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「ちょっと!それってどう言うことよ?」
「どう言うって、そういう事だけど…」
「令嬢はダンスの腕前も天才的だという事ですよ。セザンヌ嬢」
「本当に?」
「でも隣国はダンスの文化はあるの?どんなダンスを踊るんだろう?」
「ちょっと…あなた…本当に踊れるの?」
「私が踊れるのが、そんなに不思議なことなの?一応、貴族令嬢だし」
「プリシラ、ダンス自体は隣国から来た文化なんだよ。川の向こうの隣国は、実は歴史が我が国よりも遥かに古い。恐らく世界中で、国として一番長く歴史を持つのが川の向こうの隣国だ」
なんと!私ってそんな事も知らなかったの!?
そう言えばこれまで、この世界は単一言語だし!とあまり国外には目を向けて来なかったかも。
ずっと光魔法を覚えるのも忙しかったし…ほぼ言い訳だけど。
「セザンヌも知ってたんだ?」
「世界最古の国とまでは知らなかったわよ。でも、うちより歴史が古いという事と、ダンス文化は隣国から来たというのは知ってたわ」
「随分、前から隣国は鎖国に近い状態ですからね〜貿易などの交流もほとんどありませんし。きっと知らないのは令嬢だけではありませんよ」
「もしかして第一王子殿下が隣国に行かれたのは…第二王子殿下の為?」
「なぜ?」
「世界最古の国なら、重力魔法の魔法書もあるかもしれないでしょ?」
「そうだな。それもあるかもしれないけど、もっと他にも理由がある」
「そうなんですか」
「兄上がどんな情報を持ち帰るかは分からないが、きっと君には話されるはずだよ?君は聖女の杖の持ち主だから」
そうかなぁ。また殿下に良いようにコキ使われて、後になって、こうだったって理由を聞かされる気がするんだけど。
「ねぇ、プリシラ!今日の午後は魔法の練習じゃなくてダンスを練習しない?」
「ん〜殿下はどうですか?」
「そうだな〜セザンヌ嬢が練習したいんだろ?」
「そんな事ないわ!これでも高位貴族狙いだったから、魔法よりも練習させられたのよ?」
「それならダンスの練習はいいかな」
「そうだな。もっと魔法の精度を上げたいしな」
「もう!二人とも、心配して損したわ!」
「そんな事ないよ。セザンヌ嬢、情報ありがとう」
「私、先に戻ってますから」
そう言ってセザンヌは去って行った。
鍛錬の後、伯爵家の屋敷に戻ると屋敷の使用人達が、忙しそうに屋敷中を駆けずり回っていた。
元々、晩餐会は開かれる予定にはなっていたが、急遽、隣国の王族が来て舞踏会になると言うのだから、会場が大きくなった分、準備も増えたのだろう。
そして第二王子殿下の元に入った情報では、川沿いの領地を持つ貴族達も招かれたらしい。侯爵家や辺境伯もお見えになるようだから、なかなか規模の大きな舞踏会になると聞いた。
晩餐会の料理もセザンヌの家のレストランシェフが近隣の店から総出で駆り出されて料理に当たるそうだ。
まさにこの地域一帯でおもてなしだ。
でも私達に出来ることは何もないので、ただ邪魔にならないように砦の方に自主避難してきた。
殿下の警護も、砦の方が他の騎士もいるので負担が少ないし、私達を世話して下さっていたメイド達もパーティの準備の人員に回ってもらったのだ。
殿下は当日の衣装の着付けも侍従殿だけで済むらしい。
さすが侍従殿だ。だが私はどうすんだ?まさか私まで侍従殿にドレスを着せてもらう訳にはいかないだろう。
「ご安心を!令嬢。砦には女性騎士や砦のメイドもおりますのでドレスの着付けなどは頼んでおきました」
「良かったです。ありがとうございます。侍従殿」
「まあ私がお着せしても良かったのですが、さすがに体型は姪とは違いますからねぇ」
「体型だけの問題なのか?」
殿下!そこは突っ込むところではない!




