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「やっぱりプリシラは呪文の成り立ちを考えながら、魔法を覚えてますね?」
「ああ。だから二種類の魔法を掛け合わせる事に成功したのだろう」
「お父様、だったらあの魔法書が本当に失った体の一部を再生させる魔法だとしたら…」
「そうだ。それこそプリシラが、掛け合わせる魔法を生み出すであろうな」
「やっぱり!それが狙いですか?」
「それもあるが、まずは何の魔法であるのか判明が先だ。だから春から学校に送り込む教師を厳選せねばな」
「そうですね〜魔法書研究の第一人者なら、やはりマルチェリノ殿では?」
「そうだな〜マルちゃんに言っとくか」
「お父様はマルちゃんが好きですものねぇ」
「そうだ!父上、プリシラに言っとくの忘れてました。今年の新入生に第二王子殿下と光属性の令嬢が一人入学する予定だってこと」
「第二王子殿下のことは知っているんじゃない?」
「でも令嬢の方は、まだ知らないだろうな」
「学校の寮に入るらしいから、春休み中には来るわ。そしたらウワサにもなるだろうし、その時で良いんじゃない?」
「そうだな。今はホーリーに集中させてやらないとな」
「でも父上、最初、寮ではなく神殿で面倒見れないか?と打診が来たのでしょう?」
「ああそうだが断った。学校に入学する者は、光属性でも王都に家が無ければ最初は全員、寮だと伝えてある」
「その子は神官希望なのかしら?」
「さて?」
「プリシラ、神殿はどうだったの?大神官様には怒られなかった?イノ様もフレデリカ様もお元気だった?」
元気の確認に大神官様が入ってないぞ?お姉様!
ちなみにフレデリカ様は聖女様のお名前だ。
「お姉様、大丈夫だったよ怒られなかったよ。でももう家族内での魔法の検証は止めろって注意された」
「そっか〜ちょっとは褒めてもらえると思ったのになぁ。川の事もあるし」
多分、あの魔法書がご褒美だったような気もするけどね。
あの書物は大神殿の魔法書の中でも秘蔵中の秘蔵のはずだ。
「お姉様、今回、実験は注意されたからハンカチの魔法陣の方も、しばらくは検証をやめた方がいいかもよ。きっと殿下にはすぐバレる…いやきっと、もうバレてる」
「ああ!それね、実は第一王子殿下から直々に依頼が入ったの。他の王族にも作って欲しいって」
「えっ?そっちには目を瞑るって話?」
「そうねぇ。王族の分も作ってくれるなら、これまで検証済みの魔法陣には目を瞑るって言われたの」
「足元見られた!」
「フフ。でも良いのよ。結局は王家に恩を売るのと同じでしょ?でも卒業制作発表での刺繍の発表は諦めるわ」
「もったいないけど、いいの?」
「うん。注文が殺到しても困るし。だけど王家からは定期的に注文が入るかもしれないから。刺繍は趣味だし、本業は薬師だからね」
「王家だけじゃなくて、神殿からもでしょう?」
「そうそう二大権力の顧客だけで十分でしょ」
姉は学校卒業後は王宮の薬草園に魔法薬師として就職が決まっている。
この国での大きな薬草の栽培地は、王家直轄の農園と神殿、伯爵家が大部分なので薬師になるならこの3か所が主な就職先になる。
勤め先としての難易度とステイタスは若干、王宮だが、薬師は研究者も多いので、あまり意識せずに3カ所をローテーションする薬師も多いし、自分の出身地や領地に近い場所を選択する人もいる。
あと王宮と伯爵家に就職すると、討伐の後方支援に必ず駆り出されるので、それが嫌な人は地方の定期的なドサ回りしかやらない神殿に就職する。
姉は最終的には「伯爵家に戻って来たい」とは言っているが、どうだろうな?すでに姉への求婚の打診は多いのだと言う。
求婚ではなく、その一つ前の求婚前の打診だ。
姉に特定の異性はいるのか?結婚の意思はあるのか?王家と神殿の動きはどうなのか?などの探りを入れらている状況だ。
姉は光属性な上、魔法薬師だ。しかも家庭的で美人だし、とてもモテるのだ。きっと人気の嫁候補ベスト3に入るだろう。
普通なら逆に婿を取ってもいいくらいだが、祖父母も両親も結婚は姉に任せるのだと言う。だから余計に姉も慎重のようだ。
それ故の「イケメン第一主義」を謳っている可能性もある。
実際、イケメンが好きなのも本当だろう。
でもイケメンでも王子はちょっとなぁ…第一王子殿下をお義兄様って呼ぶのはヤダなぁ、ますます遠慮なくアゴで使われそう。
かと言ってイノがお義兄様?まあ、それもどうでも良いか。




