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第2王子がどうなったかどうか知らない。ゆっくりした歩調で進む馬車に乗せられて移動中の私には情報をゲットすることが出来ないからである。しようと思えばできるけど、そんなことをしたら旦那さんを筆頭に兄やら父さんやらに怒られることは必至。そして、外出はもちろん散歩すら出来ない様になることは簡単に予想できるので、大人しく車窓?の風景を見ながらぼーっとしている。薬の影響も無論ある。旦那さんの膝枕が固いなー。そう思いつつクッションをかませて貰うかそれだと、貰っている魔力の伝導率が悪くなってしまう。そうなると今見ている外の風景も見れなくなってしまうしなー。などとどうでもいいことを考えていると書類を見ていた旦那さんが私の半身を起こして座位にしてくれる。
胸によしかかる私にキスを落としてから書類を見せてくれる。文面を目で追いつつ耳元で響く声が心地いいと思いつつ内容を確認する。
「要するに種馬にするんだ。繁殖能力が少ない者が継ぐ者として能力が半分ないと判断されるからね。それでも王としての能力は捨てがたいんだろうね。まあ、うちにちょっかいをかけるようなことが無い限り今回のことは目をつぶっても良いとか言ってんでしょ?本家は」
「そうだな。当主様もそう考えている様だしな。このままフィールドでゆっくり休んで居ればすぐに治るだろうし。フィールドも安定するだろうし」いことだらけだろ。そういう旦那さんの笑顔が怖いです。
フィールド精霊と契約すると調節がスムーズになる。親族がやってもスムーズだが、やはり本人が居た方がやりやすい。精霊は基本人間に憑いたりしない。本拠地にいるときに契約者が居れば話が通りやすい程度なんだが、私の契約した精霊は完全についているためフィールドの調節ができない。しかも、精霊を維持するためには魔力が必要。大地に流れる魔力を吸収して精霊となっているはずなのに人間に憑いてしまっているので、憑いている人間の魔力をガリガリと奪っていく。生命維持にも魔力が必要な世界なのに魔力を常に消費されては治る物も治らないということでフィールドに行けば本拠地に移動するだろうという思惑もあって移動することになったのである。
休み休み馬車に揺られて1か月。やっとフィールドに付いた私は驚いた。せっかく調節したフィールドがほぼ水浸し。なんで?っと思いながら精霊に本拠地に移動するように働きかけると少し嫌だなー的な感じを出しながらも移動してくれる。息苦しさが解消されたのでゆっくり深呼吸している私を見てニマニマしている旦那さん。そのまま庁舎に移動して書類作業に従事している兄に顔出しする。
「少し顔色よくなったね。それに地のめぐりがよくなったみたいだから、水浸しの状態も改善するだろうね」笑いながら話してくれてますが、目の下のクマが大変なことになっているよ。
「優希が作ってくれた調節陣を使っても使っても翌日には水浸しになってしまうからね。畑の方を優先して調節していたんだ。住人達も異常なことだと解っているのか陳情書は少ないけど困っていたんだ」やつれた顔でほっとされると早く来ればよかったっと思ってしまった。
「本当は、王都よりこっちを優先してほしかったんだけど、王族の要請が強くてね。強行軍だったみたいだけど大丈夫だったか?賠償はかなり吹っかけたみたいだからそれで過ごしやすい環境を作っても文句は言わないだろうね。本家は。今回の件で王族に貸をいくつか作ったみたいだし」そう言いながら休める場所に案内してくれる。今回は庁舎に寝泊まりして調節をスムーズに運んでほしいと以前から言われている。旦那さんと博昭さんが居るから守りは完璧だろうし。医者もついてきたから治療しつつ仕事をすることとなるんだろう。そう思ないながらベットに横にされる。
「起きたら風呂に入ろうな」そう言い寝かしつけてくれる旦那さん。寝ている間に警護について打ち合わせをするんだろう。ここの部屋にいる限りは旦那さんが離れても安全だと確認されているから出来ることなんだろう。一人の時間が無いのでゆっくり出来ないのでは?面倒ではないの?っと聞いた後にいい笑顔でそんなことは無いと体で理解させられてしまったので言わないようにしている。
何が楽しいのかと思いながら体力を回復するために寝に落ちる。
チャプチャプと言う音で目を覚ますといつもの通り旦那さんの抱っこで入浴中。いつもと違うのは官庁の浴室がグレードアップしている所だろうか。グレードアップと言うかこれ王宮の風呂だよね?疑問と共に見上げてみるとニッコリ笑いながら旦那さんのセリフに驚いた。
「今回の件で王族に貸を作ったからな。転送陣を王族の風呂につなげてもらったんだ。これで貸しを0.5返してもらうことにしたんだ。贅沢な風呂は好きだろう?それにこの風呂の水はフィールドで調節した水を使っているから文句は言わせない。ほぼお前の魔力と同等の波長だから調子が悪くなることは無いだろう?」そう言われてそういえば・・・・と長く入っているのに湯あたりになってない事に気づく。
「水に溶けている魔力を回復したら上がるぞ。このお湯はこのまま王族が使うらしいからそのままにしていていいらしい。水をためるのも大変だからな。魔力を吸収しても水は水。本当は捨ててし待ったいけどな」と笑っている。そうするに入浴と治療を同時に行っているのね。吸収した魔力は足りなくて悲鳴を上げていた内臓たちに行くのだろう。魔力が足りなくてボサボサの髪。カサカサの肌。保湿しても根本的なところが足りないから意味がないらしい。これで少しは良くなればいいなーと思いながら旦那さんの悪戯を阻止しながら入浴する。
結局あまり悪戯を阻止できず違う意味でぐったりしながらパジャマを着させてもらう。
魔力流失がなくなったからと言っても病人には変わりないので、夜はお付き合いできません。治るまで追わずけとなっている。ふれあいを増やしたりちょっとした悪戯でごまかしているのだろうが、解禁になったら大変なことになるだろうな。と遠い目にしてしまう私は悪くない。




