第十八章
その言葉を見つけたのは、ベラだった。
すぐにではない。
数日の間、彼女はいろいろな呼び方を試し、そのたびにどこかでつまずくようだった。
「先輩」は乾きすぎていて、ギルドの記録に似すぎていた。
「師匠」はもうリニのものだった。法律でも、禁止でもない。けれど内側の権利として、そうだった。ベラはそれを感じ取り、他人の形へ踏み込まなかった。
「主人」はメイのものだった。鋭く、捕食者めいて、首輪と契約と挑発、そして牙の隙間から光のように覗く奇妙な優しさを含んでいた。
ベラには、自分のものが必要だった。
オーガの後、彼女の歩き方は変わった。
誇らしげ、というほどではない。誇りには、まだ遠かった。だがもう、鎧の重さや、遅い歩幅や、場所を取りすぎる盾について、あらかじめ謝っているようには歩かなかった。彼女の重さは、邪魔ではなく約束になっていた。塔盾は修理され、調整された。革帯は正しく馴染んだ。オーガの打撃を受けた肩は治療師が診て、匂いの強い軟膏を塗り、二日は石壁のふりをするなと命じた。
ベラは一日だけ守った。
二日目、自分から訓練に来た。
「治療師は二日と言った」
彼が思い出させた。
「治療師は、今日の私の動きを見ていません」
「俺は見ている」
「全力でなければできます」
彼は彼女を見て、それから盾を見て、メイスを見た。
「時間は半分。構えと足運びだけだ」
ベラは、重要な命令を受けたように真剣に頷いた。
「はい、マスター」
言葉は自然に出た。
最初に固まったのは彼女だった。
メイが短剣を研ぐ手を止めた。
リニが訓練用の物から目を上げた。
彼も黙った。
ベラが赤くなった。
リニのような鮮やかな赤ではない。メイのような怒り混じりの赤でもない。濃く、苦しげで、皆の前であまりに私的なことを言ってしまったかのような赤だった。
「すみません」
彼女は早口で言った。
「考えずに言いました。別の呼び方にします」
彼は数秒、彼女を見ていた。
マスター。
奇妙な言葉だった。
「主人」ほど親密ではない。
「師匠」ほど、弟子として正確でもない。
そこには職人の重さ、仕事の重さ、形の重さがあった。自分を正しく組み上げる手助けをする者への呼び名だった。主ではない。所有者ではない。父でもない。指揮官でもない。
マスター。
ベラには合っていた。
「いや」
彼は言った。
「いい言葉だ」
彼女が目を上げた。
「いいんですか?」
「いい」
ベラは頷いた。
速すぎるほどに。
そして、急に革帯を確かめる必要ができたかのように、盾の方へ向き直った。
メイが低く鼻を鳴らした。
「これで、それぞれ自分の呼び方ができたな」
リニは彼を見て、それからベラを見て、柔らかく微笑んだ。
「はい」
彼はため息をついた。
「ルシアが、帳簿に俺のための別欄を作る気にならなければいいが」
「遅い」
メイが言った。
「あの女はもう全部見ている」
それは本当だった。
ルシアは本当に、見すぎるほど見ていた。
ギルドでの彼女の視線は、もう彼らを奇妙な新人組としてではなく、急速に形を変えつつある課題として見ていた。必要がなければ手を出さない方がいい課題だ。ベラが新しい依頼の報告をする時、ルシアの目には、ほとんど廃棄扱いされていた素材が突然、価値あるものだったと分かった人間の満足があった。
「死の静寂」は依頼を受け、そして戻った。
最初は、石の小川のそばに出た魔物だった。膨れ上がった蜥蜴のような姿をしていた。ベラが盾で удержえ、リニが土の棘で後ろ脚を貫き、メイが横腹を開き、彼が強化した刃で頭蓋の付け根へ止めを入れた。
次は、放棄された宿場の古い井戸の清掃だった。地元の者は幽霊だと思っていたが、実際には長い舌を持つ、目のない気味の悪い生き物の巣だった。狭い場所でベラが通路の中心になり、メイが横から潜ろうとするものを短剣で処理し、リニが粘液を焼き払い、彼は誰も骨ばった鋭い舌を喉に受けないよう全体を見ていた。
その次は、汚染された区域の境界近くにある珍しい薬草の採取人を護衛する仕事だった。ほとんど平和な依頼だった。茂みから小さいが危険なほど速い魔物の群れが飛び出すまでは。ベラが最初の突進を受け、メイが側面へ入り、リニは群れ全体を裂くのではなく、回り込もうとする個体を正確な空気の打撃で弾いた。
そして毎回、その後には反省、治療、報告、訓練があった。
そして褒め言葉も。
それは偶然ではなくなった。
彼は彼女たちの一歩ごとに頭を撫でたり、言葉をばら撒いたりはしなかった。けれど本当に重要なことをした時、抑えた時、役割を保った時、以前なら崩れていたところで崩れなかった時、彼は言った。
リニには、正確さを。
「いい娘だ。今日の火は、必要な分だけだった。それ以上じゃない」
彼女は目を伏せ、微笑み、静かに答えた。
「ありがとうございます、師匠」
メイには、規律を。
「いい娘だ。短剣と言ったら、本当に短剣で行った。歯で行きたかっただろうに」
「とても」
彼女は正直に答え、あからさまに頭を掌の下へ差し出した。
「でも私はいい娘だ」
「今日はな」
「いつもだ」
「調子に乗るな」
ベラには、踏みとどまったことを。
「いい娘だ。半歩も譲らなかった」
ベラはそのたびに、内側の何かがまだ信じていないのに、必死で信じたがっているように、その言葉を受け取った。
「ありがとうございます、マスター」
そして少しずつ、最も大きな緊張が消えていった。誰か一人への褒め言葉が、ほかの誰かから何かを奪うという恐れが。
リニは、彼がメイを撫でても、もう身を縮めなかった。
メイは、ベラが褒められることが自分には関係ないふりをしなくなった。
ベラは、リニが彼のそばにある唯一の場所を占めているかのように見るのをやめた。
彼女たちは今も違っていた。
とても違っていた。
鋭い角も、十分にあった。
それでも今は、全員が知っていた。
自分は見られている。
誰かの代わりではなく。
少なくもなく。
偶然でもなく。
それぞれの形で。
それは、彼が思っていた以上に重要だった。
そして危険でもあった。
なぜなら、そういうつながりが生まれる場所には、年齢でも、若返った身体でも、「偶然ここへ来ただけだ」という言葉でも振り払えない責任が生まれるからだ。
メイとの夜は、彼らの生活の一部になった。
毎晩ではない。
決まった予定でもない。
メイはそういうことに予定を好まなかった。彼女は来たい時に来た。彼が重い依頼の後で倒れ込みそうになっていないと見た時に来た。黙って来ることもあった。欲望をあらかじめ挑発に変えるような不敵な言葉とともに来ることもあった。ただ隣に横になり、彼がいつまでも記録をいじっていると唸ることもあった。
最初の夜の後、彼女は柔らかくなった。
外側ではない。
細かな部分でだ。
人前では、相変わらず牙を見せ、鋭く、危険だった。戦いでは、さらに恐ろしかった。だが部屋で、扉が閉まると、メイは自分には何も要らないふりをしなくなった。額を彼の肩へ押しつけることもあった。髪を撫でろと要求することもあった。眠りながらも守っているかのように、腕で彼をきつく抱いて眠ることもあった。
そしてリニは、それを聞いていた。
最初は壁越しに。
次に、朝食の席の沈黙を通して。
そして、メイが朝、あまりに満ち足り、あまりに生き生きとして、琥珀色の目に何とも間違えようのない光を宿して彼の部屋から出てくる様子を通して。
リニは黙っていた。
けれど彼女の訓練の形が、代わりに語っていた。
石、木、鉄、骨、穀粒は今も確かに保たれていた。だが時々、鉄の輪が速く回りすぎた。訓練の火が必要以上に熱くなることがあった。空気の押さえつけが鋭く出すぎることもあった。暴発ではない。災厄でもない。けれど内側の緊張だった。
嫉妬。
悪意のあるものではない。
小さなものでもない。
強く、育ち、絡み合ったもの。
リニ自身は、そう呼びたくなかったのかもしれない。混ざっているものが多すぎた。メイと、彼女が彼の部屋へ行ける権利。自分の感謝。弟子としての師匠への感情。彼が彼女を森、山、血、宮殿を越えて導いた記憶。若返りによって外見上はほとんど同年代になった彼の身体。そばにいろと命じた父の言葉。すでに支えになってしまったものを壊す恐怖。
王女。
弟子。
魔導士。
ただ彼を望む女。
そのすべてが彼女の中で同時に生きていて、互いの呼吸を邪魔していた。
彼は見ていた。
けれど押さなかった。
ある夜、彼女が自分から来るまでは。
メイのようにではなかった。
リニはノックした。
静かに。
彼はほとんどすぐに扉を開けた。
彼女は暗いマントを肩に掛け、廊下に立っていた。髪はほどけ、顔は青白く、灰色の目はあまりに開かれていた。手には小さな訓練用の物を握っていたが、それらは空中に浮かんでいなかった。錨のように、彼女の掌の中に横たわっていた。
「入ってもいいですか?」
彼女が尋ねた。
「ああ」
彼女が入った。
扉が閉まった。
数秒間、二人は向かい合って立っていただけだった。
彼はその瞬間、自分が何であるべきか分からなかった。
師匠か。
ならば慎重に話し、何があったかを尋ね、座らせ、水を出し、感情を分かる形へ分解すべきだ。
王から娘を託された者か。
ならば一歩下がり、政治的、道徳的、人間的な結果をすべて思い出すべきだ。
男か。
なら話はもっと簡単で、ずっと危険になる。
森で彼女が震えるのを見て、最初の石を保つことを学ぶ姿を見て、ハズレットのために泣く姿を見て、父の前に立ち、また王都に残れないと聞いた姿を見た者か。
なら、退くのはほとんど残酷だった。
先に沈黙を破ったのはリニだった。
「彼女のことが聞こえます」
誰のことか、聞き返す必要はなかった。
「ああ」
「彼女が自分であなたのところへ来ていることも知っています」
「ああ」
「あなたが彼女に強いていないことも」
「ああ」
「彼女が幸せなことも」
彼は黙っていた。
リニは指を握った。掌の中の石が音を立てたが、砕けはしなかった。彼女自身がその音を聞き、力を緩めた。
「嫉妬したくありませんでした」
彼女は言った。
それだった。
正直で。
痛い。
「でも嫉妬しています。彼女だけに、というわけではありません。彼女そのものにでもない。彼女が来られることに。まっすぐ言えることに。取ることに。あるいは、取られることに。私は……同じことをしたら、自分が何者になるのか、ずっと考えてしまうんです」
彼女は目を上げた。
「あなたの弟子ですか? 王位継承者ですか? 義務ですか? あなたが救った女の子ですか? 制御しなければならない魔導士ですか? それとも、ただそばにいたい女ですか?」
言葉が一つずつ彼を打った。
それを考えていなかったからではない。
考えすぎていたからだ。
「リニ」
彼は静かに言った。
「俺にも、どこが正しい境界なのか分からない」
彼女は笑おうとしたが、できなかった。
「もし、そんな境界がないのなら?」
「なら、もっと危険だ」
「分かっています」
彼女は一歩近づいた。
「でも今ここで帰っても、望まなくなるわけではありません。ただまた、それを内側に抱えたままにして、やがてほかのこと全部を邪魔し始めるだけです。もう邪魔しています」
それは、恐ろしいほど説得力があった。
なぜなら彼は知っていた。抑え込まれたリニの力は危険だ。けれど抑え込まれた感情も、同じくらい危険だ。嫉妬で家を破壊するという意味ではない。彼女がまた、自分を災厄として扱い始めるという意味でだ。望んではならず、求めてはならず、取ってはならず、大切な相手のそばで生きていてはならない存在として。
彼は近づいた。
ゆっくりと。
「なら、今夜のお前は弟子じゃない」
彼女が震えた。
「王位継承者でもない。王からの任務でもない。制御の問題でもない」
リニは大きく開いた目で彼を見ていた。
「では、誰ですか?」
「リニだ」
彼女は息を吐いた。ほとんど痛みのように。
「ただのリニ?」
「ただのリニ」
そして、おそらくその後に彼女は決めた。
飛びついてはこなかった。
メイのようではなかった。
牙もなく、挑発もなく、唸りもなく。
リニは近づき、自分から彼に触れた。
最初は肩へ掌を。
次に首筋へ指を。
その次に唇を。慎重に、ほとんど怯えるように。彼を確かめるというより、その可能性そのものを確かめるように。
彼も同じように慎重に応えた。
望んでいなかったからではない。
望んでいた。
あまりにも。
けれど二人の間にはあまりに多くの層があり、ひとつ乱暴な動きがすべてを間違いに変えかねなかった。
彼女は震えていた。
彼もだった。
それはメイとの夜とはまったく違っていた。
メイとは、火であり、突進であり、容赦ない開け放ちによる告白だった。
リニとは、ゆっくりほどける絡まりだった。優しさ、恐怖、欲望、信頼、恥じらい、感謝、嫉妬、義務としてではなく選ばれたいという必要。それらが一つずつ顔を出した。彼女は彼へ身を寄せ、また止まった。自分から唇を求め、また目を閉じ、自分の大胆さを恐れるように身を強張らせた。止まり、尋ね、待ち、また単純なところへ戻る必要があった。嫌なら嫌と言える。もっとゆっくりと言える。途中でやめてもいい。
彼女はやめなかった。
リニは、言葉で隠すほどには、身体で隠すことができなかった。一つ一つの触れ合いが、恐怖の場所、欲望の場所、信頼がまだ脆い場所、そしてすでにどんな理屈より強くなっている場所を見せた。彼女は、救われた少女が守り手にしがみつくようにではなく、ようやく自分の役割の硝子の向こうから出ることを決めた女として、彼にしがみついた。
彼は、これが二人の間の何かを壊すのではないかと恐れていた。
師弟関係を。
信頼を。
形を。
だが壊れたのではなかった。
別のものが来た。
重なり合うこと。
直接の意味で魔法的だったわけではない。もっとも、ある瞬間、リニの魔力が彼らの周囲で温かく深い波のように揺れ、彼はほとんど囁くように、彼女を呼吸へ戻さなければならなかった。抑えつけるのではない。止めるのでもない。ただ思い出させる。ここだ。今だ。嵐ではない。宮殿ではない。恐怖ではない。ただ、二人だけだと。
彼女は聞いた。
そして保った。
その後、リニが隣で静かに横たわり、完全に力を使い果たしたようになっている時、彼は彼女の髪を撫でていた。彼女は目を開けたらまた、この部屋には大きすぎる何かへ戻ってしまうのを恐れているかのように、彼にしがみついていた。
「何も壊れませんでした」
彼女はほとんど声にならない声で言った。
彼は目を閉じた。
「ああ」
「怖かったです」
「俺もだ」
彼女が視線を上げた。
「本当に?」
「とても」
それがなぜか、彼女を微笑ませた。
弱く、疲れた、けれど本物の微笑みだった。
「よかった」
「何がよかったんだ?」
「怖かったのが、私一人じゃなかったから」
彼は指で彼女の髪を梳いた。
「いい娘だ」
リニは目を閉じた。
今度、その言葉は違っていた。
訓練の後ではない。
戦いの後でもない。
魔法の制御への褒め言葉でもない。
自分自身でいる勇気への言葉だった。
「ありがとうございます、師匠」
彼女は囁いた。
それから短い間を置き、付け加えた。
「今は、そう言ってもいいですか?」
彼は思わず小さく笑った。
「今はいい」
朝、メイは階下で彼らを迎えた。その笑みだけで、宿屋に灯りが不要になりそうだった。
リニは座る前から赤くなった。
メイは卓の上で腕を組み、首を傾げ、牙を見せて笑った。
「おめでとう」
「メイ」
彼は警告した。
「何だ? 私は優しいぞ」
「今のお前は、乳脂肪と他人の秘密を同時に見つけた猫みたいな顔をしている」
「両方見つけた」
リニは杯の陰に顔を隠した。
「私は何も言っていません」
「全身で言っている」
「メイ」
獣人は満足げに背もたれへもたれた。
「分かった。言わない。今は」
ベラは隣に座り、まるで粥だけが重要であるかのように、必死で粥を食べていた。
うまくいっていなかった。
耳まで赤かった。
「ベラ」
メイが言った。
「今にも皿の中へ沈みそうだぞ」
「私は口を挟みません」
「黙っているのにうるさい」
ベラは目を上げ、リニを見て、彼を見て、それからまた皿へ視線を落とした。
「ただ……組の中の場所に慣れているところです」
あまりにも正直に言われたので、メイでさえそれ以上噛みつかなかった。
彼は頷いた。
「ゆっくり慣れろ。誰も急がせない」
ベラは感謝するように彼を見た。
「はい、マスター」
それで朝食は、ほとんど普通のものになった。
ほとんど。
メイは時々にやりとした。
リニは時々赤くなった。
ベラは気づいていないふりをしながら、すべてに気づいていた。
そして彼は、世界がまた複雑になったのではないという顔をしようとしていた。
もっと悪いことに、世界はさらに満ちてしまっていた。
臨時の依頼は昼前に来た。
ちょうど訓練へ向かおうとしていた時、ギルドの使い走りの少年が宿へ飛び込んできた。息を切らし、目を丸くし、彼らをほとんどすぐ見つけた。
「ルシアさんが呼んでます! 急ぎです!」
彼はもう立ち上がっていた。
「何があった?」
「壁のところに……その……何かが。魔導士たちはアンデッドだって。強いのが。全部の組を呼んでます」
リニが青ざめた。
メイの表情がすぐ真剣になった。
ベラは、あまりにも丁寧に杯を置いた。
「どんなアンデッドだ?」
彼が尋ねた。
少年が唾を飲んだ。
「分かりません。黒い服の老人みたいで。でも老人じゃなくて。骨があって。周りに円が。たくさんの円が。結界も。北壁のすぐそばです。何かをしています」
「襲っているのか?」
「いいえ。今のところは。ただ立って……儀式を。衛兵は近づけません。魔導士たちも分からないって」
「リッチ」
リニが静かに言った。
確信ではなかった。
だが部屋の温度が下がるには十分だった。
彼は素早く刃を取り、革帯、薬瓶の袋、ギルド認識票を確認した。
「装備だ。全部。ベラ、鎧と塔盾。メイ、両方の武器。リニ、円が分かるまでは大きな魔法なしだ」
「はい、師匠」
「はい、主人」
「はい、マスター」
三つの返事。
三つの違うつながり。
一つの組。
彼らはほとんど走るように出た。
ギルドの前は、すでに人が多かった。
よい知らせにしては、多すぎる数だった。冒険者、都市の衛兵、灰色のマントを着た魔導士が二人、狩人たち、使い走りたち。ルシアは入口のそばに立ち、帳簿と組の一覧を手にしていたが、今の彼女でさえ緊張して見えた。
彼らを見ると、すぐ手を振った。
「『死の静寂』、こちらへ」
彼らは近づいた。
「何が分かっている?」
彼が尋ねた。
ルシアは早口で話した。
「高位のアンデッドです。普通の死体でないことは確実です。リッチか、それに近いものの可能性があります。およそ半時間前、北壁のそばに現れました。攻撃はしていませんが、儀式を組んでいます。周囲に複数の魔法陣、結界、反射回路があります。衛兵が二人近づこうとして、一人は弾き飛ばされ、もう一人は数分間、視力を失いました。市の塔の魔導士は、構造を完全には理解できないと言っています。すでに悪い状況です」
「儀式の目的は?」
「不明です」
「時間は?」
「不明です」
「なぜ俺たちだ?」
ルシアは彼の目を見た。
「あなたたちには強い魔導士、盾、速い近接戦闘員がいて、殴る前に考えることができます。今、それができる組は多くありません」
ありがたい。
そして、まったく安心できない。
「ほかの組は?」
「集まっています。ですが、誰も最初に顔で結界を確認したがってはいません」
メイが牙を見せた。
「臆病者どもだ」
ルシアが鋭く言った。
「無意味に死にたくない生きた人間です」
メイは黙った。
珍しいことだった。
彼はリニを見た。
彼女は青ざめていたが、まとまっていた。袖のそばには、すでに異なる物で作った複雑な形が浮いている。震えていない。
「何を感じる?」
リニは一秒だけ目を閉じた。
「冷たさ。層。多くの異質な魔法。それと……内側の空白」
「儀式の内側か?」
「彼自身の内側です」
リッチ。
あるいは、それに近いもの。
普通の生命はないが、意志と魔法と、都市の壁のすぐそばで得体の知れない儀式を準備する時間を持つ存在。
素晴らしい。
彼はベラを見た。
彼女はもう盾を持っていたが、顔は張り詰めていた。
「今のお前の仕事は、英雄ごっこをしないことだ。結界は未知数だ」
「はい、マスター」
「メイ、飛び込むな」
「私は別に……」
彼は彼女を見た。
彼女は牙を見せた。
「はい、主人」
「リニ、円を見る。壊すな。今は見るだけだ」
「はい」
ルシアが緊急依頼の仮標識を差し出した。
「報酬は脅威排除後、市が決定します。私たちが会計処理まで生きていれば」
「励ますのがうまいな」
「言ったでしょう。私の仕事は生存率です」
彼は標識を受け取った。
北壁の向こうに、黒い煙か霧の柱が上がっていた。
いや、上へ伸びてはいない。
それは地面の上に留まり、内側へ巻き込まれるように渦を巻いていた。
そこから流れてくる冷気は、距離があっても、彼の指を刃の柄の上で強張らせるほどだった。
都市の壁際のアンデッド。
魔法陣。
結界。
目的不明の儀式。
彼は息を吐いた。
「行くぞ」
「死の静寂」は北門へ向かった。




