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「ゴホンッ」
第一王子殿下も気まずそうに咳払いをなさったぞ!
「侯爵令息、私は事情を多少聞いてはいるが…そうか良かったな」
ほらっ第二王子殿下にまで気を使わせて!
「侯爵令息、あなたの年齢も、実はそこの白ウサギ令嬢と同じでしたか?」
容赦ないな侍従殿は!って私と同じってどういう意味だ?!
私が幼く見えるのは外見だけだ!
「まあまあ、令息にとっては何よりの慶事なのですから、素直に祝福すればよろしいではないですか。今、ここには令嬢はうちの娘だけですのでお気になさらず」
あれ?皆は私に気を使って気まずくなってたの?
‥‥ちょっと!まさか私には、まだ大人の証が来てないとか思ってるわけではないよね?
私が発する不穏な空気を読み取った第一王子殿下が「では次に移ろう!」と慌てて話し出す。
誤魔化したな?まあ今回はダビデに免じて許してやろう。
「皆、私が隣国を訪問した理由だが、領主達にも説明したように、隣国から来ている悪意と魔物の影響を伝えるのが一つ。だがこれは隣国も知っていた事実だから、そう重要ではなかった。むしろ塀の外を放置しているなら、放置された場所をこっちが好きに活用しても良いか?と確認を取る為が大きい」
「殿下、聞いても良いですか?隣国の土地を使えるって、何かメリットがあるんですか?」
「国境は変わらないんだ、プリシラ。しかも税関も出入国手続きも必要ない。だから国境外で得た物を自領のみで消費した場合、税金はかかるか?」
「あっ、かからない!」
「そうだ。だがそれらを国内で売るなどして利益を出した場合は計上せねばならない。彼らは素早くそれを察知して計算したんだ。対岸は森と平地が続くからな」
「でも私がホーリーで地面をボコボコにしちゃったかも」
「浄化の間違いだろ?それにそんな事、彼らには関係ない。この伯爵家だって土属性だぞ?」
「あ、そうか」
「次の目的だ。隣国は世界最古の国だ。つまり歴史も古いしその分、知識量も膨大だ。その知識の助けを借りに行ったというのが大半の理由だ」
「殿下が望まれた情報はあったのですか?そして協力は得られたのですか?」
「協力は惜しまないと言ってもらえた。だが全てに欲しい情報があった訳ではない。その一つが重力魔法についてだ」
やっぱりだ!第二王子殿下も目を見開いて自分の兄を見ている。
「隣国に魔法書まではいかなくとも、我々より重力属性に関する詳しい情報がないかと尋ねたよ。そしたらジュリアン第二王子殿下も実は重力属性だったんだ」
『えっ!』これは全員で驚いた。
「だが彼の魔力は弱い。やはり重力属性の魔力は髪よりも、より瞳に宿るんだ。彼の瞳はピンクだ」
まさかアイツ!あのダンスに重力魔法を使ってたんじゃ?だからあんなに踊れたんじゃないの?
「あのダンス…まさか」
第二王子殿下も気付いたみたいだ。
「お前も上手く使えば、あのダンスの名手になれるぞ?」
第一王子殿下はニヤリと口の端を上げた。
やっぱりか!第一王子殿下は知っておられたんだな。だけどダンスにしか使えないんじゃ意味なくね?
あ、でも隣国はあのダンスが重要なんだった…でも重力魔法を使って踊るって、ある意味ドーピングだと思う。
「話が逸れたな。それで魔法書はあったんだ。だが恐らく初級魔法に近いもののみだ。やはり彼らの先祖にも重力属性はいたが、ほとんどが魔力に乏しい者ばかりだった。それはジュリアン第二王子に限定した話ではない。隣国の国民全員の平均魔力量が我々の国に遥かに劣るんだ」
「もしかして、隣国が塀を作った理由はそれか?」
「そうだ」
ちょうどその時、買い物に出られた隣国のお二人が戻られたと連絡が入った。
私達は話の途中であったが、その後はランチを頂いてから再び、今度は隣国のお二人も交えて話をする事になった。




