受け入れた。
リニはゆっくり食べていた。自分に強いているように。
「もっと食べろ」
彼は言った。
「食料は少ないです」
「だから多くはない。だが今のお前は立っているのもやっとだ」
「あなたもです」
「俺は年を取っていて、性格が悪く、悪い燃料で動くことに慣れている」
彼女は最後の部分を明らかに理解していなかったが、口調は理解した。
「あなたは年寄りではありません」
彼は彼女を見た。
「ありがとう。だが今の重点はそこじゃない」
リニは視線を落とし、小さな平焼きパンの欠片をもう一つ取った。
食事の後、疲労は一気にのしかかってきた。
ゆっくりではない。優しくでもない。ただ身体が火と水と、いくらかの守りを見て、これで停止できると判断したのだ。だが眠るのは怖かった。
彼は焚き火を確かめた。太い枝を二本足し、そばにさらに数本を乾かすために置いた。寝床を確かめた。小刀に触れた。光の輪の外の暗闇を見回した。警戒結界は意識の端に弱い糸としてかかっていた。
それからリニを見た。
彼女は膝を抱えて座っていた。外套は肩を覆っていたが、寒さから完全に守ってはいなかった。目は閉じかけていた。彼女は眠気と戦っていた。まるで眠りもまた敵であるかのように。
「寝ろ」
彼は言った。
「あなたは?」
「俺もだ」
「誰が見張るのですか?」
「結界。焚き火。それから俺の疑り深さ」
「疑り深さ?」
「周囲が未知の森なら、役に立つ性質だ」
彼女は反論しようとしたが、あくびをした。
彼は薄く笑った。
「ほら。身体は同意している」
寝床は狭かった。
彼は別に、裸の地面に寝ようかと思ったが、すぐにそれが愚かだと分かった。湿った地面は一時間で熱を奪う。まともな外套は一枚、焚き火は一つ、気高い身振りをするには二人とも力が足りなすぎる。高潔さは素晴らしい。肺炎に変わるまでは。
「君は反射板のそばで寝ろ。俺は外側だ」
リニは固まった。
一瞬、彼女の目に、彼への恐怖ではなく、躾けられた羞恥が浮かんだ。境界、作法、他人の目に対する習慣だった。その後、疲労が勝った。
「分かりました」
彼女は横向きになり、背を熱返しへ、顔を焚き火へ向けた。彼はその隣、野営地の外側に近い位置に横になった。警戒があればすぐに起き上がれるように。外套は二人で一枚をかぶった。熱はほとんどなかったが、一緒なら耐えられる程度にはなった。
煙、湿った草、薬草茶、そして彼女の髪の匂いがした。埃、道、それからかすかに甘い何か。
彼は横向きに寝て、頭上の暗い枝を見ていた。
以前の人生なら、今頃はもう店から戻っていただろう。パンと、餃子のような冷凍食品と、もしかしたら水の瓶と安い菓子でも買っただろう。湯を沸かし、ノートパソコンを開いた、さらに一時間ほどくだらないものを眺め、それから自分の寝台で眠っただろう。朝になれば、いつも通り壊れたような感覚で、しかし見慣れた世界で目覚めたはずだった。
今、彼の上には異世界の木があった。
隣には、彼らのところへ魔物か、人間か、あるいは目的を持たない偶然の魔法を呼び寄せるかもしれない少女が眠っている。いや、眠ろうとしている。
頭の中には他人の人生の塊があった。
胸の内には小さな魔力源が脈打っていた。
そして周囲には、彼が初めて作った警戒結界が、細く歪んだ線として保たれていた。
彼はそれに耳を澄ませた。
静かだった。
森はざわめいていた。小川は石と話していた。焚き火はぱちぱちと鳴り、時折火の粉を飛ばした。リニは浅く、それでも規則正しく隣で息をしていた。眠ると、彼女の魔力源は本当に静まった。巨大な内圧が低くなり、荒い水が氷の下へ潜っていくようだった。
よし。
今日、何か一つくらいはよかった。
彼はもう一度、道筋、食料、脅威、彼女の魔力の奇妙さ、ハズレットの言葉、自分が元の世界から消えたことについて考えようとした。
だが思考は崩れ始めた。
眠りに落ちる前、最後に感じたのは、意識の端にある結界の弱い糸だった。
それは震えていた。
だが、保っていた。




