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魔法少女は無理がある?!〜魔法の呪文をヘビメタにのせて♪〜  作者: 朱井笑美


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 翌日の午前中、王女殿下とジュリアン殿下は、モネ達と一緒に伯爵領の街中に観光と買い物に出られた。


 私は父と第二王子殿下、侯爵令息らとともに、第一王子殿下から今回の隣国訪問の経緯を聞くことになっていた。

 伯爵家の会議室のような場所には伯爵様や侯爵様、辺境伯だけじゃなく、この国境の河川一帯の領地の領主達が集まっていた。

 全員が揃うと第一王子殿下が口を開く。


「皆、今日は集まってもらってありがとう。そして伯爵は隣国の王族を迎える準備やパーティなど、大変世話をかけた」

 と最初は皆を労う。


「今回、まず説明しておきたい件は、昨年の冬の魔物の長期発生ついてだ。この地域に限っての魔物の大発生は、やはり隣国の影響であると断定された。隣国で未対応の悪意と魔物がこちらに流れてきたのが原因だと思われる」


「第一王子殿下、質問ですが、昨年度の魔物大量発生の原因については納得しました。しかし、それ以前の年はどうだったのでしょうか?それまでは無かったはずの事です」


「そうだな。それ以前の年に関しては確認の取れる範囲で調べたが、塀の外の地域で暮らす住民がある程度いたというのが一番の理由だ。つまり、前年以前は塀の外の住人が魔物退治を行っていたんだ」

「しかし昨年はいなかったと?」


「いたのかもしれないが、少なかったのだろう。今回、私を筆頭とした使節団が隣国に向かった際、王都とされる第一壁内居住区までの道中では魔物と野生動物以外、一切、人を見かけていない」


「住人達は一体どこへ?また塀の中に戻ったのか?」

「その通りだと思われる。恐らく塀の外での生活は過酷を極めたのであろう。塀の外の魔物は全て自分達で退治する上、生活に必要な農地の開拓に衣食住を整える必要がある」


「それはそうだな。到底、数人くらいでは叶うまいな」

「それに悪意は塀の中で発生しても、魔物の発生は塀の中とは限らない。しかも塀に阻まれた魔物は外の住人に向かった。外の住人は改めてそれを感じ取って絶望を抱いたのだろう」


「まさか、その絶望も悪意に?!」

「住人の中に戦える者が減ったなら、弱い者からやられていく。塀の中に戻る者が多く出たんだろう。それが昨年だ」

「だからこちら側に魔物が出続けたのか…」


「そもそも何で塀ができた時に塀の外に出て暮らそうと思ったんだ?」

「確かにそうだ。自分達で魔物対策も全てやらないといけないと分かっていたはずだろうにな」


「塀の建設後も、塀の外に出る住民はしばしばいたそうだ。塀の外の土地は税金もなく自由に使えるからな。それに出た当時は塀の外でもやっていけると自負する自信と実力があるものばかりだったのだろう」

「そんなの好き勝手に出る者は多数いただろうな〜」


「王家は塀の外に出る者を強引に引き留める事はしていないそうだ。そう言った要望を我慢させるのも悪意に繋がるからな。そして戻って来る者にも寛容だった。ただし戻って来る場合は塀の中に引受人がいる事が条件だった。もし引受人がいない場合は処遇が決まるまで、滞在する施設があった。塀の外に出る者にはそういう内容を承認させた上で出していたそうだ」


「昨年の状況は分かった。だが今年は?昨年の間に住人が塀の中に戻ったのであれば、今年はなぜ同様の事が起こらなかった?!」

「そうだ今年は?!そして来年からはどうなる?!」

 領主達が騒ぎ出す。


「皆様、お静かに!第一王子殿下がご説明なさいます」

 侍従殿が通る声で皆を一瞬で黙らせる。


「今年は冬の早いうちに、試験的に光魔法による河川の浄化を行った。その状況を侯爵家と辺境伯家で定期的に観察し、春まで様子を見たところ、魔物の発生は概ね例年通りか、それ以下に抑えられた。つまり河川の浄化は効果があったと言うことが分かった」


「なんと!それは神殿が行ったのか?!」

「誰が?とは、その質問に関しては黙秘させて頂く。ただ神殿と伯爵家が王家の依頼によって協力し、成し得た事だと言っておこう」

 ほとんどの領主達はそれで納得した様子だ。今後の浄化の事もあるので余計な詮索は不利だと感じたのだろう。


「では今後も河川の浄化は定期的に行なっていくと、我々は捉えてもよろしいのでしょうか?」

「それは可能な限りとしか答えられない。それに隣国の影響によるものではない突然の魔物大発生の可能性だってある。だから今後も気を緩めず、皆には魔物発生に備えて欲しい。我々も神殿と協力し常に警戒をしていく」


「第一王子殿下!なぜ、可能な限りなのでしょうか?光魔法による浄化は定期的には難しいのでしょうか?」

「川の浄化を行える光魔法使いは今のところ一人しかいない。この地域にのみ専念させる訳にはいかないのだ。皆、理解してもらえないか?」

 その時、皆が一斉にプリシラを見た。

 バレたんか?

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