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3学期後半の生徒会の仕事は、主に2年生が1年生に生徒会の仕事内容を引き継ぎするのがメインだ。
これまでも1年生は横で先輩のサポートをしながら、仕事を学んできているので、引き継ぎと言ってもお互いに仕事内容のすり合わせみたいなもので、そう大変なものでもないという話だ。
先輩方が抜けた後も確認できる過去の資料も、代々の引き継ぎノートもある。それでも皆、今は互いの仕事の話で忙しそうだ。
プリシラは役員でもプラス1の役員だから、引き継がれる仕事は無いし、自分担当の仕事も無いので他の役員の手伝いが主だ。
生徒会に入れられた時は「ちゃんと仕事も覚えろ!」と指導も入ったが、光魔法の大変さと効果の凄さを目の当たりにした役員達は、生徒会の仕事の事は、もはや何も言わなくなった。
それでもプリシラが生徒会に在籍している以上、仕事はする。
だけど本当に大した仕事じゃなくて、自分は生徒会にいる意味はあるのか?と疑問にも思ったりもしたが、プリシラはやっぱり生徒会に守られていたのだ。
それは侯爵令息のせいで明らかになり、余計に周囲に知らしめる事にもなった。
『プリシラに個人的な討伐援助は依頼できない。光魔法の使用を依頼することも御法度である』と。
どちらも頼みたければ正式な依頼を出すのだ。
その簡易窓口が生徒会になっている感じだ。
幸い昨年は国内で大規模な魔物発生はなかったので、討伐による大怪我などは聞かないし、流行り病や疫病の話も聞かないから、今のところ依頼が入ることは無い雰囲気だ。
「問題は2年生に上がった夏前からじゃないか?」と皆には言われている。
夏を迎える前に2年生は授業の一環で校外実習が始まるからだ。
どの場所もプリシラを実習生として迎えたがっているのでは?と言うのだ。
実習先は受け入れ側の要望と生徒の希望により決定する。
確かに姉も畜産農家に出向いていた。
まあそんなの全部お断りするしかない。
なんせプリシラは大神官様に渡された魔法の呪文が優先だ。
なので王都からは、まず出ないはずだ。
両親にも相談するし、きっと殿下にも相談しないといけない…だろうな〜。
「面倒くさい」と思いつつ、プリシラが生徒会室でギターモドキを静かに奏でていると「まだ冬休み前に覚えていた呪文をやっているのか?」と休憩中のジェイクが聞いて来た。
「ええ呪文自体はほぼ覚えたんですが、今は詠唱練習かな」
「詠唱練習?何だそれ」
「肺活量を鍛えるんですよ」
「また意味分かんないな光属性は…」
「魔法詠唱に何で肺活量が要るんだ?」
「リチャード先輩、それは、こっからここまでの呪文を息継ぎ無しで詠唱するんです。それが3回」
「はっ?!何だって?何でそんなこと…」
そう、それが光属性の光魔法なのだ。
「でもそれで中級魔法らしいぞ?」
「何だって?!ますます意味分からん。これは絶対できないといけない魔法なのか?」
「はい。多分、それを発動できたら一瞬で、魔物の中規模発生くらいは殲滅できるって言われました」
「その魔法は人も物も巻き込まれるのか?」
「恐らく。でも一発で終わるなら私一人で済む」
『‥‥‥』
「プリシラは人間兵器だな」
「おっかしいな〜目指すスペシャリストの方向性が間違ってるいと思いません?」
「きっと間違ってないぞ。殿下のお墨付きなんだろ?頑張れよ」
また皆がどこからかオヤツを出してきて渡してくれる。
有り難く「モグモグ」していると第一王子殿下がご登場になった。
殿下は最近、あまり生徒会室に来ない。
もうすでにルイスには引き継ぎも終わっているらしいし、多分、王族としての仕事の方が忙しいのだ。
だけどなぜか私が呼ばれた。
「プリシラ、ちょっといいか?皆の餌付けの最中に悪いが…」
「それはどっちに対する詫び?餌付けしている方?されている方?」
「どっちもだ。お菓子を食べながらでいいぞ」
「えっ流石にそれは…」
私にだって殿下に対する礼儀や貴族の矜持とかある。
「君はお菓子を握って食べていても、なぜか違和感がない」
「あ、それ分かる!」
「食べてる姿も可愛いから、ついあげたくなるしな」
「何あげても喜ぶのもいい」
‥‥それって私が子供だってこと?
「貴族令嬢として、それはどうかと。それに新入生が入って来た時に先輩としての示しがつかない気が」
「プリシラ!何を言うんだ!それはプリシラの特権だぞ」
「そうだ悪い方に取るな!さあ殿下の話を聞いてこい」
皆にそう言われて、私は更にお菓子を持たされ、殿下のサロンに移動してソファに座る。
「ブルーノ!笑いを収めてから茶を注げ。危ないぞ」
「あっハイ、済みません。殿下」
「殿下も侍従殿も一緒にお菓子をいかがですか?」
「なんか姪にお菓子を「はいどーぞ」された時の気分です」
「はいどーぞ!!」
「ブルーノ、君の姪は睨んでこないだろ?」
「殿下は本題を、はいどーぞ!」




